【ANRI Event Report】 DE&I・LGBTQセミナーby 虹色ダイバーシティ様
皆さん、随分秋が深まり過ごしやすくなりましたが、いかがお過ごしでしょうか?季節の変わり目、一層ご自愛に励みたいANRIの佐々木と申します🍐
先日、ANRIが運営しているインキュベーション施設「CIRCLE by ANRI」にて、NPO法人「虹色ダイバーシティ」様にDE&I・LGBTQセミナーを行っていただきました🏳🌈
当日の様子や、そこから得た学びなどをお届けします!🍇
虹色ダイバーシティとは
今回セミナーを実施いただいた虹色ダイバーシティ様は、LGBTQを含む誰もが過ごしやすい社会の実現に向けて活動をされている認定NPO法人です。
虹色ダイバーシティ様と弊社代表の佐俣がこれまで協業をさせていただいた機会から、今回研修を実施いただくご縁となりました。
研修を実施する出発点は、LGBTQ+やSOGIE*の視点を通じてANRIの組織全体のDE&I*に関する知識を網羅的にアップデートすること、またCIRCLEへ入居する投資先にも組織文化を醸成するうえで参考にしてもらうことだったので、弊社の状況や希望に沿ってセミナー内容をカスタマイズしていただきました。(本当にありがとうございました!)
「DE&I研修~LGBTQの視点から社会の変化を感じ取る~」
ANRIでは、今年3月にAZX総合法律事務所様にもハラスメント講習をANRIメンバーや起業家に向けて行っていただきました。そこでは「ハラスメントの基礎および組織における解決方法」をメインで研修いたしました。
今回はDE&Iセミナーを開催。3つの目的を設定しました。
①ダイバーシティの視点獲得による事業・企業へのポジティブなインパクトを理解する
②その視点を通じて自らを振返る
③知識が無いことで同僚やステークホルダーを傷つけてしまうことや誤った対応を防ぐための行動を身につけること(インクルーシブな職場環境醸成にできること)
本セミナーは、ANRIメンバーは全員必須参加としつつ、CIRCLEの入居者・卒業生の投資先CEOの皆さんにもご参加いただきました。
研修では、DE&I推進は社会的な要請であることの証左となる数々の事例や要件、マジョリティの特権は「自動ドア」*、すなわち「労なく得られる優位性、だからこそ自覚しづらい」側面をもつということ、アンコンシャスバイアスとマイクロアグレッションの具体例、そして最も起こりやすいであろうカミングアウトとアウティングの具体事例について、ワークショップや身近なエピソードを織り交ぜながら教えていただきました。
質疑応答でも「周囲のアウティングやマイクロアグレッションに立ち会ったとき、どのように振る舞えば良いか?」や「発信をするときにどのように・どのくらいDE&Iを意識すれば良いか?」といった、具体的なアクションについての質問が次々と出てきて、ひとつひとつ丁寧に応答いただきました。
研修を通じた学び
当日講師をご担当いただいた有田 伸也様より、研修実施後のコメントを頂きました。
また、研修後に参加者へアンケートを取ったところ、主に3つの気付きがありました。
まず1つ目は、継続的に組織全体の知識レベルをアップデートしていく必要があるということです。参加者にクイズを出したところ、比較的新しい概念である「公平性/Equity」(個々に合わせたサポート)と「平等/Equality」(機会の均等化)を混同する回答がみられました。
弊社が取組んでいる女性起業家に特化した投資プログラム「UNLOCK」でも、ジェンダー間における情報アクセスの不均衡に着目し、プログラムを開始しております。「公平性」はそれぞれのマイノリティ性が抱える構造的な困難を理解し、合理的に配慮していくために重要な概念です。
ANRIでは、このような新たな概念は課題解決における新しい視座・切り口をもたらしてくれると考え、今後も組織として積極的に学びを深めていきたいと思っております。
2つ目に、印象深かった点・感想として「具体的なエピソードを交えた内容だったため、より想像・理解が深まった」という声が多かったです。具体的には、SOGIという概念や特権を理解するワークショップ、マイクロアグレッションなどの様々なエピソードを通じて、自身の特権性や日々の振る舞いなど自分の実生活に紐づけて改めて深く考えたという方が多かったです。また、アンコンシャスバイアスへアプローチをするには、ただ間違いとして指摘するのではなく、理解を促す方法が良いという点を挙げられている人もいました。
3つ目として「組織としてDE&Iへ取り組んでいる」という認識は大多数のメンバーにあり、全体的にDE&Iへの関心も高いなか、自分たちが抱えている課題として「組織構成の偏り」「メンバー間の認識や感度の差」「日々の言動にマイクロアグレッションがあるのでは」という点が挙げられていました。
セミナーを通じて浮かび上がってきたこれらの課題を主体的に取組むためにも、今回虹色ダイバーシティ様のご助力を得てアップデートできたDE&Iに関する知識や学びを活かしつつ、普段の具体的な行動への対策や、DE&I推進の施策を考えるネクストアクションへ繋げていきます。
また、CIRCLEメンバーにも参加いただいたことはとても良かったと改めて思います。従業員が数人規模のシード期は社内文化が創造されるフェーズですが、事業リソースが限られるからこそDE&Iの優先度は低くなりがちです。そんななかDE&Iの情報に触れて自身の組織に引きつけて考えてみる機会を提供できたことは、シードVCが提供できる投資先支援として大きな意義があるのではと思いました。
引き続きCIRCLE by ANRIという場を通じてこのような機会を設定し、DE&Iについて考え行動し続けていくと同時に、参加いただいたCIRCLEの皆さんにとっても良い機会であったら良いなと願っています。