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45:銀行口座・通帳・引き落し

「死んだらすぐに銀行口座は凍結されるよ」まことしやかに言われる言葉ですが結論から言えば、銀行窓口で死亡を伝えるとか、新聞掲載で告知するとかしなければ『すぐに凍結はされません』行政である市区町村役場が、民間企業の銀行に個人情報を流す事は基本的には絶対ありません。言い換えれば新聞のお悔やみ欄に掲載すれば即刻凍結されるわけです。

正確に言えば対象者の逝去時から遺産は全て法定相続人の管轄下に入りますから出し入れするなら法定相続人全員の意思確認が必要となります。だけど問題の起こらない家族には現実的ではありません。とはいえ2022年現在窓口での預貯金引出しは本人確認しますからできません。

2019年7月の民法改正で「申請する人の法定相続分の1/3と150万円の少ないほうを引き出せる事になりましたから、凍結された場合は葬式代として申請すれば引き出せるでしょうが各銀行毎に手続き書類も異なるので、面倒なのは間違いありません。ただ銀行が4つあるとしたら各銀行それぞれから150万円引き出せるから600万円まで可能とも言えます。

結論からいうと簡単なのは凍結前にカードで引き出すことです。出来れば存命中カード引き出し1日50万円を繰り返せば1,000万円でも20日間で引き出せるわけです。その方法について書いておきます。

『定期は全て普通預金にしておく』

定期預金、定期積金はカードで引き出せませんが、普通預金に変更してあれば1日50万円引き出せます。

『暗証番号は遺言書に書いておく』

銀行カードは4桁の暗証番号入力が必要ですが、夫婦といえども教えてないとか、何処の銀行に通帳があるのかさえ知らない夫婦も多いし、伝えてないのも分る気がします。ある程度の年齢になったら伝えれば良いと考える人もいるでしょうが、もし痴呆(認知症)になりお金にシビアな面が現れたら、暗証番号を教えることは無く、誰かが自分のお金を盗ったと思うように成らないとも限りません。

そこで公正証書遺言・自筆証書遺言いずれかに記載しておけば、生前は誰にも知られず逝去後は早い段階で家族に伝えられるメリットがあります。
遺言書については『雑章・遺言書を書いて安心する』で詳しく書きます。

『通帳から引落し出来なければ督促状が来る』

電気水道光熱、電話など引き落しできる金額を入金しておこうとする人も多いですが、故人名義の通帳を使い続ける事はできませんから、全て引き出し出来れば残高0円にしておく事を勧めます。

引き落しできなければ督促状が届きます。督促状の内容をひとつひとつ確認して必要なものは新たな通帳からの引き落し手続きをとり、不要なものは中止すれば良いでしょう。

『ATMと通帳』

最新ATMは硬貨も引出せ、新設された郵便局などにありますが、ゆうちょ銀行は2022年1月17日から硬貨入金1枚~25枚まで手数料110円、26枚~50枚まで220円、51枚~100枚入金は330円の手数料が掛かり、出金は1枚以上110円の手数料が掛かるようになったことで、メリット感は減りましたので窓口とATMを賢く使いこなす必要があります。

例えば残高99,780円なら220円入金すれば10万円全て札で引き出せ残高0円に出来ますが、上記ゆうちょ銀行では220円入れるには110円手数料が掛かるため330円入れて10万円になるのに対し、銀行によって500枚まで硬貨入金の手数料は無料の銀行なら220円入れる事で10万円なり110円の節約になります。(2022年2月21日現在調べ)

数百円の残高を引き出すのに謄本、抄本、住民票を用意しろでは必要書類を準備する費用のほうが高くつきますから『なら要らねぇ』と考えるのが普通の人、結果ゆうちょ銀行は動かない通帳が増えるだけでは――、その結果として管理費用のほうが高くつくのでは?

他の銀行では手数料無料など、各手数料は各銀行毎に違いますから必要になった時点での詳細を確認して賢く利用しましょう。

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参考資料(お時間のある時にでも読んでみてください)
あんしんサポート葬儀支援センター  
代表ブログ 葬儀支援ブログ「我想う」
家族の死後に後悔しない為の一冊

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