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2023年1月2日 全国大学ラグビー選手権 準決勝を見て

#スポーツ観戦記

例年だと、必ず準決勝は試合会場に足を運んで観戦するのが、正月の習わしでした。行けなかったのは、インフルエンザに罹ったときと、コロナ禍で無観客で開催されたとき以外は、現地で見ています。自分の意志で今年はテレビ観戦を選んだのは初めてです。
理由は、新国立競技場のラグビー観戦の見にくさと、会場の寒さがあまりにもひどいこと。この二点です。
旧国立のほうがまだスポーツ観戦は傾斜や解放感ふくめて見やすかったです。新国立は傾斜というか、座席が前のほうに行くと目線が下がるけど、フィールドからはかなり遠いので、試合の動きが把握しにくい。その点はもちろん秩父宮のほうがいいわけですよ、専用ですから。また新国立はまず日光が差し込みにくいので、まあ寒い。本当に寒い、底冷えする。寒いのには基本強いのですが、それでも去年、新国立で準決勝を見た時の寒さがしんどくて、よほど魅力的なカードでなければテレビ観戦だなと決めていました。


で、今年のカードを見て、、、、第一試合の早稲田対京産大は面白そうだなと正直に思いました。京産大のオフェンスの強さは留学生パワーもあって破壊力はかなりのもの。ディフェンスの精度はどうかなと思いましたが、早稲田のち密さを超えるものがあったら面白い。
第二試合の帝京対筑波が何とも言えず、行くのをためらった要因。正直、筑波の成長度合いはこの大学選手権に入ってから、充実度は増しているのは感じましたが、それでも帝京との差は大きすぎる評価。対抗戦での試合内容も厳しかったですが、そのあとシーズン深まっての帝京の完成度の高さはちょっと別格。そういう言う意味では、現地で見るにはちょっと試合としての興味が非常に薄れるという感想を持ち、テレビ観戦を決めた次第。
筑波ファンの人、ごめんなさい。そこは正直きびしいという印象は変わらなかったので。

実際の試合ですが、簡単に感想をまとめておきます。

第一試合「早稲田大対京産大」

最終スコアは「早稲田34-33京産大」。この一点差をどう見るかは、結果だけをみるのと、試合を見るのとではだいぶ違うと思います。
言えることは二つ、早稲田はやはり「試合巧者」という言葉が一番はまる伝統校であること、もう一つは京産大は勝てる試合を落としたということ。
スコア以上に早稲田の試合全体へのマネジメントは効いていたし、そして京産大のオフェンスの破壊力は見事だったと思います。試合の分かれ目は、早稲田のとったトライのうち、二本はサイドライン沿いを一気に走られて大幅ゲインからトライを取られているところでの、京産大ディフェンスの雑さとミス。これがなければおそらく早稲田は負けていた可能性が高いが、そのディフェンスの甘さを逃さない対応力が早稲田にあることが大きい。
京産大は早稲田エリアに入ってから、ミスをしてボールが奪われてからの、アンストラクチャー状態で対応が甘く、先ほど指摘したトライもその流れからでした。
逆にオフェンスは素晴らしいパフォーマンスで、留学生の突破力、ボールキープ力はもちろんのこと、他の選手のサポートの速さ、運動量は見事だと思います。最初、飛ばしすぎかなと思いましたが、後半のミスの多さはむしろ焦りから来ている感じでした。非常に良いチームだと思います。
それだけに強みも出せたが、同時に脆さも顕在化してそこをしっかり早稲田に突かれている部分が点数以上に上手さの違いとなって現れてしまったという思いが強いです。
早稲田はプレースキッカー、大丈夫でしょうか?かなり痛めていた感じですが。好ゲームでしたが、やはり力の違いも出た試合だったと思います。

第二試合「帝京大対筑波大」

なかなか厳しい試合だろうということは、最初から予想していましたが、ここまでとはという印象です。
帝京大71−5筑波大
筑波は強みがシーズン深めて向上したディフェンスと、モールだったのでこのあたりが活かせる戦術と守り切ることが前提でしたが、帝京はかんたんにその筑波のディフェンスを乗り越えてきました。
筑波は基本的な対応はできていたと思います。帝京は比較的普通のオフェンスをしていて、決して筑波が雑だったわけでもないと思います。ところがそれでも最終的に崩されてしまう。もちろんブレイクダウンでの個々の破壊力の違いだったり、裏に出されたときの速さの違いだったりと、目につくところもいくつかありますが、それ以上に帝京の精度の高さの違いが大きい。そして10番をはじめとした場面での対応力の高さが素晴らしい。判断力の差でしょう。このあたりは完全にチームとして見ている世界が違うという印象です。ああなってしまうと正直、筑波には対応できる術がなかったです。前半食らいついて接戦になれば、、、、、、と思いましたが、前半でかろうじてワントライあげたことが精一杯。仕方ないでしょう。
帝京はこういう流れでもきちんと次を見据えた準備をできているのも流石だと思います。一度、優勝から離れて立て直しに時間がかかるかなと思いましたが、思った以上に早くチーム力をあげてきて一気にトップチームにするあたり、経験が生む強さを感じます。

決勝の行方

普通に考えて、対抗戦での内容を見ても、帝京の有利は間違いない。8割方帝京かなと思っています。早稲田は帝京のオフェンスをどこまで我慢して、失点を少なくするか?がポイントなのは明白。むしろ早稲田のオフェンスが通じるかが大きい。あとはスクラムでしょう。筑波はスクラムで全く勝てなくて、やれる選択肢が試合最初から狭くなってしまった。早稲田は今年スクラムにある程度自信を持っているでしょうから、そこからの展開がポイントだと思います。
何れにせよ早稲田の持つ対応力が、シーズン深まって良くなっていく中、どれだけ帝京に肉薄できるか?を楽しみに決勝をテレビ観戦しようと思います。


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