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Z世代の働き方とキャリア選択~ファクトから考える働き方の未来~ 

株式会社Another works代表の大林です。複業したい個人と企業・自治体を繋ぐ総合型複業マッチングプラットフォーム「複業クラウド」を運営しております。

今回のテーマは「Z世代の働き方」。リモートワークの浸透、複業の推進など変化の激しい時代において、Z世代の働き方やキャリアへの思考性は大きく変わっています。Z世代への調査データを基に最新トレンドを探っていきます。

「ファクトから考える働き方の未来」シリーズ
トレンドから文化への転換期を迎えている「複業・働き方」の未来について、国の調査やリリース、世間の動向を1,500社以上の複業登用・推進を支援するプラットフォーマーならではの視点で紐解いていきます。

Z世代の働き方の今

│ 今の会社で定年まで働き続けたいと考えるZ世代はわずか2割

リクルートのZ世代(26歳以下)に向けた調査によれば、「現在在籍する会社でどれだけ働き続けたいか」という質問に対し「定年・引退まで働き続けたい」と回答した人はわずか2割(20.8%)であったといい、「すぐにでも退職したい」「2~3 年」を合わせるとが44.5%と約半数、全体の7割強が「現在の会社で働くのは 10 年以下の期間」と認識しているという結果となっています。

また、Z世代(26歳以下)の転職動向についても調査がでており、平均が5年前の約2倍と右肩上がりで増加しているといいます。全年齢の転職者推移との乖離幅も大きくなっており、時期的要因だけでなくZ世代の思考変化が読み取れます。


│ Z世代の8割以上が副業に興味あり

学情の20代に向けた調査によれば、副業の実施意向について勤務する会社で認められていたら「副業したい」「どちらかと言えば副業したい」と回答した人が83.6%であった(学情、2023)といい、複業(副業)希望者が8割超えの大多数を占める結果となりました。

また、MERYが実施したZ世代への調査によれば、回答者の14%が「現在副業をしている」と回答したといいます。複業(副業)解禁が進む現在、課題となっているのは複業(副業)の実践率。パーソル社の調査によれば、現在副業を実施していると回答した正社員は全体の7.0%に留まっているといいます。全体とZ世代の複業(副業)実践率には少なくとも乖離があることは明白であり、Z世代の複業(副業)への関心が高まっていることが伺えます。


│ Z世代の副業目的は収入だけではない

さらに、Z世代の複業(副業)をする目的にも特筆すべきデータがあります。MERYが実施したZ世代への調査によれば、副業の目的について「収入のみ」と回答した人は全体の約3割に留まったといいます。

「収入以外の目的」の具体的な内容は、1位「できることを増やしたい・スキルを磨きたい」が約5割を占め、2位「時間にゆとりができたから」、3位「本業に活かしたい」が続いています。日経によれば、働くZ世代が成長を感じるときは「知識や経験値が増えること」と「結果を残すこと」との回答がそれぞれ約3割にのぼったという調査もでています。

よく世間で言われる副業の目的である”お小遣い稼ぎ”からZ世代の思考は大きく変わっています。自身のスキルアップ、キャリアアップのために複業で自己投資をしていく、新たな働き方を選び始めているのです。


│ 高校生が将来お金を稼ぐためにしたいこと 2位に副業

働くZ世代だけではなく、高校生に副業という働き方が浸透しつつあるという面白いデータも出ています。スタディプラスが実施した全国の高校生を対象にした「“金融教育”と“お金”に関する調査」の中で「将来、お金を稼ぐためにしたいことを教えてください」という質問に対し、2番目に「副業したい」が多く、全体の3割に達したといいます。

新卒で1社に入社し、終身雇用で定年まで働くというスタンダードから一変、学生時代から複数社(転職や複業)を視野に入れキャリア選択をしている事実は大きな変化です。高校生の複業(副業)への理解度や関心度については今後も動向を見ていく必要があると同時に、働き方の多様性に関する正しい知識の教育が学校現場において欠かせなくなっています。


Z世代の動向から見る働き方の未来

ここまでZ世代の働き方やキャリア志向についてデータから分析してきました。Z世代は既に終身雇用の思考から脱却し、複業や自己投資を通じて自分自身にスキルを身につけるための動きをスタートしています。

10年後、現在の20代(Z世代)が30代となり、企業の中間管理職となっていきます。新たな働き方・志向を持った人が管理職ポジションにつくことで日本の働き方のスタンダードはまた1つ大きな転換点を迎えます。今後もZ世代の働き方には注目が必要です。

◇ファクトから考える働き方の未来


大林 尚朝 / NAOTOMO OBAYASHI
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