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広がる人事職の複業!”ちりつも”を意識して、小さな成功体験を

労働力人口減少による人手不足が叫ばれる中、人事職の複業人材を募集する企業が増えています。「人事領域の中では中途採用、特にエンジニア採用の経験が重宝される傾向にあると思います」と語るのは、自身も人事職で複業をされている日下部さん。

今回はそんな日下部さんに、初めて複業案件を受けるときのコツや、人事職で実際にどのような複業案件を担当しているのかを伺いました!

*プロフィール
日下部 敬 氏

2007年に新卒で楽天㈱に入社、楽天市場事業部で営業職に従事した後、2010年に㈱オプト(現㈱デジタルホールディングス)に転職。現職ではwebマーケ→経営企画/子会社監査役→総務部長を経験した後、2021年より人事MGRとして人事領域全般のディレクションに従事。2022年からはパラレルワーカーとして活動を開始、人的資本経営(※人材を資本として捉え、その価値を最大限に引き出すことで中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方)を研究する団体の主任研究員として各企業の調査研究に携わる一方、スポットでの人事コンサル業務も請け負っている。
相談先e-mail:love.viewt@gmail.com


まずはスポットコンサルで小さな成功体験を

父の日にもらったプレゼント。子供からはいつも、元気をもらっています。

ーー日下部さんの現在のお仕事について教えてください。

㈱デジタルホールディングスで人事MGR職とHRBP職を担っており、グループ経営・事業会社経営双方における人事領域全般の企画業務、ディレクション、マネジメントに携わっています。

また複業では、各企業の人的資本経営への取組状況を分析する調査研究職の業務と、スポットでの人事コンサル業務に携わっています。

ーー複業を始めようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

30代半ば、結婚や出産など大きなライフワークの変化がひと段落した頃、自分自身のキャリアについて考える機会が増えたのですが、その過程で「自分がいま持っているスキルは何だろうか」「市場で通用する人材になれているのだろうか」といった不安感が、湧き始めました。

現職では在籍期間が長いこともあり、これまでに培った人間関係・信頼貯蓄によって仕事をスムーズに回せている状況も少なからずあるとは思っています。そんな中、今と同様の業務を別の会社で行ったときに、同じパフォーマンスを発揮することができるのか、対価に見合った価値を提供できるのか、突き詰めると「何があっても家族を守れるぐらいの市場価値を自分は備えているのだろうか」と、漠然とした不安が募っていきました。

ちょうどその頃、現職で複業が解禁されました。自分のスキルが外でも通用するのか挑戦してみたい、複業制度を導入している人事側としても経験をしておきたい、そんな気持ちから、まずはやってみようと、一歩踏み出してみることにしました。

ーー複業の第一歩として、スポットコンサル業務を始めたとのことですが、なぜこの仕事を選んだのでしょうか?

一歩踏み出すとは言いながらも、「自分なんかに務まるのだろうか」「対価に見合った価値を提供できるのだろうか」との不安感がありました。中長期での業務委託契約はハードルが高いと思っていたので、小さな成功体験から積み重ねていこうと、まずはスポットでのコンサル業務から挑戦することにしました。

スポットコンサルは基本的に短期の単発案件で、稼働時間も自分の方で調整することが出来るサービスを利用したので、本業に支障が出ない範囲でフレキシブルに取り組むことができました。

何だかんだで、この小さな成功体験はスタートしてから約1年半で30件に達しており、頑張ったなぁ自分、と声をかけてあげたいです。笑


本業も複業も、相互にWinWinな関係を

子供は乗り物が大好きで、家には大量のトミカが…

ーースポットコンサル業務で自信を付けた後は、中長期的な複業案件を獲得されたとのことですが、具体的にどのようなことをされているのですか?

人的資本経営を研究する団体と個人で業務委託契約を締結し、色々な会社の人的資本開示状況や取組み施策の調査を行っています。団体が主催するセミナーに、スピーカーとして登壇したこともありました。稼働時間は、大体月に20時間程度ですね。

ーーこれまで培ってきたスキルや経験を活かせそうなお仕事ですね。反対に複業での経験が本業でも活きると感じることはありますか?

色々な会社の人的資本経営の実態に触れることができるので、最先端の会社はどのような取組みをしているのか、投資家が見ている人的資本開示ポイントは何か等、自然と情報取集ができるようになりました。

自社だけに目を向けると視野が狭くなりがちですが、複業を通して世の中のトレンド・相場観を掴めるようになったことで、本業でのアウトプットにも良い影響が出ているな、と思っています。

また、私自身が企業側の人事職を担っていることもあり、複業先に「〇〇が実現出来ない会社には××という理由がある」といった課題感をフィードバックすることができるので、本業と複業でWinWinな関係を築けているなと感じています。

ーー相互に良い関係を保てているのは素敵ですね。日下部さんが感じた複業の良さについて教えてください!

私みたいに「自分のスキルは社外でも通用するのだろうか」と考えてみたことがある人は多いと思うのですが、転職は中々ハードルが高いなと。家庭を持っている方であればなおさらです。そんな中、複業は、現職でのベースを活かしながらも外でチャレンジすることができる、とても魅力的な取組みだと思っています。

副次的な要素ですが、収入面もプラスになりますしね。スタートして当初は月に数万円の収入でしたが、今では安定して数十万円を得られるようになりました。


等身大の自分を伝えることでミスマッチを防ぐ

大切な家族のために、今後も複業を頑張りたいと思います!(笑)

ーー 日下部さんが複業先を探すときに重視しているポイントについて教えてください。

相手のニーズと自分の強みがマッチしているかを強く意識しています。現職で人事職に携わっていることもあり、ミスマッチが生み出す悲劇は理解しているつもりです。笑 

マッチング先と面談する際も自分を大きく見せることはせずに、「私が出来ることは○○です、貴方のニーズに対し、××の点でお役に立てると思っています」と、誠実に伝えるようにしています。

ーー人事職で複業をされている方はまだまだ少ないのではないかなと思うのですが、これから引き手あまたになる感覚はありますか?

事業を成すにも「人」ありきで、どの企業も人手不足な状態だと思っています。その点、「人」の採用・育成・定着・労務管理等、「人」向き合いの業務を遂行できる人事職の複業ニーズは、今後さらに増えていくと思います。その中でも特に、事業成長の起点となる中途採用の経験は引く手あまたでしょうね。

ーーこれから複業に挑戦したいと思っている方にメッセージをお願いいたします!

私自身、自分なんかに複業が出来るんだろうか、と思っていたうちの1人でした。初めてマッチングした企業の担当者と面談したときは心臓がバクバクしていたことを、今でも覚えています。

ただ、やってみて思ったことは「やってみたらどうにかなる」ということです。

まず初めに、興味を持った複業プラットフォームに登録してみて、世の中にどのような複業案件が出回っているかをチェックしてみてください。実態を知ることで、今の自分と比較してのリアルなGAPが分ります。それにより、自分が起こすべき次のアクションが自然と見えてくるはずです。

小さな行動を積み重ねていくことで、漠然としていた「複業」へのイメージに、リアリティが加わっていくこと、間違いなしです!

皆さんの挑戦への第一歩を、心から応援しています。

取材、執筆:高岡慧

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