『六人の嘘つきな大学生』の感想等 2023/05/10

『六人の嘘つきな大学生』を読んだのでその感想等。ネタバレがあります。

ジャンルとしてはミステリに分類されるんだろうけど、殺人が起きないという点ではとても気楽に読めた。米澤穂信の小市民シリーズ、古典部シリーズと近い感覚で読み進められる。まあ今作には告発文書をグループディスカッションの場に持ち込んだ犯人がいるわけだけれど。その犯人を探すフーダニットで物語が進行しつつ、未来のインタビューを参照して段々と容疑者リストが狭まっていくという形式が独特。このペースで進めると容疑者が1, 2人に絞られるんじゃないか?と思ったところで波多野祥吾が犯人となってしまったところで前半終了。後半は語り部を嶌衣織に入れ替えて真犯人探し。前半で容疑者リストから外れたはずの残り4人が改めて容疑者となり……という構成が非常に面白かった。やはりこういうちゃぶ台返しがあると読んでてとんでもなく気持ちよくなる。この快感を求めてミステリを読んでいるまであるかもしれない。

あとは就活をテーマにした小説というのも初めてで、自身の就活体験と重ね合わせて新鮮に読めた。長期インターンに参加してこういう「俺たち最高だよな!」みたいな話をしつつ徹夜していたのを思い出した。人事側の謎な全能感も含め、日本の就活システムが疑問視されているのは共通認識なんだな。『何者』も同じく就活を題材とした名作のようなのでそのうち読もうと思う。読むとダメージを受けるらしいが既に就職活動・転職活動をくぐり抜けた社会人は無敵である。

あとはメインの6人の脳内でのイメージがやけに鮮明に浮かんでいたので紹介します。

波多野祥吾 → ダイナゼノンの「麻中 蓬」
 自称平凡の主人公っぽいムーブをしていたため

嶌衣織 → アオのハコの「守屋 菖蒲」
 気づいたら脳内でイメージが固定されていた

九賀蒼汰 → あの夏で待ってるの「石垣 哲郎」(?)
 高身長イケメンでモデルなイメージだったけれど今検索してみるとイメージと全然違う。頭の中で作り上げた朧気なキャラクターになってしまった。メガネは勝手にかけてもらった。

袴田亮 → 心が叫びたがってるんだ。の「田崎 大樹」
 元高校球児でガタイがよく快活な言動から。就活中は坊主ではないだろうが許してほしい。

矢代つばさ → 少女☆歌劇 レヴュースタァライトの「天堂 真矢」
 はっきりと発言する強い女性というイメージから。あと矢の字面から連想したかも。

森久保公彦 → 僕の心のヤバイやつの「市川 京太郎」
 おどおどしたマッシュルームカット、低身長そうというイメージから。

小説を読むときに知っているアニメや漫画のキャラクターを当てはめてイメージして読む、というのをよくやるんだけど皆やってることなんだろうか。




#日記 #読書感想文 #六人の嘘つきな大学生

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