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血は夜に相続され、昼に管理される

昼に管理された血によって夜を語る人間は、昼の闇を照らし出す。
血は、昼よりも夜を、光よりも闇を好む。
血は、夜から昼を、闇から光を支配しようとする。
血の支配から解き放たれたいのであれば、血を夜の闇から昼の光に引っ張り出す必要がある。
しかしそれは恐怖を伴う。あなたは自分自身が完全に否定されてしまうと感じるからだ。誰もが虚無を嫌う。そう、血にとって虚無こそがゆすりのネタなのだ。
そこであなたはまず、あまり恐怖を感じないですむ場所を必死で探って、その恐怖の正体を知ろうとする。もちろん答えは見つからない。
やがてあなたは、根源的な恐怖を乗り越える必要性に気づく。
結局あなたは、懐中電灯を片手に、夜の闇に降りていくほかなくなる。
そのときの懐中電灯とは、「何かしら恐怖以外の答えがあるに違いない」というぼんやりとした信念にほかならない。そのぼんやりとした信念こそが、血の外に出ることを促す。
やがてあなたは、夜の闇の中で見つけるだろう、自分に根源的な恐怖をもたらす血の正体を。
ところが同時にあなたは、その血の横に、まったく異なる隣人がいることに気づく。それは同じ夜の闇の住人だが、まるで違う名前を持つ。それは「魂」と呼ばれたりする。あなたは、自分が結局それを探していたことに気づく。
そのとき魂はあなたに言うだろう。
「私はあなたがここへ来るのをずっと待っていました。さあ、私とともに再び昼の光に出て行きましょう。そして、血が二度とあばれないように、よく管理しましょう。そして、あなたの体験を皆に語るのです、昼の闇を照らすために」

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