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12.「人に成る」前はなんなんだろう

この記事を目にして、こんなとこにも影響があるんだな、大変だなぁと思うと同時に、

「成人、ってこう書くんだったっけ……20歳で人に成る、ってか」

と、そんな当たり前のことを再確認した。
公立高校の教員1年目の時、初任者研修項目に「生徒指導部主任からのお話」というのがあった。
朝6:30から玄関掃除して、雑用と授業準備と週1でA4一枚丸々の研修レポート書きで毎日24時まで残業するクッソ忙しい1年目の、貴重な授業の空きコマに各分野の主任のお話をありがたく拝聴する、そんな研修。

その時の生徒指導部主任は例の不毛の人であった。若い初任者2名を前に、彼は開口一番こう言った。

「俺は、生徒を人とは思ってない。人以前だと思って指導をしている」

——底辺校の担任を経験した今となって思えば、ある意味これは実に的を射た表現であったと思う。が、それを新人に堂々と言っちゃうのもどうなん、って感じはする。

まあこの人も可哀想な人ではある。教員が大量に採用された時代、ろくに勉強もせずに採用されてしまい、「女子高生と一緒の楽しいスクールライフ」(※飲み会での発言)が送れると思っていたら、ほぼ男子校扱いの荒れた工業高校に配置され、新人の数年間はタバコと酒と暴行の取り締まりに明け暮れたというのだから。

とはいえこいつは、田舎の(自称)進学校でもそんな調子で、持ち込み禁止のケータイが見つかった女子生徒に「おまえ、前もやったろうが! もう学校辞めろ!」と言い放ち、その生徒の保護者が学校にネチネチクレーム電話をかけてくる原因を作ったりした(その長電話に対応したのはその子の副担任だった筆者であった。運悪く担任が出張中で)。

——といった甘酸っぱい思ひ出話はさておいて、「7つまでは神のうち」なんていうのと同様、19歳までは何か人でない別の何かなのかもしれない。実際あの時期の情緒といったら不安定すぎて、毎日が思いつきのような生活を送っていたような気がするし。だが、その時期ゆえに素晴らしい才能を開花させる人もいるわけで。はたち過ぎればただの人、とも言う。

実に不思議な節目である。

なお、画像は実家の保護猫・ポチ(♂3歳)。

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