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信州をめぐる冒険 0日目とその他

 これは0日目の話。というか準備編について。そしてその他の感想など。

旅の7つ道具

 まずは旅の7つ道具を紹介するぜ! ……7つもないと思うけど。

・karrimor ridge 40 type2
 
カリマーのバックパック。ridgeの40。僕が使っているのはひとつ古いモデル。こいつのブルーのやつ。inkというカラー。

 もう買ってから3年ぐらいの付き合いになる。旅に出るときはだいたいこれを背負っている。なんといっても楽。重たい荷物を背負っているのに全然疲れない。そして想像以上に物が入る。40リットルのはずだけど、たぶんもっと入るんじゃないかな。カリマーというメーカーは、社名がcarry moreから来ているらしいから、納得である。もっといっぱい運べる。
 このバックパックに決めたのは、2気室だったからだというのが大きい。カメラのレンズとか取り出しやすいかな、という理由で2気室のバックパックがほしかった。いろいろ調べていくうちに、カリマーが評判が良さそうだと思った。かなりいっぱい入るという評判も目を引いた。あとはデザイン。カリマーのロゴもよい。そしてお店で実際に背負ってみて、これしかないと確信した。これからもお世話になるだろう。

・Adidas TERREX SWIFT R MID GTX
 アディダスのトレッキングシューズ。こいつもずっとお世話になっている。とにかく疲れないし足を守ってくれる。山道も雨の中も平気。

 なぜアディダスなのか。アディダスが好きだから。青い色もいいですね。トレッキングシューズとしてはどうかというか、どうなんだろう。わからない。もっと登山靴専門で作っているメーカーの方が、いいトレッキングシューズを作っているだろうとは思う。この靴がぼろぼろになったり、性能に物足りなさを感じたら買い換えるだろう。でも、本格的に山登るんじゃなければ、気に入ったのが一番いいんじゃないかと思う。充分、文句のない性能の靴だけどね。こいつがいなかったら旅先で歩くことに苦痛を感じていたことだろう。靴がこんなに大事だとは知らなかったから、この靴との出会いは感動だった。それまでは長距離を歩いたら、足の裏、土踏まずとかが痛かったのに、この靴だと痛くなったことがない。もちろんふくらはぎとかが痛みだすことはあるにしても。
 こんなに快適ならどこまででも歩いていけそうだと思わせてくれる靴である。

・Nikon Df
 ニコンの一眼レフ。

 けったいなカメラである。
 せっかくなので旅先で見た景色を写真に収めたい。でも重たすぎるのとか高価すぎるのとかは難しい。調べた結果、こいつは、フルサイズのなかでも軽い部類に入ることがわかった。フットワーク重視である。フルサイズの方がやはりセンサーがいい。高感度に強い。そしてこのカメラは動画が撮れない。そもそも僕は動画なんか撮らないと思っているし、動画撮るなら別で買うしと思ってしまうので、動画撮影機能がないのはむしろ嬉しかった。不要な機能なんてあっても邪魔である。そしてその分、軽くなっている。僕の要望を満たしたカメラだった。もう少し新しいものだと、連射性能が良かったり、AFの範囲が広かったり、背面のモニタが動いたりといったものがあるけど、それを超える魅力があった。というか妥協したというか。ともかく、僕はこいつが気に入って、結局ずっと使っている。そうやすやすと買い替えたりはしないだろうと思う。

 他の特徴として、もちろんデザインもあるんだけど、これはニコンの昔のFM系のカメラのデザインで外観が作られている。操作部もそれに習って、ダイヤルをいじるとシャッタースピードや露出、ISO感度が変えられる。このダイヤルのいいところは、見てすぐにわかることと、感覚的に指先で操作できるところである。電源を切っていても、ダイヤルは目に見えるので、今の設定がひと目で分かる。また、電源を切った状態で変更することもできる。
 デザイン的なことで言うと、このカメラは露出連動のレバーが倒れて、非Aiレンズという古いレンズを使えるのが最大の特徴と言ってもいい。そもそも、祖父の持っていた古いレンズが似合うかなと思ったのもあってこのカメラにしたけど、それより古いレンズが使えるのだ。まだ使ったことないけど……。
 またもっと遠くへ一緒に行きたい。

・AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED
 広角レンズ。

 このレンズがこの価格で買えるのはビビる。そして買ってからずっとこのレンズを付けている気がする。良いものである。
 20mmという焦点距離は、想像していなかった画角で、広大な風景をバシャーッと撮るとダイナミックな絵になる。ただ、広角なので、広い範囲の色んなものが写ってごちゃごちゃしてしまわないようにしたい。ただ、画角がすごいので、そんなところまで写ってしまうのかといい意味でも悪い意味でも驚かされる。
 あと、最短撮影距離が20cmとかなり短いので、寄ることができる。それが魅力中の魅力。花とかにぐっと寄って撮ることができるし、狭いところでも撮影がしやすい。特に旅先だと建物の中とか、こいつが生きてくる。よく使っていた24-85mmのレンズだとそうはいかない。そこまで寄れない。狭い場所だと後ろに下がることもできないということがあったけれど、それがない。24-85mmもかなり使うレンズで、値段的にも重さ的にも使いやすいので好き。旅先に高価な重いレンズを持って行きたくない。怖い。なのでそもそもそんなレンズは持っていない。
 F値は開放で1.8の明るいレンズなのもやはりよい。開放で撮ることはほぼないけど、明るいレンズが必要な場合はあると思う。
 そして旅先だと、単焦点は不利というか、しかも広角だから、望遠がほしかったらどうするのかというと、諦めるのである。望遠? 知らんな。……本当は望遠も持っていくけど、しょっちゅうレンズ変えるのめんどくさいし外でレンズ変えるとホコリが入ったり汚れそうであまりしたくない。というのもあって、基本的にはこの20mmをつけたまま、広角単焦点一本勝負、となる。そういうときに、ズームレンズの便利さを実感するけど、逆に、この20mmでしか撮れないものがあると思って動いてみるのだ。
 一度このレンズの世界に入門してしまったらもう戻れない。素晴らしくすごいレンズです。

・GARMIN ForeAthlete 645 Music
 ガーミンのスマートウォッチ

 もともと走るのに使おうと買った。けれど、これは旅するのにも向いていることに気がついてしまった。今回の旅で大いに活躍した。
 特に僕のように旅先で歩く場合、自分のペースがひと目で分かる。そして歩いたルートの記録もできる。もともとGPSを作っているメーカーなので、GPSの性能はかなりいい。山の中をどこを歩いたか、高低差はどれぐらいか等記録しておけば、あとで確認できる。今歩いている位置をマップで表示することもたぶんできる(もしかしたらこのモデルじゃできないかも。ランニング用じゃなくて登山用のモデルとかなら最初からできるはずだ)。もちろん防水なので雨の日も平気だ。
 問題点は一つあって、それは充電しないと電池がなくなることだ。しかも記録していると消耗も早い。その点、電波ソーラーの時計なら電池の心配はない。遭難した場合にソーラーじゃないと困る。遭難を想定しているわけじゃないけど。

 ――以上。7つもなかったね。特に重要な道具はこれぐらいか。もちろんスマホとかお金とかは大事だけどそれは当然のことなので7つ道具には入らない。後は強いて言うなら、くじけぬこころ。

準備のおとも

 旅の準備編で大活躍する彼らの存在を忘れてはいけない。

・時刻表
 鉄道の旅には必須である。やはり紙の時刻表がよい。もちろん乗換案内をネットで調べればどの列車に乗ればいいかは出てくる。でも紙の時刻表のメリットはやはりある。
 右の欄に次の列車、左の欄に前の列車が載っているのが何より便利。次の列車までの時間がわかる。途中の駅で降りて何分滞在できるかを考える。指を挟んで別のページを見ることもできる。そして違う路線との接続を確認する。乗る予定の時刻に蛍光ペンなり色鉛筆で色をつける。
 問題はかさばること。年に2回ぐらい買うけど、置き場所に困る。使った時刻表を売ったり捨てるのはもったいない気がする。でもあると便利だし、買った瞬間から旅は始まっているんだ。

 今回の旅では11月号を使っていた。

・JTBの鉄道旅地図帳 正縮尺版

 僕は18年版のを使っている。これはいいものだ。
 路線図が載っているんだけど、正縮尺の地図に載っているので、距離感がわかる。時刻表とかに載っている路線図は歪みがあるので、路線のことはわかるけど、位置がわからない。実際の位置を見ると、意外と近いとか遠いとかがわかる。近いから歩いていけるやんとか。この辺海が近いとか。見ているだけで楽しい。旅の計画はここから始まると言っても過言ではない。 

・Google Map
 ありがとう。やはり21世紀。これからももっと進化するのだろうか。ただし、ナビの性能はいいとは言えない。わけのわからんルートを案内する冒険野郎なのだこいつは。改善の余地あり。

https://www.google.co.jp/maps/?hl=ja

・Evernote
 エバーノートは計画を立てるときに使用する。
 利点はパソコンで作って同期しておけばスマホで見れるという点。旅先ですかさず確認ができる。すごい21世紀。

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 こうやって表を作っておく。
 必要なもの、買いたいものなどをメモしておいてもいい。
 ページのショートカットを待ち受けに貼っておいてすぐに目的のページにアクセスすることもできる。
 このアプリには国試の勉強をするときにお世話になった。勉強したことを自分でまとめて、ちょっとした空き時間とか試験前に確認する。

・じゃらん
 宿の予約はじゃらんでする。ずっと使っているからいまさら違うサイトを使う気にもなれない。ポイントも気づいたら溜まっているし。
 予定が決まっていないときでも、今日はこの辺で宿取ろうと思い立って予約することも簡単である。当日空いているところを調べてすぐである。そんなことはあまりしないけど。

愉快な旅の仲間

 あると便利な小物たち。

・karrimor trek carry shoulder pouch

 バックパックのショルダーハーネスに取り付けてつかうポーチ。これのひとつ古いやつのブルーのを使っている。
 僕の場合はスマホを入れている。非常に使い勝手が良い。左の胸のあたりにあるので、右手でジッパーを下ろしてスッとスマホを取り出すことができる。

・karrimor treck carry team purse

 財布。これを首から提げている。そして普段は上着の内ポケットに入れている。 中には、小銭、お札、以上。旅先では現金しか使えない所も多いのでこれで充分である。あとはクレジットカードと交通系ICカードがスボンの尻ポケットに入っている。その他のポイントカードとか必要なわけがないので財布は一応持っていく(免許証とか入っているし)けど常にカバンの中。長野県で、JREカードお持ちですかとか訊かれて、ここでもJR東のカードのポイントつくのかと驚くが面倒くさいので出さない。

・karrimor trek carry hip belt pouch

 バックパックのヒップベルトにつけるポーチ。水筒とかペットボトル的なものを入れるのが使い勝手がいいのだろうが、僕は、パンフレットや地図なんかを入れる。旅先でどうしてもいろんなパンフレットを貰ってしまうので、それを入れるのに使う。そしてすぐ取り出して、次どこ行こうかなと考えたりもできる。

・地図
 グーグルマップはもちろんのこと、紙の地図もあるとやはり便利である。観光地だと公式サイトに周辺の地図とかアクセスとか載っているのでそれをプリントアウトして持ち歩く、とか、各地のパンフレットとかも役に立ちますね。

 ところで今回特にお世話になった2つの地図がある。

 1つ目は山と高原地図。登山をする人なら相棒なんじゃないかな。よく知らないけど。とにかく、今回、碓氷峠を越えるにあたって役に立った。

 今回の旅では、『19――浅間山 軽井沢。長野原の山々』を使用。
 折りたたんだらコンパクトで持ち運びやすいのがいい。もっとこの地図の愛好家になりたい。

 2つ目の地図は、これだ。

『ちゃんと歩ける中山道六十九次 東 江戸日本橋――藪原宿』
 中山道を歩くにあたって非常に参考になった。そして中山道を全部歩きたいと思わせてくれた。著者は健康のために始めたウォーキングが高じて、各地の街道を実際に歩くようになった。そしてそれをまとめた本で、旧街道のルートを現在の地図上に示し、途上の名所や目印を詳細に書いていて道案内として非常に優れた本である。一つ一つ目印を確認しながら歩くことで、道が間違っていないことがわかるし、どれぐらい歩いたか、どこまで来たかもわかりやすい。次の目印は何かを見て、その目標に向けて歩くモチベーションになる。この本の存在を知らなかったら、かなり不安な道行きになっただろう。

 この2つの地図も上のヒップベルトポーチに入れていた。非常に便利だ。

・音楽
 旅先にはウォークマンとかは持っていかない。旅先で音楽を聴かない。その現地の音を聴きたいからだ。でも、音楽は頭の中で流れている。歩きながら思わず口ずさんでしまう。心を支える、僕の人生において最も重要な相棒の一人なのだから。

 今回の旅で頭で流れていたり一人で歩きながら口ずさんだ曲たち。

旅の終わりに

 旅をしていて思うのは、俺は一体何をしているのだ、ということ。その瞬間にこそ旅をしているなぁと感じるものでもあるが。きっともっと違う旅の楽しみ方はあると思う。僕には向いていないかもしれないけれど。そして改めて思うのは、人と触れ合うのは苦手だということ。旅先での出会いなんてその場限りで、その人と一生会うことはたぶんない。もちろんどこかの施設やお店なんかには自分の意志で行こうとして行けば会うこともできるが。そんな一瞬の通過の出会いだ。もっと図々しくなってもいいのかもしれない。そんな度胸も養いたい。
 旅が終わると次の旅の計画を考える。次はどこに行こうか。あそこにもまた行きたいな。今回行けなかったところにリベンジするときはどこからどうやって行こうか。次の旅はもう始まっているのかもしれない。
 本当はもっと、旅先でその時に感じたことを文章にできたらいい。そのためには動画にするとか、その都度メモをとるとかすればいい。でもそれってかなり大変で、何が目的なのかよくわからなくなって、もっと純粋に旅を楽しめよと思ってしまうかもしれない。難しい問題である。あと、もっとゆったりと旅をしてみたい。僕の旅は忙しい。ここに行くにはこの時間に起きてこの電車に乗らないといけない、という事態が発生してしまうから仕方がないのだけれど。そうやってマニアックなところに行くのは楽しい。誰も降りない駅で、自分だけが降りる。ちょっと緊張する。でも感動もある。これからも繰り返すだろう。いつかまた、どこかの駅に僕はいるのだ。どこかでまた会いましょう。どこかの旅人たち。


もっと本が読みたい。