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私の就活

何のための就活?

私は何の為に働くのだろうか。
社会とは、どんな恐ろしい場なのだろうか。
できることなら就活したくないんだけど、、、

不安でいっぱいだった大学3年の冬。
私は、決して「意識高い系」の就活生ではなかった。

むしろ、真逆。「周りがやってるからとりあえず自分もやる」という自発性もへったくれもない普通の大学生だった。大学3年の3月、私は手さぐりに「就活」とやらをはじめようとした。自己分析とか、インターンとかそういう手間暇がかかりそうなものは一切やらなかった。

「とりあえずやってみる」「考えるよりまず行動」が私の基本指針。

手始めに、事務職、接客、SE、営業、編集、マーケティング等々、片っ端から様々な業界・業種を受けることにした(※これだ!これをしたい!と思うものはなかったと記憶してる)結果、翌年の10月までに100社はエントリーをした。内定が出るまでに、相当時間がかかった。100社もエントリーして、内定は8社。

今思えば、時間はかかったものの、自己分析も事前準備もしていないのに、よく8社も内定がでたな、と思う。一般的に見たら、少ない内定数なのだろうが、何もやってない当時の私にしては上出来である。

だが、そこまでとりあえずやってみた結果ある共通点を見つけた。貰った内定先がすべて「ベンチャー企業の営業職」だったのだ。興味があるとか、やってみたい等は一切なかったけどやっとの思いで出た内定。とてもうれしかった。だが、ベンチャー企業に対する周りの評価は厳しいものだった。

「女の子がベンチャーの営業職って絶対しんどいよ、やめておきなよ。すぐやめちゃうだろうし」

「女の子は大手の事務職が安定していていいに決まってる」

なんて、友達からも、教職課の職員からも、彼氏からも言われた。
そんなことを周りの人から言われたもんだから、私はとてつもなく不安になった。自分に自信があるわけでもなければ、ベンチャー企業も営業職も、自分で望んで内定を掴んだものではない。

一方で、時間をかけて獲得した内定をバカにされたような気持ちで悔しくなった。
自分という人間を否定された気もした。私は昔からよくも悪くも頑固者で意地っ張りだ。

「女の子だから営業ができない?ベンチャーだからすぐ辞める?そんなんやってみなきゃわかんないじゃん」

そんな反骨精神を貫いてしまい、私は「体育会系の人材営業会社」を選択してしまった。
(※もちろん、内心はめちゃくちゃ不安。。。今思い返してもめちゃくちゃ無謀なチャレンジ)

私のファーストキャリア

そんな、意地だけで入社した営業会社で1年後の私がどうなっていたか。。。

私は30人弱の同期の中で売り上げトップを達成した。
社内全体でも上司を差し置いて、社内売上トップ3に入った月もあった。
入社してから8か月で昇進して役職をもらった。

初めての営業職は、もちろん大変だったけど何より楽しかった。
数字を達成したときはもちろんなのだが、私は仕事を通してお客さんが自分という人間に対して信頼して仕事を任せてくれたと感じる瞬間が、何よりもうれしかった。私の顧客は、私の所属が無名のベンチャー企業だったからこそ「会社の所属」として私という人間を見るのではなく、「私」という人間から商材を購入してくれたのだ。また、手段や方法を問わない新規営業は型にハマるのが苦手な私にとっては、とても向いている仕事だったように思う。

お客さんとの信頼関係が築けると自分が一段と魅力的な人間になれた気がした。
私が感じた、はじめての仕事のやり甲斐はこれなんじゃないだろうか。
もっともっと、自分のファンを増やして私は魅力的な人間になりたいと思った。

私のような営業系の仕事をしていると「目標を達成すること」をゲーム感覚で楽しめる方が一定数いると思うのだが、私にとって「達成すること」自体は楽しいことでもドーパミンがでることでもない。ただ、目標へのコミットはお客さんの信頼を勝ち得ることと、いつでもイコール。だから、結果にコミットするために私は仕事をする。そうしてお客さんの信頼と関係性を構築する。

現在の私

2022年現在、私は社会人4年目になるのだが、大学時代の就活、初めてのベンチャー企業での営業職を振り返って思うことは、私の適正を見抜いて「ベンチャー企業」へ最初に導いたのは間違えなく企業の人事だ。

「私、社会人として何をすべきなのかわからないです」
という学生のぶっつけな就職活動において

「貴方はベンチャー企業向きなんじゃないでしょうか?弊社の営業職はどうでしょう?」
という提案をしてくれた(※もちろん、自己分析してから面接なんてしてないから、企業に怒られることの方が圧倒的に多かった)

自分のやりたいことだとか、就活の軸だとかもっと自分の中で明確になっていれば100社もエントリーする必要なんてなかったし、明確になっていた方がもちろんいい。ただあの時の自分にとって、自分という人間を理解するために必要な100社だったと思う。

そんな私は、約3年半の人材会社での営業経験を活かして現在「スタートアップの広告代理店」で「採用人事」をしている。今度は私が、人の適正を見抜いてキャリアの提案をする側になったのだ。

私が人事をしている広告代理店は、営業職時代の私の顧客だったりもする。
こうして、自分が紡いできた今までの仕事が、現在の自分へと繋がっている。
本当に、あの時「ベンチャー企業」で「営業職」を選んでよかった。

#この仕事を選んだわけ

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