【特許から見る】納豆テクノロジー
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【特許から見る】納豆テクノロジー

「知財情報を組織の力に🄬」をモットーに活動している知財情報コンサルタントの野崎です。

我が家では納豆が好きで、よく食卓に上がるのですが、皆様ご存じの通り納豆は古くからある発酵食品です。

この納豆についてはどんな特許が出願されているんだろう?と気になりまして調べてみました。

ちなみに納豆関連の特許分類は日本固有の特許分類FI(ファイルインデックス)では

A23L11/00 食品用の豆類,すなわち食品用の豆科植物の果実;豆科植物からの製品;それらの調製または処理[2021.01]
A23L11/50,209 ・・なっとう
A23L11/50,209@A 装置
A23L11/50,209@Z その他

となっており、同じく日本固有の特許分類であるFタームでは

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にあるように

4B020 食品用豆類
4B020LB13 ・納豆
4B020LB14 ・・糸引き納豆

があります。

1. 日本の最古の納豆関連特許・実用新案

J-PlatPatで調べたところ日本の納豆関連特許・実用新案は2,576件ありました。一番古い特許は大正9年出願の特明38698「納豆製造法」でした。

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特許権者は土野慶太郎氏ですが、土野氏がどのような方かは分かりませんでした。

最後のページに【特許請求の範囲】が掲載されているのですが、旧字体なので読みにくいですね。。。。ちなみに図面はありませんでした。

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2. 納豆関連特許・実用新案の出願トレンド

それでは納豆関連特許・実用新案の出願トレンドを見ていきましょう。

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先ほどご紹介したように日本最古(あくまで設定した分析条件の範囲内)の出願は1919年で、1970年代前半までは1桁台の出願が続きますが、1971年以降出願件数が増加します。

これは1971年から日本にも公開制度が導入されたためです。

1971年以前は、特許出願しても登録(当時は公告制度)にならないと公報が発行されませんでした。しかし、公開制度が導入されたことで、出願したら1年半後に原則公開されることになったので、出願件数が増加しているように見えます。

次に出願人・権利者ランキングですが、1919年以降の約100年間の累積で見ると、実はJ-PlatPatには古い特許・実用新案に出願人・権利者情報が掲載されていないため「出願人情報なし」が圧倒的多数となってしまいます。

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「出願人情報なし」を除外してみると、

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となり、やはり納豆といえばミツカンがトップ。またスーパーマーケットでもよく見かける「おかめ納豆」のタカノフーズも3位にランクインしています。

上位に個人発明家の方も多数ランクインしているのは納豆という身近な商品だからかもしれません。

また、食品メーカー以外にも吉野工業所がランクインしていますが、容器メーカーですので、納豆容器についての出願もそこそこ出願されているようです。

ちなみに2001年以降の出願に限定してもあまりランキング上位に変化はないので、上位出願人は直近20年間に特許・実用新案を出願していることが分かります。

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2001年以降で上位出願人の件数推移を見てみると、

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一部企業のグラフが陰に隠れていて少し見にくいですが、トップのミツカンは出願がない年もありますが、毎年コンスタントに出願をしていることが分かります。2位の二村氏は2007年と2014-2016年にまとまった出願を行っているのですが、どういう方か特定することができませんでした。

3. 最近の納豆関連テクノロジー

最近の納豆関連テクノロジーについてテキストマイニングを使って見ていきましょう(ツールはKH-Coder)。

まずは発明の名称が確実に漢字で記載されている1980年以降の2,030件の共起ネットワークマップを示します(最小出現数10語以上、”納豆”や”製造”などの一部キーワードは抽出対象外)。

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右側に化粧品・皮膚外用剤のクラスターが確認できます。出願事例としては特開2019-141036「バチルス属細菌、インターロイキン−22産生誘導剤、皮膚バリア機能増強剤」があり、

特許請求の範囲3:味噌または納豆を由来とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバチルス属細菌。

のように納豆そのものではなく、納豆由来のバチルス属細菌を使った皮膚外用剤の出願です。

今度は2001年出願以降の1,019件に限定して共起ネットワークを見てみます。

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やはり化粧品・皮膚外用剤に関するクラスターが右下に確認できます。

4. おわりに

納豆をよく食べるので、興味本位で日本の納豆関連特許・実用新案の出願トレンドについて分析してみました。

フードテックに注目が集まる中、納豆は健康食品としても日本が誇る食品でありテクノロジーです。今後も今回の納豆のように身近な食品などを取り上げて特許・実用新案の出願トレンドを紹介していきたいと思います。

5. 分析条件

本記事ではJ-PlatPat(特許情報プラットフォーム)の特許・実用新案検索メニューを用いて、以下の論理式で納豆関連特許・実用新案を抽出しました。

[納豆/TI+納豆/AB+納豆/CL]+[A23L11/50,209/FI]+[4B020LB13/FT]

なおKH Coderを用いたテキストマイニングを行う際は以下のキーワードを抽出対象外として設定した。

納豆
製造
方法

用いる
食品
加工


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野崎篤志 - イーパテント/知財情報コンサルティング®

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野崎篤志 - イーパテント/知財情報コンサルティング®
「知財情報を組織の力に®」特許情報をベースとした分析・コンサルティングを提供するイーパテント代表/知財情報コンサルタント®。KIT虎ノ門大学院客員准教授。平成30年度特許情報普及活動功労者表彰・特許庁長官賞受賞。 https://www.youtube.com/c/ePatent