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50:遺言書を書いて安心する

人の死で死亡診断書に老衰と書かれる事は少なく、多くの終幕は病によるもの、僕の生まれた家族は姉が46才で胃癌、祖父も胃癌、祖母は痴呆からで死因は分りませんが、父親は糖尿病合併症、母親も癌でしたから多分、80才の齢を生きた人さえいない気がします。

人の寿命は100才かも、明日かも、或いは今日かもしれません。人生の終幕は意識しようがしまいが勝手にやってくるものですけど、予想に反し突然の終幕は何十人も見てきました。人はいつか必ず人生の終幕を迎えるのは誰でも知ってること――、でも今日、明日ではないと思うのが普通の人であり葬儀支援をしている僕でさえそう思うのです。しかし現実には『まさか』が起こるのが人生でもあります。

今突然、人生の終幕を迎えたとして何ひとつ心残りは無いと本音で言える人なら何も言う気はありませんが、99,9%の人は『誰々にこれだけは伝えておけば良かった』『こうしておけば良かった』等々の心残りがあるはずですから、その万が一に備え『遺言書』を書いておく事を超お勧めします。

遺言書と聞くと多額の財産がある人が書く物――、という印象を持たれる人もいますし、遺言書の効力は『財産に関すること』『子供の認知など身分に関すること』『遺言執行者の指名』の他、祭祀継承者指名などである事は間違いありませんが、法的効力は無くても色々な事が書いておけます。

『45:銀行口座・通帳・引き落し』の項目でも書いたように、自分の死後は『銀行カード暗証番号』が家族に分るよう書いておくとか、自分の兄弟姉妹など親戚から家族の生活を守るため『希望する葬式内容、依頼先、事前相談内容』など書いておく事も出来るし、配偶者の生活が心配なら『全て配偶者に相続させる旨を明記しておけば』指名した人以外で第2順位相続人までの遺留分権利は残りますが、あなたの気持ちを伝えることで他の相続人の心情に訴える事はできます。

※遺留分とは、配偶者、第2順までの相続人に与えられた遺言でも奪うことのできない相続権利のことで法定相続割合の1/2です。

また「家族で助け合って生きろ」とか「母さんを宜しく頼む」など心配や不安や希望や要望を文字で残すこともできますから、遺言書は現在の心境で書いておき、状況が変化したら書き直せば良いのです。遺言が何通もあった場合、最新の作成年月日の遺言書が適用されます。
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あなたの書いた遺言書が、大切な配偶者や家族を守ってくれるのですから、多少面倒でも書き残しておけば、家族から感謝される事になるでしょう。

『公正証書遺言・自筆証書遺言の二択でしょう』

通常遺言書には『公正証書遺言』『自筆証書遺言』『秘密証書遺言』の三種あり、安全度と確実性が高いのは公正証書遺言ですが、数万円~数十万円と費用がそこそこ掛かるので2020年7月10日から開始された『自筆証書遺言書を法務局に預けておく』のが個人的にはお勧めです。

自筆証書遺言は法務局に預けられますが、法務局では遺言書として通用する書式や内容であるかの確認はしてくれませんから、遺言書として通用する書き方は絶対条件ですけど一通3,900円で預けられ、逝去後は相続人が所定の手続きをすれば全国何処でもモニター閲覧(1,400円)可能だし、誰か閲覧、請求すれば全ての相続人に閲覧、請求した事実を報告されます。

自筆証書遺言の書き方と検索すれば、テンプレートを始めとした様々な情報が得られるでしょうから難しくはありません。

閲覧は書いた本人・法定相続人だけで生前に確認することはできませんので遺言書を残す人は安心です。

『自筆証書遺言を法務局に預けるメリット』

法務局に預けた遺言書は家庭裁判所の検認不要です。検認には秘密証書遺言に書いてある通り法的効力発動まで最低でも1か月以上要します。

関係遺言書保管通知(クリック可)
相続人が閲覧等した場合、遺言書情報証明書の交付を受けた場合、登録してある他の相続人に連絡されるシステム

死亡時通知(クリック可)
遺言書がある事を事前知らせなくても、
戸籍担当部局と連携し遺言者の死亡の事実を確認した場合、予め遺言者が指定した方1名に対し遺言書が保管されている旨を伝えてくれる

『秘密証書遺言』

秘密証書遺言は隠し場所によっては必ず発見される保証はなく、事前に相続人に伝えた場合、家探しされたり、遺言内容によっては処分されたり、遺言そのものが無かった事にされる可能性さえあるので勧めません。また無事に発見されても家庭裁判所で検認後、遺言効力が発動されますが最低でも1か月~3か月ほど掛かります。

※書き方や書式については『自筆証書遺言ひな形』で検索すればいくらでも検索できるでしょう。検索したページ内の「広告」文字が頭にあるものは飛ばして内容確認しましょう。

『法務局預けの遺言書を交付請求する』

法務局に預けた遺言書は以下の流れで閲覧できます。

①遺言を書いた人の出生時から死亡時までの全ての戸籍 (除籍)謄本、相続人全員の 戸籍謄本、相続人全員の住民票の写し(3か月以内)又は法務局の登記官が証明した法定相続情報一覧図 の写しを用意
②交付の請求の予約をする
③交付の請求をする(手数料1通1,400円・モニター)
④証明書を受け取る
※遺言書の閲覧は法務局に出向いて確認すれば教えて貰えます。

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参考資料(お時間のある時にでも読んでみてください)
あんしんサポート葬儀支援センター  
代表ブログ 葬儀支援ブログ「我想う」
家族の死後に後悔しない為の一冊

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