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20130710 「ハハハ、あんたうつ病だよ、完全に」

この話の続きです。


ある日突然起き上がれなくなり、学校に行く気が起きなくなってから2日後、私は母に連れられて病院に行った。訳がわからないままカウンセリングを受けて診察を受けた。その後も数週間おきに病院に行った。

たまたま当たった主治医はケンタッキーのカーネルおじさんみたいな人だった。
病院に行き始めて3回目、体も表情も鉛のように暗く重い私を見てあっけらかんと笑いながらこう言った。

「ハハハ、あんたうつ病だよ、完全に。表情見たらわかる」

はあ、そうなのか。これはうつ病なのか。
それくらいの気持ちだった。

自分が病気だという自覚もなかったし、うつ病というものがどんなものなのかも知らなかった。
だけど、言われていることには納得できた。ああ、私はうつ病なんだ。くらいに。

その後、自分が母に連れられて行く病院が精神科だということを知った。
薬を飲むことを勧められたけど母が高校生に精神科の薬を飲ませるのは怖い、副作用が気になるということで飲まないことになった。
うつ病がどんなものなのか手に入れたスマートフォンを使って調べた。確かに自分の最近の様子に当てはまっていた。

うつ病と言われたけど、それが長い闘病生活の始まりになるとは思ってもいなかった。


ちなみに、あの日の私の表情はうつ病そのものだったと自分でも思う。高校生の私が鬱々とした顔で診察に来たところを想像すると、なんだか微笑ましい。先生が笑っちゃうのもよくわかる。
よく頑張って、頑張りすぎて、ああなったんだよなあ。

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