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読書記録:鳥類学は、あなたのお役に立てますか?

著者・川上和人
発行・2021.03.15
ISBN978-4-10-350912-7

2021.08.26.木
p.46-p.57
想像上の生物の考察がおもしろい。以前の著書ではキョロちゃんについて考察していたが,今回は鬼。動物たちのツノは,何のためにあるのか。知識をもとに,考察するおもしろさを教えてくれる。
p.58-p.75
自然界のバランスは,どんなふうに保たれているんだろう。何かの要素が増減しても,どこかで落ち着く。需要と供給曲線を思い出す。

2021.08.27.金
p.78-p.104
現生の生物の形態から,恐竜が泳げない理由を考察する。暫定的結論だし,物理学者ではないから推進器官の配置が泳ぎに与える影響は勘だけど,と。知識を何かに当てはめて,適用して考えるおもしろさを改めて感じる。また,個体数について,ディズニーランドにおけるミッキーの密度に例えて表現する方法は,面積や個体数に馴染みがなくても,容易にイメージできる。単位をつければ良い,あるいは単位の必要性を感じていたけれど,それだけではないと気付かされる。
p.105-p.133
国土のすべてが島であり、複数のプレートが集まり、生まれたての絶海の孤島西之島を擁する日本。その地理的環境の特異さたるや。観察できるのは現在だけ。しかし、現在の観察は過去を想像させる。

2021.08.28.土
p.134-p.152
絶滅と環境破壊は同時に語られやすい。しかし、里山だからこそ生息できる生物もいれば、人間の営みに合わせて行動等を変える生物もいることにも思いを馳せたい。環境破壊が正当化されるわけではないが、影響は正負両方の側面を持ちうる。どうしたら保全できるか?と考えがちだが、どうすれば絶滅させられるか?という高尚なお遊戯は、今までに持っていなかった視点だった。

2021.08.30.月
p.153‐p.171
高尚なお遊戯,柿とロボット。ロボットの考察をするなかで言及されたバイオミメティクス。先日,特別展「植物」を見に行ったなかでも気が付いたのは,私は生物の中でも形態や進化に関心があること。それは建造物が好きなことと近いかもしれない。

2021.08.31.火
p.174-p.238
線は人間が引いたものだと、改めて思う。そして、名前を知ると世界が立体的になるのだ、と。私たちはよく、なぜに対して、その便利さ、有用性をもって、説明しようとする。そこには、有用ではないものは不要であると意味を暗に含んでしまっている。楽しいから、だとすると、楽しくないと感じることは、しなくていいのか、と反論されそうだ。その限りではないけれど、楽しいと思えることを楽しめたらいいのかもしれない。そして、しなければならないことに対しては、楽しむ方法を見つけたい。楽しむ方法を見つけるためには、知識が必要なのかもしれない。知を愛する営みは、肩肘張らずに、全身でこの世界を味わえばいいのだ。

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