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映画「ラストマイル」。

映画「ラストマイル」を観ました。

「アンナチュラル」「MIU404」と繋がるシェアード・ユニバース・ムービー!
監督:塚原あゆ子、脚本:野木亜紀子、主題歌:米津玄師の最強チームが贈る、極上のノンストップ・サスペンスエンタテインメントが誕生!

公式ホームページより


あのドラマのキャラクター達はどのくらい出ているのか

言わずと知れた伝説的ドラマ「アンナチュラル」と「MIU404」の世界線で繰り広げられるシェアード・ユニバース・ムービー。

シェアード・ユニバ…!!!!??

つまりアベンジャーズのような「全員集合もの」だそうです。

ただ、正直2つのドラマのキャラクター達はそんなには出ないです。両方のドラマのファンとしてはちょっと寂しいけど。

我らが星野源の言葉を借りて言うならば、
「ほとんど出てないです。もう友情出演っていうぐらいに思ってもらった方が『ああ、意外と出てるな』って思うっていうぐらいのレベル」と。

まさに星野さんが仰る通りそこまで“全員野球”感はないです。カメオ出演よりチョイ出てるかなっていうくらい。

しかし、それは裏を返せばその2つのドラマを観ていなくても全然問題なく楽しめる、ということでもあると思います。実際本当にそうなので。

とかなんとか言いながら劇中で『ピュ〜ロピュ〜ロピッルル〜〜♪』みたいなあの音楽が鳴って“MIU404フラグ”が立ったときは思わず叫びそうになりましたけどね。笑

いや今回本当に5回くらい叫びそうになったんだよなー。応援上映みたいなのしてくれないかなーw

僕は自分が思っている以上に「アンナチュラル」と「MIU404」が大好きなのだなと実感しました。


そんなことより本編のストーリーが骨太すぎる

今回の舞台は巨大物流倉庫。

簡単に言いますと某Amazon(‼︎)の配送センターのようなところで起こる爆破事件です。

地方(福岡!)からこの配送センターの新センター長として赴任してきたという満島ひかりさん演じる舟渡エレナ。そして岡田将生さん演じるチームマネージャーの梨本孔。

そして、火野正平さんと宇野祥平さん(名前ややこしいな!w)演じる下請け運送業の親子。

この辺りが中心となって展開していくのですが、この両者ー…だけでなく、ここに「アンナチュラル」のUDIラボや「MIU404」の4機捜のメンバー、そして市井の様々な人達の奮闘や暮らし、仕事ぶりがカットバックでテンポよく進んでいきます。

そう、かなりテンポが良いんですよね。もしかして製作陣の「倍速なんぞで観させねぇぞコノヤロウ」という気概の表れかなーなんて思いましたが。笑

事件が起きる

刑事が来る

物流は止められない

また事件が起きる

刑事がくる

相変わらず物流は止められない

またまた事件が起きる

警察も徐々に捜査が進展していく

ショッピングサイト側と運送会社側の軋轢

またまたまた事件が起きる

社会の色々なところに影響が出始める

徐々に謎に迫っていく

ドキドキハラハラのクライマックス

こんな感じで非常にテンポ良く進んでいきます。上映時間129分だそうですがマジで全く飽きない。中だるみ一切なし。むしろもっと観ていたい。アンナチュラルとMIU404のとこ割増であと3倍くらい観させてくだせぇ…!

そういえば、1人「おおっ」となる人が出てきますね。特に過去作にも縁はなかったと思いますが(事務所的にはあったりするのかもだけど)

しかしストーリーが本当に見事で。
みんな大好き【伏線回収】もスッキリ気持ちが良いし。

“大どんでん返し”とまではいきませんがちょっとした引っかけも。←個人的に「ああーーそっちのやつはちょっとイヤだな〜」と思ってたけど中盤にちゃんと軌道修正されてホッとしたりして。

市井の人々の描き方も本当に忠実で。

「アンナチュラル」や「MIU404」の面々もまぁ世間的には特殊な職業だし、そういう位置付けで連ドラが描かれていたのだけど、彼らも含めて“その街の人々”なワケで。

そして、そこに暮らす人々の生活や仕事に“物流”というのはもう完全に無くてはならない必要不可欠な存在で、だけどその便利さに甘えてその裏にある“現状”を見てみぬふりをしてやいないだろうか。

「安い賃金で働かせるなんて最低だ!」と言いながら、当たり前のように『送料無料』の恩恵に与っている。すべては“お客さまのため”かもしれないし、そうでないかもしれない(!)

もちろん映画作品なのでそれなりに(というかかなり)スケールは大きくダイナミックに描かれてはいるのたけど、過去作にも通底する視点は今回も守られていた。

野木さんの脚本はいつだって“足もと”を見せてくれるし、そこに登場する人達のことを必ず好きになる。勧善懲悪って話でもないのに。凄い力量だなぁと思います。


一つだけ要望…!

今作に一つだけ注文をつけさせてもらうとしたらやっぱりコレだと思う。

クライマックスのあのシーン、なぜあの二人にしたのだろう…!?

いや、このお二人も個人的に好きな役者さんだし今回も非常に良い仕事(演技でも劇中でも)をしていたのだけど、ラストのあのクライマックスのシーンはどう考えても伊吹と志摩でしょうよ!!

今回唯一苦言を呈すとしたらそこですかね。
そこがああだったら本当完璧だったのになーと。。

までも、それはやっぱり今回の主人公達に見せ場を譲りたかったということなんですかね。その辺りの棲み分けは徹底されていたので。


最後に

とにかく今仕事をしている人は全員観て欲しい。そんな映画でした。

某缶コーヒーじゃないけど、「世界は仕事でできている」って本当にそうだなと。

あとエンドロールを眺めながらふと思ったのは、『ソーシャルワーカー』のドラマをこのチームでやってくれたらいいのになーって。

親しい友人にソーシャルワーカーがいるのでそれが一番最初に頭に過りました。社会性もバリバリあるし、なおかつドラマチックな側面もあるので絶対面白く(=興味深く)作ってくれそう。

ということで、ショッピングサイトの運営やカスタマーサービス、そして運送業に関わるすべての人達に最大限のリスペクトを込めて。

この映画を多くの人にオススメしたいと思います◎


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