自治体複業ではなく盛岡市での複業に興味がある人を採用!職員に聞いた選考前に準備すべきこととは?
ツーリズムパッケージの作成を目標に事業企画とマーケティングの複業人材を募集した盛岡市。前者は30エントリーと高倍率だったためハイレベルな選考になったそうです。
今回は、書類選考でESに加えて複業クラウド上のプロフィールも評価した背景や、応募者が選考でアピールすると職員から好印象もらえるポイントについてお話を聞きました。
*インタビューさせていただいた職員の方のプロフィール
*今回選出されたアドバイザーのプロフィールはこちらから
複業人材の力を借りて、市を盛り上げるためにツーリズムパッケージの作成を
下河原氏:
恵まれた観光資源を活かして、盛岡市をさらに盛り上げていきたいと思ったからです。
夏は川遊びや湖でのサップ、冬はスキーやスノボと盛岡市では一年中アウトドアスポーツを楽しめます。しかし、このように恵まれたアウトドア資源があっても、それを上手くパッケージング出来ていないという課題がありました。
様々な魅力がぎゅっと詰まった盛岡市に県外から多くの人に来てもらうためには、観光しやすいまちであることをPRすることが大切です。そこで、盛岡市が持つ資源を最大限に活かした、アウトドアツーリズムパッケージを一緒に考案してくれる人とそれを効果的に発信してくれる方法を検討してくれる人の2人のアドバイザーを募集しました。
早川氏:
新規事業の企画やターゲットを絞ったマーケティングは、どちらも普段の業務内容と大きく異なります。ノウハウが無いために、何から着手すれば良いのかも分からなかったことが課題でした。
行政では業務に取り組むとき、前例を踏襲することが基本です。そのため何かを1から生み出す機会がほとんどありません。ツーリズムパッケージの作成は盛岡市では初めての取組だったので、全くの未知の領域でした。
また、行政サービスは対象を絞らずに全員に平等に提供することが原則です。しかし、観光という分野においては、ターゲットを絞り情報発信をすることが大切になります。ターゲットの選定や特定の対象に向けた効果的な情報発信も、私たちは経験が無いことでした。
下河原氏:
私たちが普段の業務ではやらない「0から1を作る」ことや「具体的なターゲットの選定」は民間企業では当たり前に行われていることです。そこで、民間企業で得たスキルやノウハウを活かして盛岡市のために力を貸してくれる複業人材を募集することを決めました。
自治体複業ではなく盛岡市での複業に興味を持ってくれた人を選出
下河原氏:
今までの経験や現在の仕事を通して得たスキルをどのように盛岡市に活かしてくれるかがイメージ出来る人を選びました。
応募してくれた人は、エントリーシートに今までの経験や実績、応募した経緯について書いてくれていました。その中でも盛岡市について調べた上で、今までの経歴をどのように活かしてくれるかアピールしてくれた人に興味を持ちお話を聞いてみたいなと思いました。
早川氏:
今回の選考では、エントリーシートで5人まで絞り切れなかったので、複業クラウド上のプロフィールも参考にしました。そちらに添付して下さっていた実績が分かるリンクやポートフォリオを拝見して最終的に面談選考に進む人を決めました。
下河原氏:
コミュニケーションスキルなどの対人スキルが高い人が好印象でした。
書類選考でその人のスキルや実績を知ることができたので、面談選考では人柄の部分に注目しました。選考が終わると最終的に選んだ人と6ヶ月間一緒にプロジェクトに取り組むことになります。そのため対人スキルや人柄のよさをみて、職員との相性が良さそうだなと思った人を選びました。レベルの高い選考で他にも魅力的な人はたくさんいたので、1人だけを選ぶのが本当に難しかったです。
早川氏:
今回ご縁があったお2人からは、自治体で複業したいという思いではなく、盛岡市のために働きたいという思いが強く伝わってきたことが一番の決め手でした。
エントリーシートで、盛岡市の現状や課題をくみ取った上で、自分のスキルや経験がどのように活かせるかをアピールしてくれていました。また、面談選考ではプロジェクトに対する具体的な提案をしてくれていました。このことから、2人なら困ったときも打開するためのアイディアを出してくれそうだなと思うようになりました。
まちに関してリサーチをした上で選考に挑んだ誠実さと、面談選考段階で早くも具体的な提案を用意してくれたことから感じた信頼感から、盛岡市のために一生懸命になってくれそうだなと思ったことが、2人を選んだ決め手です。
0から1を作るためにアドバイザーと二人三脚で取り組む
下河原氏:
事業企画の方は、職員を導いてくれて様々なことを教えてくれる先生のような存在です。
選考の段階から、盛岡市の良さを掛け算して魅力を引き出すための提案をしてくれていました。プロジェクト期間中の現在では、職員には無い多角的な視点から様々な意見を出していただいています。
マーケティングの方は職員の意見を優しく受け止めて、それを改善するためのアドバイスをしてくれる母親のような存在です。また、このアドバイザーの方は盛岡市に住んでるので、住民としての視点で盛岡市の良いところを引き出すための具体的な提案もしていただいています。
2人とも本当に頼りになる存在なので、難しい選考でしたが、2人を選んで本当に良かったと思っています。
早川氏:
アドバイザーが持つ、事業企画や営業の経験から培ったブランディング力を借りて、まっさらな状態からスタートしたアウトドア資源を最大限に活かしたツーリズムパッケージの作成が少しずつ形になってきました。
マーケティングの方もインスタグラムを始めとしたSNSの運用の仕方へのアドバイスをしていただき、魅力的に映る写真の撮り方などを教えてもらっています。
アドバイザーの2人にも盛岡市のプロジェクトに参加して良かったなと思ってもらうためにも、3月に開催予定の成果報告会で、しっかりと報告できるようにアドバイザーと二人三脚で取組み、形を整えていきたいです。
下河原氏:
アドバイザーから学んできた情報発信や事業企画のノウハウは他部署でも必ず役立ちます。2月に開催された盛岡広域スポーツコミッションの研修会では2人にも登壇していただきました。このように今回のプロジェクトで得ることができたものを、自分たちの部署にとどまらず、他の部署の職員にも共有していきたいと思います。
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