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「これ嫌いな人いないでしょ」っていうものを嫌いな人に出会うと世界が広がる

そんな気がしませんか。

私も嫌いなものがいろいろありますが、さすがにこれ嫌いな人いないでしょって思ってたものを嫌いな人と出会うことで、世界が広がる感じがします。

カレーライス嫌いの人

バイト終わりに、当時仲が良かった人と一緒に歩いていた時のことです。ココイチの前を通りかかりました。

バイト終わりということもあり、私はお腹空きましたね。カレー食べたいなー。と、いつものように思ったことをそのまま声に出して言っていました。

すると、その人は

私カレー嫌いなんだよね

といいました。

衝撃的すぎてその帰り道はずっとカレーライスの話をしていました。

カレーライスを嫌いな日本人がいると思ってませんでした、という私の馬鹿みたいなコメントが8割を占めていたと思います。

確かその人は、カレーにすると何もかもがカレーの味になってしまうのがいやだ、と言っていました。

それがカレーの良さなのですが、それを言われちゃうと何も言えません。あのカレー味でどれだけお米が進むかとか、給食はどうしてたんですかとか、いろいろな話をした気がします。

伊坂幸太郎の小説が苦手な人


過去にも書いた気がするのですが、私は伊坂幸太郎が大好きです。伊坂幸太郎は、コナンドイルの次に初めて、作家としてハマった人です。

20代前半ごろ初めて、読書友だち的な人が出来ました。その人は私と同じようにミステリー小説が好みで、読むペースや量も近くて、その人に勧められて私は歌野晶午を初めて読み、まんまとハマりました。

そして割と出会って序盤で、私は伊坂幸太郎が好きだというと、彼女は言いにくそうに、私苦手なんだよね、と言いました。

セリフのあとに文章が続かないで、改行して次のセリフに行くテンポの良さは、みんな好きだと思ってた。
軽快な、意味があるのかないのかわからないけどなんかいいこと言ってる?みたいな会話のやりとりは、みんな好きだと思ってた。

しかし彼女はやはり、そういう書き方が好みじゃないと言っていました。会話が苦手だと。

そして気づけばすっかり疎遠になっていました。


先生を嫌いだといった人


小学生の頃、私たちに高圧的に怒らなくて、勉強を教えるというよりは生活に必要な考え方を教えてくれて、子ども同士の問題には首を突っ込まずに放置して、自分の趣味である劇団に子どもを巻き込んで最終的に出演させた、常識破りの先生がいました。いつもタバコとコーヒーの匂いがしていました。

そして、私や仲良しの友だちはみんな、その、子どもを子ども扱いしない先生のことが大好きでした。(保護者受けは良くなかったのかもしれません…)

私はこの人に憧れて先生になろうと思ったのです。あんないい先生いないし、みんな好きだっただろうと思っていました。

しかし中学校に上がったある日、当時同じクラスだった女の子が、私はあの先生が嫌いだった、と言いました。

その時、深い理由は聞かなかったけど、私はこの子と分かり合えないだろう、と思いました。まぁ実際そんなに仲良しだった人ではなかったんですけど。

あんなに素晴らしかった先生のことを嫌いな人もいるんだなぁと、中学生の私には結構な衝撃でした。でも、みんながみんな好きなものなんてないのか、と改めて自分の中に落ちた瞬間だったような気もします。

というわけで、自分が好きなものの好きなところの全てが、ある人にとっては嫌いなところになるという事があるんですね。

そしてそれを知らないより知っている方が、いろんな人とより良く付き合えるような気がします。

好きなものを理解して欲しくて魅力を魅力的に伝えられる人でありたいとは思うけど、好きを無理強いする人にはなりたくないな。

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