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人は何に追い込まれているのか。

生きていることがときにツラいと感じてしまうのは何故でしょう。

人は、お互いに争わず平和でありたいと思っているはずなのに、なぜか、何者かに自分は追い立てられている。

「追い込んでくるもの」について考えたい、そんな本日でございます。

◆ 心に潜む「魔」

人の心には、油断すると現れてしまう「魔」みたいなものは潜んでいて、それが自分や誰かを追い込んでくることがあるみたいです。
「魔」が現れた結果、その人の本来の姿ではない、イライラして何かに当ったり、怒ったり、悲しんだり、憎んだり、塞ぎ込んだりという行為におよんでしまいます。

でも、その「魔」は出したくて出てくるわけではなくて、まさに心のすき「間」から出てきます。
僕が思うに「間」は何かを否定・拒絶したいときに生まれます。
その気持ちが、怒りや悲しみを引き起こす原因になるからです。

全ての物事に対してポジティブな気持ちでいられたら「魔」はたぶん生まれません。

◆ 人に刃を授ける「社会システム」

一方で、人の周りを取り巻く社会システムが、人を追い込むことがあります。
これの厄介なところは、原因はシステムなのに、実行するのは人であるところ。つまり、最終的に刃を向け合うのは人、ということです。

例えば、人を追い込んでくる「締め切り」は社会システムが発生源ですが、それを実行するのは人です。
予算の執行期間であったり、資本主義、法律、競争などの社会的なルールが、人に締め切りを設定させるように働いています。

表面上の出来事だけを見ていると、人を恨みそうになりますが、それは絶対いけません。実行者自身も、システムに操られたただの演者だからです。
その間違えた恨みはまた「魔」を加速させます。

人を恨まず、その背後にある何がそうさせているのか、認識するように努めたいですね。

裏に、社会システムがいたら、その人はただの演者です。 
裏に、社会システムがいなかったら、その人の「魔」です。

ま、どっちも事情を理解するとカワイイですね。

◆ 逃げ場がなくなると、心は傷を負う

人は追い込まれていると感じると、心に傷を負います。
その正体はなんでしょう。

追い込まれるというのは、逃げ場がないとも言い換えられます。
さっき、「魔」は物事を否定・拒否する時に現れると言いましたが、「否定・拒否したくてもできない状況」がまさに逃げ場のない状態です。

「魔」が心に訪れたが、帰り道がない状態です。

否定したい気持ちが強ければ強いほど、否定できない理由が強ければ強いほど、その傷は深く深くの芯まで突き刺さります。
そして、この傷は蓄積し、「魔」を根本的に消さない限り、毒のようにダメージを与え続けます。

この傷の深さ、毒の永さによっては、心は致命傷を追ってしまうのです。

◆ 逃げ場がなくなる過程

逃げ場がなくなるまでには、ちゃんと過程があります。


人は、「こうしたい」、「こうするべきだ」、「これはこうである」とか、物事に対して、水準みたいなものを設定します。それは願望であったり、価値観、常識などが存在します。
特に気を付けたいのは、願望です。願望を思った時には、願望が叶うことに水準が設定されます。


自分が設定した水準と違うもの、水準に満たない物と遭遇した時に、それを否定・拒否します。
この瞬間に、心の「魔」が生まれます。そして、怒り、悲しみ、憎しみ・・・などネガティブな感情が生まれます。
ネガティブな感情は心を消耗し、精神的な疲労を残していきます。

自分の解釈で整理がつくようなことは、大なり小なり時間と共に過ぎ去り、「魔」も消え失せます。


世の中には、自分の解釈で整理ができない「魔」が存在します。
願望を果たせない自分、今の状況を抜け出せない自分、誰かとの死別・・・全てが自分の決めた水準と合わない、水準を満たさないもので、それは、半永久的に行き違ったままの出来事です。
こうなると、まさに逃げ場はなくなり、自分の心に「魔」が住み着き、それは毒となり、自分が死ぬまで消耗し続けます。

◆ ツラさに語りかける

僕が思う精神ダメージを負うプロセスを整理してみました。
発生源は、人とシステムの2つでしたが、最終的には自分自身の中に現れる否定的な気持ちが感情を呼び起こして、結果、自分が傷つきます。
つまり、結局のところ物事をどのように解釈できるのか、でツライと感じるかどうかが左右されます。

もちろん、自分を傷つける物を世の中から一掃できたらその方がいいかもしれませんが、それは正直言って、すぐにはできません。

だから、日常的にツライと感じる人は、根本的な解消方法はこの二つしかありません。

①否定・拒否したい物事から徹底的に逃げ切る
②自分の水準を変化させ、物事を肯定・受容する

いずれにせよ、自分が傷ついている原因をはっきり理解することが、効果的にツラさを解決するための初めのアプローチであって、次にそれをどうやって対策するのかを考え、そして実践することで、綺麗さっぱり傷が癒えるんじゃないかと思います。

(続く)

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