見出し画像

”異文化衝突”と移住生活を楽しむ


ステキな生活やおしゃれな生活をしている「モデル」をたくさん見かける。

特に、最近ではネットで検索すると、素敵な家や部屋の写真がいっぱい出てきてうっとりする。

断捨離」という言葉が流行ったり、こんまりさんが有名になったりして、やはり「無駄のない生活」といったキーワードが刺さる人が多いことが分かる。

でも正直言って、私は「無駄」が大好きだ。

だから「全部捨てて、シンプルに生きてます!」というサンプルを見ても、「すごいなあ~」と思うが、私はそうなりたいとは思わない。

そんな私が「無駄が嫌いな人」と暮らすことになった際の、”異文化の衝突”と、どう乗り越えて今、生活を楽しもうとしているのかを書いてみる。


私の大好きな「無駄」


私は器が大好きだ。雑貨とかも大好きだ。

意味の無い飾り物も、よく一目惚れして買ってしまう。

値段ではなく、自分の「好き」を感じたものに限るが。

でも、たまらなく好きなものなので、止められない。

もちろん何でもではなく、「今買わなかったことで後悔するか」を一応、かなり吟味して購入している。

その一方、以前の夫はそういう「無駄」を徹底的に嫌うタイプだった。

実用的であることが購入の決め手であるが、買い物事体が好きな行為ではなく、できればあまり買い物に行きたくないタイプ。

だから私が彼と住むために来た時には、統一性の無い、単に「使える」というものしかなかった。(笑)

・・・そんな文化の違いを、擦り合わせるのは本当に大変だった。


”異文化の衝突”に使った私の手法


「無駄を徹底して嫌う」夫に対して、無駄が大好きな、むしろ「無駄なしでは生きられない」私。。。

最初の頃は一緒に散歩の最中に見かけたものに「可愛いね~」と声をかけようものなら、「え?!」とほんとに信じられない、という感じで理解されない反応をされたものだ。(苦笑)

ちなみに彼は、食事も「シンプルで好きなモノ」ばかりを食べるタイプだった。(それは義家族及び彼の友人までが、理解していたことだった。)

私は、いつもいろいろな変わったものを食べたり、”自分のルールにある程度沿っていれば”、なんでもチャレンジしたいタイプだ。

ということで、「食」をきっかけにすることにした。

二人で食事をする際には、その場所の名物やいつも選ばないメニューを選んだりする私の、味見をさせることにした。

「二人で違うものを頼んで、ちょっとずつ味見し合いっこしようよ。」

ヨーロッパの人は、そんなにお皿を共有することに馴染みがない。

でも、まずはお願いして試してもらった。

何度か「君のメニューのほうが美味しい」ということが重なり、彼が好きな時には喜んで交換した。

そして、そんな「美味しい」経験が増えていくと、だんだん彼もいろんなものを私と一緒に注文したり、家でも今まで食べず嫌いだったものを試してみるようになった。

夫の兄弟と一緒に食事に行った際、彼が魚料理を注文した際には「この魚食べるの!?マジか!?」と驚かれるほどに、何でも食べるようになった。

特に義母は、夫の頑固な好みにずっと苦労してきたので、「…一体、どんな魔法を使ったの?それは日本の技なの?」と本気で聞かれた。(苦笑)

これは、私の努力だけではなく、異文化の嫁を迎えたからには…という彼の譲歩があったから成立した成功だ。

・・・そして、私は「食」と同時に、ずる賢くも「私の好きなモノ」も彼に理解してもらおうといろいろ策をめぐらせた。

彼の好きなものを、私の好きな器によそって出し続けた。

そして、なにか新しい器を買った時には、「彼の好物(もしくは彼が好きそうなもの)」を必ずそれに入れて出した。

私が嬉しそうに、新しい器に彼の好きなものを入れて出す時、彼の中でも「私が喜んでいるんだな。」というのが伝わり、更に「美味しいものが来るんだな。」というのがインプリントされるのだ。(新しい器=美味しい)

今では私が器に一目ぼれしても「買ってあげるよ。二人で使うんだから。」と言ってくれるまでに。(これは嬉しい想定外!)

友人と旅行に行った際、私が嬉々として器や雑貨などを見て回って彼がにこにこしながら買ってくれたりしているのを見て、「あ、あいつが…?」と最初の頃は驚かれていた。

ちなみに以前の夫はどんな人物だったのか?と聞いてみたら、友人や義家族に言わせると「頭の固い、厳格な僧侶」みたいな感じだったらしい。。。

・・・一つ言えることは、鉄は熱いうちに打て。お互いに気持ちが熱い時から、インプリントは始めるべき。(笑)


移住生活を楽しむ


夫と結婚する前に言われたことがある。

「君は多分、一人でもなんとか楽しめるだろ?だから全く違う環境に飛び込んでも、やって行けると思うんだ。もちろん、全面的に協力するからね。」

…そうだな~と、自分でも思った。

確かに、私は仕事の関係でこれまでも新たな環境に飛び込むことが多かった。そしてそこで、それなりに苦労しつつも、確実に楽しんでいた。

この国で、気がつくとやがて10余年。

夫の完全サポートの元に、今がある。そして、おかげさまでそれなりに楽しい毎日だ。

もちろん時々、日本を思い出し、日本の好きなものを思い出し、日本にいる友人を思い出し、せつなくなる。

それでも、この地で見知らぬ野菜を相手に格闘したり、市場で見つけた掘り出し物を何とか甦らせたり、猫にかしずいて楽しんでいる。

この国でも深刻な「嫁姑問題」も、なんとか今のところうまく渡り歩いている。(苦笑)

生活を楽しむうえで、いろいろな下準備は必要だが、根本的には「なんでもやってみる。もし、無理ならさっさと引き上げる。」で、なんとか乗り切ってこれた。

それもこれも、私が「どんぶり勘定で、適当だから」かもしれない。(笑)


次回は、この国でもちょっと危険な話題でもある「嫁姑問題」について、書いてみたいと思う。(笑)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?