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海の女王の缶詰

先月、初めてマカオを訪れました。近年はカジノのイメージが強いですが、1997年に香港とともに中国に返還されるまではポルトガルに統治されていたため、建築や食文化など、いたるところにポルトガルの名残が感じられます。

こちらは1558〜60年の間に建てられた聖ローレンス教会。クリームイエローとオーシャンブルーのツートンカラーが素敵。昔、ここからは海が見え、航海の安全が祈られました。

左手にいるのが地球儀を持った子供時代のキリスト。この教会はヨーロッパの教会のような荘厳さはなく、良い意味でビーチハウスのようなのんびりした空気が流れているため、この3体もどこか可愛らしく素朴な佇まい。フィリピンのカトリック教会を訪れた時も同じ雰囲気を感じたけど、南国の風に吹かれると、少しデザインもおおらかになるのかな。

教会を出て、セナド広場を抜け、旧市街を歩いていくと、ポルトガルの缶詰専門店「Loja das Conservas」を発見。ポルトガル国内19のブランドの300商品を取り扱っているのだそう。

その国でよく食べられている食料品のパッケージからは、食文化や歴史、デザイン力、技術力など様々なことが読み解けます。魚介をよく食べるポルトガル家庭にはオイルサーディンが欠かせないようで、同じオイル漬けでもトマトピカンテソース入りやオリーブオイルに漬けたものなど色々あります。

特にマカオらしいパッケージに惹かれて買ったのがこの3つ。「THE QUEEN OF THE COAST(海の女王)」の水差しを持った女王のイラストがオリエンタルで味があります。

マカオらしい色やモチーフが凝縮された聖ローレンス教会の床。中華系が90%を占めるマカオでは、朱赤は中国寺院やお店のディスプレイで見かける色であり、イエローとグリーンは今もなお残るコロニアル建築の定番カラー。

マカオのもう一つの側面が中国文化。ここは中国の文豪・鄭観應のお屋敷跡で、中央のお屋敷をぐるりと取り囲む回廊のデザインが面白いです。丸く抜かれた壁からの借景も風情があります。

スーパーではこんなジャスミン入りのアップルジュースが売られていました。お茶で飲むだけでは飽き足らない中国の人々の並々ならぬジャスミン愛を感じます。味は、リンゴの後味にジャスミンのいい香りが鼻を抜け、とても爽やかで飲みやすく、日本でもぜひ発売して欲しい...。マカオの街で見かけたら、試してみてください。

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