【シリーズ1 #5】なぜ体験学習にファシリテーターが必要なのか(後編)
自分が書いた記事がたまってきて、"やってる感"を感じ始めております、
Anzaki です。
とはいうものの、このシリーズは週に1回程度のペースで続くと思います。
引用などが頻繁にでてくるため、スキマ時間にやるには非効率。。。なので、
週末にまとまった時間を作っているためです。
継続は力なり、を頭で理解していても、
なかなかできない流れを断ち切りたいという思いもあり、
日々、note を書いています。
副業としてやっているわけではないので、
アフィリエイトもやってないし、
有料記事のシェアもやってないのが現状です。
ですが、続けていけばいつか何かにつながると信じて
続けていきたいと思っています。
さて、前回(同タイトル前編)までは、
体験を学びに繋げるまでが重要であり、
その繋げる役割がファシリテーターなのだという話をしてきました。
そこで今回は、
「ファシリテーターはどうやって体験を学びに繋げるのか」
という話をしていきたいと思います。
実は前回、その結論にも触れました。
ファシリテーターは、「学習者のプロセスに関わる」ことで、体験を学びに繋げます。
プロセスとは、その人の感情や、人と人とのつながりのような、
目に見えないもの、見えにくいもののことです。
では、ファシリテーターは、どうやってプロセスにかかわるのでしょうか。
ファシリテーターは、体験学習のサイクルに対して、6つの働きかけをすると言われているので、それをお話していきます。
学習サイクル
『Organizational psychology (1971) Kolb, D. A. and Rubin, I. M.』によると、体験学習(とりわけラボラトリー方式の体験学習)は、
大きく4つのステップで成り立っていると言われています。
1.具体的な【体験】をします。
2.その体験について【内省】(ふりかえり)をします。
3.内省したら、それを【分析】します。
4.3を元に【仮説】をたてて、次の体験に活かします。
これを繰り返すことで、学習者が成長していく、と言われています。
⭐︎ここで、僕が学生時代に関わっていた体験学習から、例を挙げます。
体験学習(とりわけ冒険教育の分野)で、「ロングウォーク」という活動があります。
その名の通り、5〜7名くらいのグループで「ながーく歩く」活動です。
当時は、20kmほどを、子供たちが完歩する、というものでした。
そこには、「制限時間がある」「全員でゴールする」「決められたルートで歩かなければならない」などというルールがあります。
他にも、細かな設定があるのですが、ここでは割愛します。
この活動では、
【体験】歩く
【内省】途中でとまって、それまでの道のりを振り返る
【分析】何か問題点はないか考える
【仮説】解決策を考えて、続きの道のりに活かす
ということを繰り返してゴールを目指します。
ここに、やる気、楽しさ、疲れ、他者への不満、先への不安、などなど、
いろんな気持ちの変化が入り混じり、それを乗り越えて学びが生まれます。
これは以前「なぜ体験学習が必要なのか」という話の中でご説明した、
困難体験に当てはまるものだと思います。
ファシリテーターはこの学習サイクルに対して、6つの働きかけをします。
ファシリテーターの6つの働きかけ
6つ全部引用します。
① 気づき(interpreting)の促進
② わかちあい(sharing)の促進
③ 解釈すること(interpreting)の促進
④ 一般化すること(generalize)の促進
⑤ 応用すること(applyng)の促進
⑥ 実行すること(acting)の促進
『プロセス・エデュケーション学びを支援するファシリテーションの理論と実際 (2012) 津村俊充』
これだけだと初見ではイメージしづらいと思いますので、具体的な働きかけ、言葉を挙げます。
①(ある程度歩いた頃)「Aさんは、歩きながらどんなことしてた?」
ここで、自分がしたこと、考えたことを自覚してもらいます。
②(他の人に向かって)「その時、Bさんはどう思ってた?Cさんは?」
①と同じ場面を取り上げて、他の人の視点を取り上げます。
③(特定の人の話に対して)「Aさんは何でそれをしたの?」
Aさんの行動の意図を確認します。
④(特定の話題に対して)「そこからどんなことを得られたかな?」
振り返った体験に意味をもたせます。
⑤(次に向けて)「もっとよくするために出来ることはあるかな?」
学んだことを活かし、さらに発展できるように促します。
⑥(続きのコースに戻る前に)「じゃあこれからやることは何?」
出し合った意見をやる意思を確認します。
ざっくりですが、こんな感じです。
※後日、もっと詳しく例を書いてみようと思います。
いろんな言葉を使いましたが、すべてに共通することは、
ファシリテーターは“問い”を通してプロセスに関わるということです。
様々な問いを通じて、気持ちや関係の中に入り込み、
学び、発展への筋道を作っていきます。
まとめ
ここまで話した内容を一つの図にすると、、、
『プロセス・エデュケーション学びを支援するファシリテーションの理論と実際 (2012) 津村俊充』を参考に筆者が作成した図
※私の卒業論文から引っ張ってきたものです。
ファシリテーターは、
学習のサイクルの中で、問いを通して、学習者のプロセスに関わり、
体験を学びにつなげます。
ファシリテーターが行う6つの問い。
これらを自発的に考えられる人はほとんどいません。
ただ活動しているだけでは、言語化されないものばかり。
だから体験を学びにするためには、
ファシリテーターの存在が非常に重要なのです!!
(やっと言い切れた)
これ以降は、もう少し、ファシリテーターというものを深掘りしていきます。
今回お話したことを実行するファシリテーターには、
あらかじめ押さえておかなければならない2つの視点があると言われています。
それについて、次回以降触れていきたいと思います。
ではまた。
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