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特許から見るメタバース・XR関連テクノロジートレンド①-メタバースとは?-

「知財情報を組織の力に®」をモットーに活動する知財情報コンサルタントの野崎です。

2022年5月26日にFIPAS主催セミナー「特許から見るメタバース・XR関連の最新状況 -日本企業にとってのチャンス領域-」で、特許から見たメタバース・XRの最新トレンドについて講演させていただきました。

XR(Extended Reality、エクステンデッドリアリティまたはクロスリアリティ)とはVR(Virtual Reality)・AR(Augumented Reality)・MR(Mixed Reality)など現実世界と仮想世界を融合するテクノロジーの総称です。

本noteでは、セミナーで発表した内容・分析結果について3回に分けて有料公開していきます。

1回目:メタバース・XRに関する概要
2回目:
メタバース・XRに関する特許分析を行う際の考え方とグローバル出願トレンド
3回目:
出願ポジショニングマップ🄬から見たメタバース・XRにおける注目テクノロジー

今回は1回目として「メタバース・XRに関する概要」をお届けします。

1 さまざまな情報・データから見たメタバースへの注目の高まり

まず最初に特許以外の様々な情報・データからメタバースへの注目の高まりについてみていこうと思います。

まずはGoogleの検索キーワードボリュームの推移を見るGoogleトレンドです。

出所:Googleトレンド(検索日:2022年5月23日)

Facebookが社名をMetaに変更すると発表した2021年10月28日以降、急激に検索回数が増加しており、注目度合いが高まっていることが分かりますね。ただ、2000年代半ばにも「メタバース」で検索されていたことがわかります。

現在のメタバースブームは実は第2次メタバースブームであり、元祖メタバースとしては2003年に運営開始したリンデンラボの「Second Life」がありました。

出所:Google画像検索

2007年ごろに注目を集めたが、2010年までにはほとんどの日本企業が撤退してしまいました。ちなみに「Second Life」は現在もサービスを継続中です(2020年7月、リンデンラボは投資ファンドに会社を売却)。

元祖〇〇のメーカーが、後発メーカーに飲み込まれてしまう(メタバースは今後どうなるか分かりませんが)のはメタバースに限らず、ウェブミーティングツールも同じでした。もともとSkypeシスコWebExが先行していましたが、コロナの状況下で爆発的に普及したのはzoomでした。
こういう状況を見るとヘーゲルの事物の螺旋的発展の法則を思い出します。完全な将来予測をすることはもちろんできませんが、ある程度の方向性を予測することはできます。「ヘーゲルの事物の螺旋的発展の法則」についてはイーパテお昼のミニ講座で取り上げますので、ご興味あればご覧ください。

さて、話し戻すと2021年10月28日にFacebookが社名をMetaに変更すると発表しました。その動画「The Metaverse and How We'll Build It Together -- Connect 2021」がこちらです。

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