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武者小路実篤『友情』(2021/6/26)

「【友情】を思い出せ!!!」
懐かしいですねえ。2019年の年末。あの頃は流行病なんてどこか対岸の話で、舞台も何の縛りなく上演されていた。検温も座席一つ置きも役者さんのマウスガードもない。物販に並んで目の前で欲しいものが売り切れたくやしさも、同じ空間にたくさんの特務司書が居るっていう喜びも経験していた。文劇2の大阪公演行って、次の日には友人の家で忘年会。ホールケーキを四人で分けて、くだらない話をぐだぐだやって、友人が人生初めての酒にチャレンジした。
円盤が出る頃には流行病一色。今まで通りに舞台が上演されなくなるどころか、アニメの進行すら止まっちゃった。と、久しぶりにDVDを開いて思う。
「はやく(流行病前の)日々が戻ればいいですね」
接客の傍らそんなことを言うが、もう戻ってこないんじゃないかって思う。ルールを守らない輩どもを何度も注意してきた。その大半は一、二年の暇など気にしない世代。マスクなしにぺちゃくちゃ話す横で思う。
「なぜ私たちは大学で授業を受けられないんだ?」
本当なら、大学に通って友人と学食を食いながらああでもないこうでもないってくだらない話の中に卒論や就職の話を混ぜていたんだが。
なかなか無い貴重な体験だと割り切っても、悔しくて仕方がない。
日常が戻ってきても、私が失った二年間の大学生活は戻ってこないんだよ。

というわけで、今日紹介するのは武者小路実篤『友情』です。冒頭の半分以上関係ありませんね。文劇2がきっかけで買った本なんですけど、文劇2のことを思い出していたらついつい書いてしまった。

棟方志功装丁を知ってから「本も立派な芸術品だよね」って思っています。
『友情』の装丁は岸田劉生。白樺関係漁ってるとスッと出てきますね。学校のテストには出ないかもしれませんが、関連ワードを線でつないで覚えましょう。

大正9年初版。
金額的には私が持ってる本の中で結構高い部類です。もちろん、上限(三万まで)決めているし長期休みに「目標」として設定してアルバイト頑張っているので……そろそろ目標を決める時期ですが、今年はどうなるやら。

『友情』は予習か復習だかで京都に向かう電車の中で読み終わったけど、私が初めて読む武者小路実篤作品がこれで良かったのか?という何とも言えない気持ちになりました。そこからしばらく白樺ブームで有島武郎とか読んでたんですけど、その時に志賀直哉『暗夜行路』の積読は消化できませんでした。河出書房の日本文学全集が積まれています。
手元にあるだけでも意味があるよ。

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