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吉本隆明の183講演の感想を書いています。

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「ほぼ日」に公開されている吉本隆明の講演のひとつひとつに感想を書きます。要約ではなく内容から刺激をうけて考えたことです。
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2016年2月の記事一覧

文学論―文学はいま

文学論―文学はいま

ほぼ日アーカイブ「吉本隆明の183講演」から「文学論―文学はいま」(A103)を聞いて考えたこと。3回目。

人類の歴史は無駄な死の数が減少してきた歴史である、という人がいる。無残な殺戮が少なくなってきた、と。現代においても大量な死が戦争や圧政によってある。自然災害による無念な死もある。しかし過去と比較すると少ない。

ローマ時代や中世の歴史書を読んでいると、あるいは日本でも戦国時代のドラマを見て

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「かっこいい」ということ -岡田有希子の死をめぐって

「かっこいい」ということ -岡田有希子の死をめぐって

ほぼ日アーカイブ「吉本隆明の183講演」から「『かっこいい』ということ -岡田有希子の死をめぐって」(A091)を聞いて考えたこと。2回目。

今や男性のスーツは金融と法曹の世界のユニフォームに過ぎなくなってきた。極端に言うとだが・・・。

ファッションのカジュアル化は、単に素材やスタイルの変化ではない。ビジネスマンが期待されている役割も固定的ではない、との比喩的現象でもある。

このファッション

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「ふつうに生きるということ」

「ふつうに生きるということ」

ほぼ日にアーカイブされている「吉本隆明の183講演」にある「ふつうに生きるということ」(A182)を聞いて思ったこと。1回目。

偉大と称される人は実は日常生活をまともに送れる人ではない、と昔から言われてきた。

「あの人はえらいと言われているけど、家のなかではまったく違う」というのは、まったく珍しくないエピソードだ。「そうなんですか!」などと驚くのはフリでしかない。

ふつうの人や生き方に価値が

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