【後編】複業人材と併走して行うまちづくり。受け入れ担当の職員が感じた成果&心境の変化とは?
「複業人材と併走して行うまちづくり。受け入れ担当の職員が感じた成果&心境の変化とは?」対談インタビュー後編です!
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複業人材を登用する際に感じた課題
ーー反対に田端さん自身が、複業人材を受け入れた際に課題に感じられたことはありましたか?
田端:人柄もよく活力に溢れたいい人材に巡り会えたのですが、1つだけ言わせてもらうと、プロボノでの公募で直接的な金銭報酬がなかったので、遠慮が出てしまった部分がありました。
参画してくださった方は、私達もチャレンジさせてもらって有り難いですと言ってくださるいい人ばっかりで。お金を払っていれば言いやすいことが言いづらくなるという、優しさが出てしまうところが唯一課題としてありました。
ーー確かに、どこまで頼ればいいかというところは悩む部分が多いと思うのですが、杉本さんはどうですか?
杉本:そうですね。田端さんがおっしゃったことはすごく共感です。そのため、無報酬というのを何に変えて還元するかはいつも考えています。そしてたどりついた答えが、関わった感をいかに感じてもらえるかだと。
守山市と関わってよかった、実績を出せてよかったと思ってもらえると、それが原動力となって力を発揮しやすい環境を提供できると思います。
今夏、複業人材の皆さんに市内起業家のかかわる、ストーリーある地域特産品を2種類贈呈したのですが、守山市とのかかわりを感じていただき大変喜んでもらえました。
ーー基本的にはオンラインで行われるプロジェクトですが、複業人材の方々とのコミュニケーションはいかがでしたか?気をつけているポイントも教えてください!
田端:コロナ禍で対面で会えないということは、ネックな部分ではありましたが、メールやオンライン会議が簡単にできる時代になっているので、コミュニケーションは取りやすかったかなと思いました。
杉本:僕は他の自治体の方と連絡をとって、アドバイスをいただいています。そこで複業人材の方を受け入れる担当者としての情報を増やし、複業人材の方にも共有すべきだと思った情報は伝えてコミュニケーションをとっています。
まちの未来に、民間の知恵を
ーー複業人材を登用される自治体さんが増えている中で、受け入れを担当する担当者の方に何かアドバイスをいただければと思います!
田端:このような取り組みを始めるための一歩を踏み出すためには、マンパワーが必要だと公務員は思いがちだと思います。しかし一回騙されたと思ってやってみて欲しいです!一歩踏み出すとそのあとがすごく軽くなるので。簡単なところからでもいいので、一度やってみるというのが一番です!
杉本:田端さんと同じで、やってみた方がいいのではないかと。複業人材の方からアイデアをもらう、という単純な発想で飛び込んでみたらいいと思います。たとえば、教育や福祉など行政にしかできない難しい領域はありますが、発想の部分だけアドバイスが欲しいというとき、複業人材の登用は向いていると思います。
ーー最後に、今後の展開を含めた町の紹介をお願いいたします!
田端:横瀬町は人口が約8000人で、年間100人ほど減っています。数字だけみると人口が減少していて、どんどん衰退していくように思われがちなのですが、活力のある町です。日本一チャレンジする町として、「オープン&フレンドリー」という言葉をキーワードにしています。そのこともあり私が所属する企画部門は、事業課に負けないくらい事業をもっています。今後もそのような面で複業人材の方とご一緒できたらと思っています。
たとえば広報紙を町民がみやすいようなデザインにするためにプロフェッショナルな人材を取り入れるなど、マンパワーが不足気味な横瀬町をアシストするエンジン部分になってもらうために、複業人材の登用を考えていきたいです!
杉本:守山市は、京阪神のベッドタウンとして人口増加基調にあり、若い世代が多い活気あふれるまちです。2020年に市制施行50周年を迎え、100周年に向けた次の50年が始まる中、「起業家の集まるまち」を掲げ、多様な人材が挑戦し活躍できるまちづくりを目指しています。
昨今、官民連携が重要だと言われていますが、民間が主役となる環境を作り、どれだけ行政が民間と連携をしに行けるかが大事だと考えます。
民間のアイデア・活力・ネットワークとうまく連携し、しっかり外部人材とも関わってまちづくりの環境を作っていきたいです!
▼Another works との自治体連携に興味のある方はこちら
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