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ポップにカジュアルに

死のうとしたあの日から、もうすぐ3年が経つ。

あの日を機に何が変わったでもないが、でも死のうとすることはなくなった。死がものすごく近かったあの瞬間から、死ぬことについてふと考えるようになった。
ただひとつだけ、あの日死んでおけばよかったとは、一度も思っていない。

カウンセリングに行くと、「なんでも話していいよ、でも話したくないことは話さなくていいよ」と言われた。私は3年前死のうとしたことをほとんど話していない。

そう、私は数年付き合った恋人と別れた後、カウンセラーに初めて恋人がいたことと別れたことを話したのだが、心底驚かれたのは面白かった。「こう言っちゃ悪いけど、かささぎさんは彼氏がいなさそうに見える」と拍子抜けされた。そう言われたのが面白くて私も笑った。恋人がいること、カウンセリングを受ける上でわりと言っておくべきことにランクインしそうなものだけど、なんだか言う必要もない気がしてずっと言っていなかった。

職場で自分はうつを患っていることを話してもいいし話さなくてもいいなと思うようになった。メンタルの病気を抱えているという理由でリストラされたりしない職場だとわかったからだ。もし話したらどうなるのだろう。私は今比較的1人あたりの負担が大きい部署にいるのだけど、カミングアウトしたら早めにどこか別のところに飛ばされちゃったりするのかしら。

学生の頃は少なくとも週に一回くらいは調子が悪くなり、時々以上しょっちゅう以下くらいの頻度で学校を休んでいた。けど今は毎日仕事に行けている。
母にここ最近はよくなったね、と言われた。働き始めてからだんだんよくなったように感じる。また精神を病んで仕事に行けなくなるんじゃないかと不安で不安でたまらなかったが、否が応でも毎日仕事に行かされる生活が、私には合っていたらしい。きつい仕事にぶち当たると不調を起こしてしまうけど。確かに以前から、なんとなく不調でも少し無理して学校に行ったり外出したりすることで、いつのまにか元気が出ていたことはあった。無理して出かけられるだけの元気があることが前提になるんだけど。

とにかく、この3年間、本当に死にたくなってどうしようもなくなることはなかった。有難いことだ。10代の頃は眠れないとき、どうやって死ぬか考えながら心を落ち着かせていた。今はYouTubeを流しながら眠りにつこうとするのでそれはそれでどうかと思うんだけど、あれこれ考え込んでは文章に起こすような私、まあ毎日楽しく過ごせていればなんでもいいのかもしれない。

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