天使 グレゴリー
顕在意識と潜在意識というものがあります。
顕在意識は、ごく簡単に言うと、自分で考えたり自覚できる意識のことで、潜在意識は逆にコントロールしたり自覚することができない意識と言われてます。
また、顕在意識は意識の総量からすると、ほんの氷山の一角で、意識の90%以上は潜在意識が占めているとも言います。
今からお話することは、私の身に生命の危機が迫ったとき、私自身を救うために潜在意識がフルに活動した結果、起こった現象かも知れない、とも思っています。
脳には、そのような機能も備わっていると私は思います。
けど、同時に天使が "彼" の姿を借りて現れたのかも知れない、と思っているのです。。。
ネイティブアメリカンの聖地での儀式を終え、名前を授かってから10年後、私は人生最悪のときを迎えていました。
27歳で結婚したものの4年後に相手が多重人格障害になって二人で生活することに堪えられなくなり離婚しました。
また、その頃武術にのめり込んでいて、有名な師範の内弟子になるまでいったのですが、訳あって破門になってしまいました。
その頃は医療関係の会社で公共事業担当の営業マンとして働いてました。
親友と言える人もまわりに居なくて、平日は終電まで働いて、金曜の夜は歌舞伎町で朝まで飲んで、土日はひたすら寝るという生活。
しかし、公共事業という世の中に少しは役に立つ仕事をしている、という事が唯一の仕事の誇りで救いでした。
しかし、世の中の汚ない部分が浮き彫りになるのも、また公共事業というものでもあり、だんだん、その汚さに堪えられなくなってきました。
しまいには、
「もう、俺はこんな汚ない世の中なら生きていたくない!」
「死んでやらぁ!」
と決意を固めるまでになっていました。
しかし、今思い出してみると、決意したときの自分の身体は明らかに体温が上がっていたと思います。
そもそも、今から死のうという奴が体温が上がって、調子が上向きになるなんて事が有るのかな?
この時点で私の無意識下では何かが始まっていたと思います。
ハッキリ覚えていますが、季節はゴールデンウィークでした。
遺書も用意して、準備万端整えて、さあ死のう!
そのときにフと頭をよぎったんです。
「何かやり残したこと無いかな?」
途端、まるでその人が目の前に居るかのように鮮明に思い出したのは、高校生のときに1回だけ観た映画のワンシーン、グレゴリー・ハインズがタップダンスを踊っている姿でした。
そして思い出したんです。
あぁ、そうだ!そうだった!僕は、この人にすごく憧れたんだ!
だけど高校生だった僕は恥ずかしくて、親にも、友達にも、誰にもタップダンスが習いたいなんて言えなかったんだ。。。。
もう、死ぬことなんか、どうでもよくなってました。
踊りたい!
家を飛び出て、本屋に駆け込み『ケイコとマナブ』を買ってタップダンス教室を探して電話しました。
「すいません!まったくの初心者なんですが行っても大丈夫ですか?」
自殺を決意してから24時間以内に、スタジオで踊り始めていました。
。。。。以来、タップダンスは、ずっと踊り続けてます。
今でも踊るときに追い求めているイメージは、あの時に幻視したグレゴリーの姿です。
やっぱりあれは天使だったのか、どうなのか?
いずれにせよ、そのお陰で今私はここでこうして生きていられる。
それだけは確かです。
I love you forever G・H!
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