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自治体複業は地域との縁が無くても出来る!宇多津町の職員に聞いた複業人材が選考でアピールするべきこととは?

自治体ごとに求められているアドバイザーの人物像は異なります。同じ歩幅でゴールに向かってくれるサポートタイプ。的確なアドバイスで導いてくれるリーダータイプ。今回お話を聞いた宇多津町の職員は、後者のリーダータイプを採用しました。

今回、宇多津町の選考では縁やゆかりよりもスキルを重視されていました。圧倒的なスキルや実績で心を奪われたと話すのは、宇多津町職員の岩瀬さん。人口減少対策アドバイザーを採用するに至った選考過程のリアルをお聞きしました。

*インタビューさせていただいた職員の方のプロフィール

岩瀬 弘大 氏/宇多津町役場まちづくり課 主任主事

☆今回選出されたアドバイザーのプロフィールはこちらから

深刻な人口減少に打開策を

趣を感じられる宇多津町の歴史ある街並みのお写真

ーー今回は「人口減少対策アドバイザー」を募集されましたが、今まではどのような取り組みを行ってきましたか?

大きく分けて2つの取り組みを行ってきました。1つ目は補助金制度の導入です。首都圏から移住してきた人への補助金や結婚新生活への生活支援金などの補助金を各種取り揃えています。

2つ目は人口減少対策プロジェクトチームを結成して施策について検討することです。今年度は具体的には子育て支援の充実、新規補助制度の検討、情報発信の強化の3つのテーマについて取り組んできました。

しかし、人口減少対策プロジェクトチームは有志のチームなので、活動は業務時間外がメインとなります。そのため、時間が限られているので、今までは踏み込んだ検討をすることが出来ませんでした。また、この取り組みに対して具体的な施策に関するアドバイスやフィードバックをしてくれる人が居ないという課題もありました。そこで、幅広い分野の知識を用いて包括的なアドバイスをくれる複業人材の方を募集しました。

ーー人口減少対策プロジェクトチームはどのように構成されているのですか?

各課から1名ずつ推薦してもらい全庁的なチームをつくりました。しかし、そのメンバーの年齢が全体的に若く、新しい施策を考えるには知識や経験が浅いのではという懸念点がありました。今回就任されたアドバイザーには、施策に関するアドバイスだけでは無く、若手職員の教育もお願いしたいと考えています。

また、このプロジェクトは令和3年から3年間のプロジェクトなので、今年が最後の年になります。残された時間が少ないので、アドバイザーの方には職員を引っ張っていくリーダー的な役割を期待しています。

職員が採用したいアドバイザーの特徴

活気あふれる宇多津秋祭りの様子

ーーアドバイザーのどんな所に魅力を感じて36名の応募者の中から選んだのですか?

エントリーシートのプロフィールや面談選考から、地方創生への熱い思いと豊富な実績を知ることが出来たからです。

今回採用したアドバイザーの方は、過去に観光庁や総務省の事業に携わったり、地方創生団体に所属したりと精力的に地方創生に取り組まれてきました。過去の実績が分かるリンクをエントリーシートに添付してくださっていたので、スキルや経験について具体的に知ることができました。

また、アドバイザーの方が面談選考でお話したときにズバッと核心を突く話し方をしていたことが36人の中から1人を選ぶ決め手になりました。先ほど言った通り、今回は限られた時間の中でしっかりと結果を出さなければいけませんでした。なので、選考を通して職員を引っ張ってくれるリーダータイプの方を採用したいと思うようになりました。今回採用したアドバイザーの方は的確な意見をきちんと伝えてくれるので、まさに宇多津町にピッタリの人材だと思います。

ーー他の自治体は地域との縁も選考の要素として大事にしていることが多いのです。今回採用されたアドバイザーの方は、宇多津町とは縁もゆかりもなかったとのことですが、その点はいかがでしたか?

宇多津町としてはスキルや実績をどう活かしていただけるかが明確である方が、縁やゆかりがあることよりも重要だと考えていました。時間が限られている中できちんと成果を出したかった私たちにとって、成果をイメージできることは大きな評価ポイントでした。

反対に地域の縁がどれだけ伝わってきても具体的にどのようにプロジェクトに寄与してくれるかイメージ出来ない人は採用を見送らせていただきました。特に今回のプロジェクトは限られた時間で成果を出さなければいけないので、この人とならと思えるスキルや実績を持った方を採用しました。

ーーエントリーシートでは地域との縁だけではなく、志望理由に自分のスキルや実績をどのようにプロジェクトに活かすことが出来るかをしっかり記入することが大切なのですね。

その通りです。今回は予想していたよりも遥かに多い36名の方に応募していただきました。そのなかで面談選考に進む人を絞るときの判断材料はエントリーシートしかありません。スキルや実績をただエントリーシートに並べるのではなく、それをどのようにプロジェクトに活かすのかまでアピールしてくれた人の方が行政の職員には好印象だと思います。

また、面談選考ではその人の性格や話し方を見て実際にプロジェクトを進めていくときに、アドバイザーと職員がマッチするかを見極めることを大切にしました。このプロセスを踏むことで自治体に最適なアドバイザーと出会えるのではないかなと思います。

アドバイザーと描く宇多津町の未来

アドバイザーの方が職員と打ち合わせを行っている様子

ーー様々な思いを抱えながら臨んだ選考が終わった今、アドバイザーの方にどのような印象をお持ちですか?

地方創生へ熱い気持ちを持っていて的確なアドバイスをくれ、人としての温かみも感じられる人という印象です。

先ほど採用に至った決め手としてズバッと核心を突く話し方をされることを挙げました。しかし決して冷たい言い方ではなく、私たちのことを尊重するような言葉選びをしてくださいます。

アドバイザーの方が所用で香川にいらっしゃったとき、1時間ほど対面でお話することができました。たった5分の面談選考では全て知ることができなかった人柄や考え方を詳しく知ることができ、より一層プロジェクトの成果が楽しみになりました。

すでにアドバイザーの方にはWEB上で職員と打ち合わせを行っています。そこでは、専門的な知識だけではなく社会人として身に付けておくべき基礎知識についても教えていただいています。これからも若手の職員をどんどん鍛えていって欲しいです。

ーー最後にプロジェクトへの抱負をお願いします!

有志の人口減少対策プロジェクトチームの活動は今年度で終わりますが、来年度以降も続く人口減少対策の指針になるようなプロジェクトにしていきたいです。
人口減少は目に見えるような成果が出づらい課題です。しかし、町としてはこの課題に向き合い続けなければいけません。アドバイザーと一緒に課題解決の糸口を見つけ、期間終了後もアドバイスいただいた事を忘れずにこの課題に取り組んでいきたいと思います。

また、複業人材の方とご縁をいただいたことで地元の新聞社にも取り上げていただきました。今回のプロジェクトでしっかり成果を出して、まちづくり課以外の課にも広がるような取り組みになるようにアドバイザーと一緒に試行錯誤していきたいと思います。

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