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採用基準は飛騨市への熱意!スキルや経験よりも重要視した複業人材の特徴

日本全体の課題となっている地方での人口減少と少子高齢化の問題。中でも飛騨市は全国的にみても早いスピードで進んでいます。そんな飛騨市では関係人口を創出するための取り組みが多く実施されていて、この取り組みを広めるために複業人材を募集しました。

採用を担当した上田さんが選考で重要視したのは”スキルよりも人柄”だったそうです。今回は上田さんに複業人材に求めていた人物像や山田さんとシュウジさんをアドバイザーに選んだ決め手について詳しくお聞きしました。

*インタビューさせていただいた職員の方のプロフィール

上田 昌子 氏/飛騨市役所総合政策課

*今回選出されたアドバイザーのプロフィールはこちらから

深刻な人口減少が進む飛騨市での取り組み

美しい霜降りと柔らかい食感が特徴の飛騨牛のお写真

ーー今回、飛騨市さんが複業人材を募集した背景について教えてください

飛騨市には日本全体と比べてもかなり早いペースで人口減少が進んでいるという大きな課題があります。20年前には3万人いた人口も現在では2万2,000人まで減少しています。また、高齢化率も40%を超えていて、少子高齢化も深刻になっています。
(参照:https://www.city.hida.gifu.jp/soshiki/8/36879.html

人口が減っても住んでいる方が豊かで楽しく生活ができるようにと、飛騨市の魅力を知ってもらう活動や、市外に住んでいる人と地元の人が交流できる機会を設けるなど市としても様々な取り組みを行ってきました。

しかし、その取り組みを広めるための広報のノウハウが不足していることを実感していたので、プロモーションや情報発信の専門家に力を借りるために、今回複業人材を募集しました。

ーー市の取り組みには具体的にどのようなものがありますか?

代表的なもので言えば、「飛騨市ファンクラブ」の設立や地域の人々と多様に関わる人々を指す関係人口について研究する「未来のコミュニティ研究室」の活動が挙げられます。

ファンクラブは設立から6年で会員数が12,300人を突破しました。会員限定の特典やイベントなどを開催しており、順調に会員数を伸ばしています。飛騨市では、未来のコミュニティ研究室という産官学民チームで関係人口を創出するための手法や「人と地域の居心地の良い関係性」の研究を行っていますが、あまり認知が進んでいません。

SNSや論文で取り組みを発信していますが、既に関心がある人にしか届かず、飛騨市のための活動なのに飛騨市民の方に届いていないことが課題感としてありました。

そこで、より多くの人にこの活動を知ってもらう方法を模索していくために、未来のコミュニティ研究室の広報についてアドバイスをいただきたいと思い、今回複業人材を募集しました。

36人の応募者から2人を選んだ決め手とは

棚田と板倉の風景 宮川町種蔵のお写真

ーー飛騨市さんが求めていた人物像について教えて下さい

私たちの意見を真っ向から否定せずに尊重してくれる人です。前から未来のコミュニティ研究室を支えてきてくれたメンバーもいるので、そのメンバーと上手くコミュニケーションがとれるかどうかということは必須の条件でした。

具体的には「それじゃ上手くいかないからこうした方が良いよ」ではなく、「こうした方がもっと良くなるよ」という風にポジティブな言葉選びができる人と一緒にプロジェクトに取り組みたいと思っていました。その人が持つスキルや経験も大事ですが、今後一緒にプロジェクトに取り組むとしたら何よりも人柄が大事なのではないかなと思います。

ーー今回は1つの職種で2人のアドバイザーを登用されましたが、それぞれにどのような役割を期待していますか?

1人目の方には飛騨市外向けの発信を、2人目の方には飛騨市内向けの発信についてアドバイスをお願いしたいと思っています。飛騨市について多くの人に知ってもらうためには、メディアに取り上げてもらうことが大切です。

1人目の方は記者として活躍していた経験があり、メディアが関心を持つような発信の仕方やトピックの切り出し方についての知見を豊富に持っています。メディアを通じてたくさんの人に情報を届けるためにはどうしたらよいのか、アドバイスしていただきたいと思います。

2人目の方には、今まで論文形式で発信していた未来のコミュニティ研究室の研究成果を動画にまとめて、地元の人に分かりやすく届けて欲しいと思っています。実は選考が始まる前は飛騨市外向けの広報を担ってくれる人のみを採用しようと考えていました。しかし、2人目のアドバイザーと面談をしたときに、飛騨市外向けの発信と同じくらい市内向け、つまり地元の人への発信も大切であることに気づかされました。

論文などのアカデミックなアプローチには拒否反応を示す人も少なくないので、動画にすることによってビジュアル的に理解することができ、今までとは違う層にも届けることができると思っています。

ーーたくさんの応募者がいた中で、2人に絞った決め手は何でしたか?

飛騨市への思いが他の応募者の方よりも伝わってきたことです。今回募集した内容は地域振興に関するものなので、私たちと同じ目線で熱意を持って試行錯誤できる人と一緒に取り組みたいと思っていました。

1人目のアドバイザーの方はテレビ記者として8年間活躍される中で飛騨市にも取材に来たことがあるそうです。飛騨市が独自に行っている空き家対策について取り上げていただいた経験からご縁を感じました。

2人目の方に関しては過去の作品を拝見して、今回のプロジェクトの広報に必要な大切な要素を抽出してシンプルにまとめるスキルを持っていると思ったことが決め手でした。論文では専門的な用語など難しい言葉で説明している所をかみ砕いて映像に落とし込み、分かりやすい動画にまとめてくれそうだなと思いました。

活気あふれる飛騨市にしていくために

インタビュー中の様子(右が上田さん)

ーー今回のプロジェクトにどのような成果を期待していますか?

まずは12月に開催される未来のコミュニティ研究室の発表会の集客の部分で結果を出していきたいと思っています。この発表会に関わらず、プロジェクトが終わる2月末までメディア露出の数や公開した動画の再生回数など数値として結果が出るものは意識しながら取り組んでいきたいです。

また、アドバイザーの2人には飛騨市の魅力をさらに知っていただき、プロジェクトが終わった後も飛騨市に遊びに来てくれるような関係を築いていけたら嬉しいです。

ーー最後に上田さんのこのプロジェクトへの思いをお聞かせください!

飛騨市の外の人と中の人が混ざり合って交流し合い楽しい地域にしていきたいです。人口が減少していく中でも、地域の活気と住民の生活の幸福度を追求していきたいと思っています。

これまでの関係人口は飛騨市ファンクラブやヒダスケ!のプログラムに参加したり、未来のコミュニティ研究室のイベントに参加するという関わり方が主流でした。今回のプロジェクトを通して、新たに「複業」という関わり方が増えて定着していくと嬉しいです。また、未来のコミュニティ研究室の取り組みが多くの人に届くように、情報発信の仕方についてしっかりと学んでいきたいです。

関係人口を増やすという大きな目標の実現に寄与する取り組みになるようにアドバイザーの方々と試行錯誤して取り組んでいきます。

▼Another worksが提供する複業クラウド for Publicについてはこちら

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