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ストーリーが定番になる。

皆さんの「定番」のイメージはどんなモノだろう?
変わらないモノ。
変えていかないモノ。
いつでもあるモノ。
そんなところでしょうか。

ブランドには大方「定番」というモノが存在します。
そして、何を定番にしていくのかもそれぞれの考えがあります。
そのモノ自体の型が以前から世に定着している場合、または売れたから定番になっていくなんてこともあるでしょうね。

わたしはわたし自身が着たいモノを作っています。
年齢的にも大きく右往左往することもありませんから、好きなモノや好きなテイストも変わることはないでしょう。
しかし、わたしも人間ですから、その都度着たいと思う雰囲気くらいは少し変えたいと思うことはあります。
それはよく言えばブラッシュアップだけど、単に「今の気分」とも言える。

長年定番としてあり続けるであろうRiver Runs Jacket。
ここでも何度かご紹介していますが、素材替えはもちろん、少しずつ変化を加えながら続いている。
変わらないのは、唯一ストーリー。
言ってみればこの定番はストーリーこそが定番なのかもしれない。

この品番も毎年のように作り続けることもそうですが、頭の中にストーリーが植え付けられていったことが定番となった一番の要因だと思っています。
このストーリーの進展だったり、時には過去だったり、いつしかそんなことが自然と頭をよぎるようになった。
常にワクワクしながらストーリーの続きを待ち望んでいる自分もいる。

この春のRiverRunsは70、80年代を経て、90年代に差しかかっていく言わばその未来。
80年代からナイロンという素材が一般的に大きなシェアを持ち、年を追うごとに進化し続けていった背景を重ねています。

わたしが最初にゴアテックスを手にしたのも90年か91年だったでしょうか。マーモットの上下セットアップの赤黄の配色が今でも脳裏に焼き付いている。もちろんタウンユース用ではなく、きっと登山用をそのままインポートされたもの。その価格も確か8万くらい、当時誰も手が出せなかったし最後まで売れずに飾られていた。

わたしにとってこうした80年代半ばから90年代にかけてのファッションには思い入れが深い。
だから、そんなローテク過ぎずハイテク過ぎない時代がちょうどいいのだ。


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