その日午後2時46分・福島
11日のうちに親戚から連絡が来て、福島市内に住む祖母は無事だと分かった。家では台所の食器が割れて床中に散らばり、壁にヒビが入ったという。しかし本人は普通に元気に過ごしていたらしい。ひとまず胸をなでおろした。
一方で震災のニュースは恐ろしさを増すばかりだった。津波に呑まれる町の惨状。避難する人々の表情。そして、原発。距離があるとはいえ、祖母が住み、母や自分が産まれた県が、あまりに強烈な力に押し流されていく。そして、ただテレビを見続けるだけの自分と家族。中学の学年集会では、ある