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複業で横瀬町の健康課題を分析。思わぬご縁がオンライン食事指導サービスの起業のきっかけに!

埼玉県横瀬町では、2020年12月から2021年3月までの4ヶ月間、複業人材登用における実証実験を行いました。エンジニア・デザイナー・広報の3職種において3名の方が登用されました。

その中でもエンジニアとして参画した山上さんは、ご縁がありプロジェクト終了後に会社を立ち上げたそう。プロジェクトの取り組みについてや、どう本業へのシナジー効果を生み出したのかについて伺いました!

▼埼玉県横瀬町の取り組みについてはこちら

*プロフィール

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山上 慶氏
大学卒業後、コンサルティング会社にて官公庁向けの政策提言や、民間企業向けの経営戦略/事業戦略策定に従事。予防医療に関心があり、食生活を改善することにより、健康増進/生活習慣病の予防などに貢献できないかを模索している中で地域医療に興味を持ち、横瀬町のプロジェクトに参画。地域住民の健康課題を抽出し、今後求められる解決策の導出に貢献。プロジェクト終了後、ご縁がありタウンドクター合同会社を設立。



地域によって変わる、気付かぬ健康リスク

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ーー埼玉県横瀬町での複業プロジェクトに応募しようと思ったきっかけについて、教えてください!

都心の人だけではなく、地域の住民の方がどのような健康上の課題を抱えているのかという点に興味がありました。

地域によっては塩辛い物が多かったり、甘い物が多かったりします。地域に根付いた食文化が、健康状態の違いに影響を与えているのではないかと考えていました。

そんな中「医療・検診データから町民の健康課題を探し出す分析者を募集!」という横瀬町の求人を見つけて、まさに自分の知りたいこととマッチしていたので応募しました!

ーー地域の健康上の課題に興味があったとのことなのですが、実際どうでしたか?

地方はお酒の量が多かったりと、健康上の課題が多くあるのではと思っていたのですが、やはりあって。横瀬町の場合は平均的に塩分が多く、それに伴い高血圧の方が多くおられました。解決していかなければならない課題が見えたのはよかったです。


データから紐解く、横瀬町の健康課題

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ーー実際に横瀬町では、どのような事に取り組みそのような課題を導き出したのですか?

横瀬町の住民の方々に、どんな健康上の課題があるのか明確にし、解決策を導き出したいというテーマ。そこでKDBという国保情報データベースで提供された医療・健診データを分析しました。

横瀬町の住民の方々を、全国平均と比べたり、埼玉県内と比べたり、同じぐらいの人口規模である地域と比べたりして、データを解析しました。その結果、横瀬町では平均的に塩分が多く、それに伴い高血圧の方が多いことがわかりました。

ーー高血圧の方の増加を食い止めるために、どういう事をしていけばいいのかという、アクションまではどうなりましたか?

まずは高血圧の人に対する食事指導が必要だということになりました。これまでも横瀬町では食事指導を行ってきたのですが、一人一人に合わせた食事指導が難しいという課題を抱えておられました。

私の会社では、患者さんごとのご飯の好みや精神状態に合わせてパーソナライズするツールを開発していたこともあり、プロジェクト終了後しばらくし、正式に横瀬町さんから委託をいただくこととなりました。それをきっかけにタウンドクター合同会社というヘルスケア関連の会社を起業しました。

複業から自治体に関わり、起業

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ーー今回のプロジェクトが起業のきっかけになったのですね!事業内容について教えてください。

管理栄養士の方が、患者さんに食事指導をするときの助けとなるツールを作っています。AIを活用し、患者さんの食の好みや生活環境に合わせて、一人ひとりに寄り添った食品をリコメンドします。

食事指導における体験を最適なものにしていくために、このツールを使って管理栄養士の方に食事指導をしてもらいます。主に糖尿病や高血圧といった生活習慣病の患者さんが、食事指導をする対象です。

ーー自治体さんと関わる上で、山上さんが気をつけていることや、大切にしている価値観はありますか?

自治体は、公平性や公共性を順守されているので、そこは意識したほうがいいかなと思います。ただ、相手が自治体だからどうということはないはずで。民間企業でも業界によって文化は違うじゃないですか。自治体・民間限らず、お互いに息を合わせながらプロジェクトを進めていくと良いと思います。

ーー今回のプロジェクトに参加して、自分自身得られたことはありますか。

住民の方達の食事の状況や生活の実態が見えてきたのは良かったです。

元々これが当たり前だと思っていた食生活が、全国的に見たときに特異で、それにより意図せず健康リスクにさらされてしまっていることがあるのだということがハッキリとわかったので。

ーーこういう自治体さんのサポートをしたいという今後の抱負があれば、教えてください!

自治体であれば、人口の多い地域というよりは、人口規模の小さい自治体さんの何かお手伝いができたらいいなと思っています。今回の横瀬町のように、地場での食生活が染み付いていて、気付かぬうちに健康リスクを高めてしまっている地方自治体はもっとたくさんあると思うからです。

また、小さな自治体であれば、役場起点だけではなくその地域のステークホルダーの方々と一緒に何か出来るのかなと思っていて。たとえば、町の小売店やスーパー・町のクリニックなどと一緒に、地域でよりウェルビーイングを目指して何か挑戦してみたいです。


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【横瀬町における取り組み事例のプレスリリース】
タウンドクターが「生活習慣病患者向けオンライン食事指導サービス」を提供。埼玉県横瀬町において2021年9月より導入開始

また、タウンドクターでは2021年10月より「自治体向け高齢者の健康課題分析サービス」を、先着10件で無料で提供開始します。国保情報データベース(KDB)で提供された医療、健診、介護データの読み解きから、地域住民の健康課題の分析を実施します。

▼「自治体向け高齢者の健康課題分析サービス」に関するお問い合わせはこちら

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取材・編集:高岡 慧



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