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マティスとクリスマス

我が家のトイレにはいくつかの絵画のポストカードが飾られている。

その中にアンリ・マティスが描いた『大きな赤い室内』がある。

2歳の娘が興味を示すので妻が「マティスだよ」と教え続けていた。小さい子は赤や黒などはっきりした色に興味を示しやすいらしいのでそれもあって娘にとっては気になる絵だったのだろう。

そんな娘がクリスマスのイラストを見て言った。

「マティス!」

なるほど確かにこれはマティスのあの絵だ。僕はこれを見てマティスの絵は全く思い浮かばなかったので、娘の発言を聞いて目から鱗が落ちた。

こういう直感的な類似性を見つける娘の観察眼は本当にすごくていつも驚かされる。

この前はサーフボードを持ったおじさんのイラストが描かれたTシャツを指して「モーン!」と言っていた。娘が言うモーンとはドラえもんのことだ。

おじさんの持っているサーフボードがどら焼きに見えたのだと思う。固定観念のある大人にはなかなかできない発想だ。巨大などら焼きを小脇に抱えてるおじさん、めちゃくちゃ面白いな。

子どもにしかできない無邪気な発想や目線は驚かされるものばかりで、それを実感する日々である。


ところで娘がクリスマスのイラストをマティスだと言ったことで、逆にマティスの絵がクリスマスの絵のように思えてきた。

ーークリスマティス

そんなダジャレが思い浮かんだ瞬間に娘の無邪気な発想との遠い隔たりを感じたので、自分の中に巣食うおじさんに厳重注意をしておきたい。

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