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ユニクロと婚活とブランド哲学。

どうでもいい前置き

コロナ自粛中に会社も2ヶ月ほど休業&在宅になり、自宅で海外ドラマand映画を見まくっておりましたが、インプットするばかりでアウトプットする場がなく、なんとなくイラスト付き映画ブログを書こう!と思いnote始めた次第でございます。

なのでこの場は映画ブログオンリーにしようと思っていたのですが、日常で思ったこととか、考えを巡らせた事とかを書き出す場が欲しいなと思っていたのもあり、そんな事も書いて行こうかと思います。

ユニクロ

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この前ユニクロがエアリズムのマスクを発売すると発表した。Twitterでそのニュースをみて、めちゃくちゃ欲しい!と思ったのと同時にとある記憶が蘇ってきた。

20代後半、周りの友達が結婚し始めて焦り出した頃、初めて婚活パーティ的なものに参加した。

30〜40人くらい参加者がいて、軽くランニングした後に、お洒落なカフェでご飯を食べて親睦を深めよう的な催しだった。年齢制限がなかったため、男性陣は結構年上な人が多かった気がする。

ランニングを終えて、男女交えてご飯を食べながら自己紹介していた時。

私はファッション業界の端の端くれでデザイナーをしているのだが、職業を聞かれたのでそのことを伝えると、たまたま向かいに座っていた結構年上なおじさんが質問してきた。

「ファッション業界で働いている人からみて、ユニクロってどう思いますか?(すげえドヤ顔)」

なんとなく批判的な意見が聞きたくて質問してる感のある聞き方だった。本意はわからぬが。

ちょうどその頃、私は会社でデザイナーのおじさんとユニクロの話をしていた。おじさんが言うに「ファッションの歴史の中で一番すごいと思うアイテムは?」という質問に、誰か忘れたけど、ドメスティックブランドのデザイナーは「ジーンズ」と答え、ユニクロの柳井さんは「パンティストッキング」と答えたとのことだった。

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どういう答えが正解という訳ではなく、この質問に対しての答えで、そのデザイナーやブランドの概念や哲学が見えてくると。

そしておじさんは「パンティストッキングにユニクロのものづくりの哲学が全て詰まっているんや。それがすごい。」と感銘を受けた様子だった(柳井さん信者とかではない)。その時は半分くらいしかピンと来なかったのだが、そんな未熟者の私でも、だからユニクロがヒーテックやエアリズム、ウルトラライトダウンなどの商品を開発しているというのは何となく脳内で繋がった感はあった。

※ちなみに柳井さんが「ストッキング」と答えた理由として、ストッキングが開発されたからこそ、女性のライフスタイルが変わり、女性の社会進出が増え、社会を変えたということらしい。

そう言えば、ヒートテックが定番化する前は、冬のインナーはババシャツと呼ばれていた。しかもヒートテックのようにシンプルで薄いものではなく、ダサいレースの付いた厚めの綿インナーだった。

私がファッションの専門学校の学生だった頃、お金がなかったのでユニクロにはすごくお世話になっていた(今もだけど)。だが好きなブランドにあげることはなかった。その頃学生が好きな憧れのブランドというと、ギャルソン・ヨージヤマモト・suzuki takayuki・YAB-YUM・ミナペルホネン・エイネット系などだった。

学校の先生にいたっては「ユニクロを着る人が増えたらファッション業界は終わりだ」と言っていた笑(個人の意見)。そして私も割とその考えだった。

まあかいつまんで言うと、「ユニクロはおしゃれじゃないし、そもそもファッションブランドには値しない。」という事。

↑おそらく婚活パーティで質問してきたドヤ顔おじさんもこの言葉が聞きたかったんじゃないかな。

だがしかし、会社のおじさんとユニクロやブランドとは何か、について話をしてから色々考えるようになった。

加えて、この業界で仕事をするようになってから、

・ブレない信念でブランドというものを続けていくことの難しさ

・商品を適正な値段で作り・売るというものづくりの難しさ(ユニクロは素材から開発している)

・これだけものが溢れた時代に、求められるものを作り、売るということの難しさ

社会に出て揉まれながら、ユニクロブランドという見方が変わり始めていた。

婚活パーティでドヤ顔おじさんからの質問にどう答えたか、かなり溜めてしまったが

「ユニクロはすごいと思います」とだけ答えといた。ドヤ顔おじさんは「ふーん」とだけ言った。

そういう質問をドヤ顔でしてくる奴は、浅い知識しか持ち合わせていないので話をしても面白くない。

ポイントは私の婚活ではなく(笑)、ユニクロのファッションとしてのものづくりの仕方が今までのファッション業界とは違うということだ。

そしてそれはストッキングから来ている。女性の社会進出の象徴という部分もあると思うが、定番となった「生活に必須なアイテム」を作り続け・改良を重ねているという点もあると思う。

ユニクロ元社員のブログにあった印象的な文↓

「むかしTVで見たけどチョコボールは毎年アップデートしてるらしい。あの小さな一個の粒を、チョコの味をちょっと変えたり、ちょこの厚みを変えたり、硬さや大きさを少しずついじって、今でもベストを探り続けてる。
UNIQLOはまさに同じ事をやってて、靴下一足、ポロシャツ1枚が去年とは全部違う。シルエット、素材、縫製、必ず何かアップデートしてて、そんなことを毎年毎年やってる。
社員がみんな萎縮してるから良いアイデアが生まれなくなって、デザインはどんどんクソになっていくけど、反比例して、既存の商品がどんどん良くなっていく。
お客様が喜んでくれる為って本気で思ってて、良い物を適正な価格で出せば絶対売れるっていう理念は創業当時から変わってない。モノ作りで妥協は絶対しない。

働き方に関してはボロクソだったけど、ものづくりに関してはすごく熱く語られていた。

CMやグラフィックなどの広告の上手さもあるけど、ものづくりがやはり強みなんだなと思った。

そんなユニクロが作ったエアリズムのマスク。

そりゃ欲しいよ。

ユニクロは一般的にお洒落ではないと思う。それは学生の頃からの意見として変わっていない。でも使いやすくお手頃な割に高品質なブランドの中では一番ダサくない(と思う)。これからの時代「ダサくない」というポイントは大事だと思う。

まあオシャレかオシャレじゃないかなんて、美人か否かくらい個人の趣味に偏るから適当だけど。ちなみに「ダサくない」を深く考えると「オシャレ」ってことより難しいとも思う。

ちなみにストッキングの件はおじさんから聞いただけだったので、一応ネットで「ユニクロ 柳井さん ストッキング」調べてみたところ、ブラック企業や鬱病というワードがたくさん出てきた笑。

おまけ

繊研新聞(服飾業界の日経新聞みたいなやつ)に載っていたの柳井さんのインタビューにて

「ファッション業界の人間はファッションを娯楽の一部と捉えていない。昔はファッションと娯楽は別物だったけど、今の世の中、ゲーム・アイドル・フェス・スマホ・旅行などお金を使う選択肢がたくさんあり、楽しみ方がたくさんあって、ファッションもその一部に過ぎない。それを理解していないとこれから生き残ってはいけない」

と言ってた。すごくなるほどと思った。

私はユニクロ信者ではないけどユニクロはすごいと思う。





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