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「寂しさを生けよう飲みさしのシードル瓶へ」


拝啓 すずめ園さま


すずめちゃんこんにちわ🐈八月が始まってしまいました‥🎐夏ってだけで目が回りそうです。暑くてぺとぺとだけど、すずめちゃんが元気になったので八月が来てくれて良かったです‥🎶

八月でひだりききクラブは二周年を迎えましたね!㊗️

ひだりききクラブは、わたしがすずめちゃんをひらめきで誘ったことから始まったので、巻き込んでしまって良いのだろうか‥と葛藤もあったのですが、二周年を無事迎えられた事実が全てだと思いました。毎年こんな気持ちになるんだろうなあ。居場所のあること、心地よくて楽しいこと、一番頑張りたい場所なこと、その相方がすずめちゃんなこと、なんで幸せなんだろう‥二年間毎日、ほんとうにありがとうございます。

とはいえ、わたしたちまだ二年なんだ、とも思います。二歳児なんて赤ちゃんだし、きっとまだ伸び代しかない‥!そう信じてこれからも進んでいきたいです🐣


🪄

前回のすずめちゃんの自由律俳句、体調も良くない中無理してないかな‥と不安だったのですが凄い完成度‥ほんとうにお疲れ様でした

・ぶつけた箪笥にチコリータのシール

前回はポケモンが二度登場しましたね。裸足で過ごし、箪笥の角に小指をぶつけてダメージ30くらいになっても、目線の低い所にチコリータのシールがあったら痛いのも和らいじゃいそう。

小さい頃、夏は普通、冬は炬燵になるテーブルの脚にシールを沢山貼っていました。こたつ布団をかけると見えなくなるので、見れるのは春夏限定。この句を読んで、思い出しました。ノスタルジーの可視化‥


・犬軽やかにリンゴ噛む

「好き」や「かわいい」などの褒め言葉が無くとも、犬への愛が溢れ出る、とってもいい句‥🍎
すずめちゃんが飼っていた犬は写真でしか見たことがないけれど、この句を読んで、ご機嫌にリンゴを食べる可愛い顔が見えてきそうです。文字的には、「食べる」を使わず、“かろやかにりんごかむ”と、“か”の音を使っている所も、口に出すと気持ちが良いし、爽やかな印象を加速させています。

ひだりききクラブはすずめちゃんが犬派で、わたしは猫派ですが、句の雰囲気にも犬派っぽさ、猫派っぽさが現れている気がしませんか?句に対するすずめちゃんの視点は、物事を丁寧に受け止める、犬のような賢さがあります。わたしは結構気まぐれで適当で、でも一点を固執して見てる感じは猫っぽいなと思います。

いつか、犬自由律俳句と猫自由律俳句をあつめて本を作ってみたい欲が出てきました‥🐕🐈


・ゆっくりお香に生を宿す

すずめちゃんの句を二年間読んできて、この句は系統の違う句だと思いました。新しいフェーズのような気がする‥

お香立てを買ったことから思いついたのかしら、という第一印象から、句の密度が反比例していて、少しも雑味のない(研ぎ澄まされた意味で)、完璧な句だと思いました。燃える事は命と同じで終わりもあって、それでも炎を灯すのは、ただそこにあるから。生を宿すという言葉はすごく美しいですね‥新たな一面、これからも楽しみです‥🕯


それではわたしも自由律俳句ゆきます❕二年目の始まりです🎊

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青梅ついばむ鳥のまるい骸骨

彼方何処までもレモンイエローの気球で

笑い皺増えて愛が有りました

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自分がどんな大人になるのかなんて想像もできないけれど、将来は笑い皺の多いおばあちゃんになりたいです。流れ星の尾鰭みたいな皺ができたら良いなあ



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疾走中生涯現役旋風

下降します花束は網棚へよろしく




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間違って燻らせた瞼です

雑巾ごときがよく乾いている

死神を車窓に見る

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もしもし、ウォーキング・デッド中のすずめちゃん、わたしは最近ストレンジャー・シングスを見始めたせいで、夜のトイレがちょっぴりこわいです。



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トンビとろんと溶け夏ですから

魂の降っていく蛍池

↪︎

暗闇でふんわりひかるものがすきです。

終業式の日、宮城県の川崎市という所にあるプラネタリウムのパンフレットが配布されるのが恒例で、両親はよく連れて行ってくれました。都会のプラネタリウムに比べればこぢんまりとした施設だけれど、ドームへの道のりは無機質なトンネルのようになっていて、「E.T」みたいだ‥とワクワクしていました。いつ行ってもたのしくって、ロマンチックの原体験だったと思います。一番好きだったのは、宮沢賢治の銀河鉄道の夜を模した夜空でした。

そして帰宅ルートの登米市には、家族お気に入りの蛍スポットがありました。わざと少し遠回りして、プラネタリウムの帰りに寄ったりしました。頭の中に思い浮かべる蛍って、川や池の中にぽつ、ぽつ、と幾つか光があるイメージだけれど、その水辺はわさわさと蛍がいました。そんなにひかったら蛍側はまぶしくないのかな、と心配になるくらい、光って、飛んで、命をもやして、プラネタリウムの人工的な光はすごくかわいいものみたいに感じました。真っ暗な川沿いを父母と兄に挟まれて巡って、ただひたすら幸せな思い出として心の中に灯っています。

最近、小学生ぶりにプラネタリウムに行きました。星座の解説を聴きながら、心がきゅぴるぴと高鳴って、なぜか途端に実家へ帰りたくなりました。プラネタリウムへ抱く気持ちはあの頃と変わらないな、今帰ったら蛍、みれるかな。プラネタリウムを見て自分の目が昔よりも悪くなったのを感じて、少し寂しくなったけれど、あの好きな蛍の川へ行ったら気にならないほど眩しくって、笑っちゃうだろうな。プラネタリウムの帰り道、まばゆい記憶の旅をして、なんだか蛍まで見た気分になりました。

東京にも蛍はいるのでしょうか。見つけたらこっそり教えてください。


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なめらかプリン吸い込むだけの肺だよ

切り取り線柄した日焼け跡をつねる



寂しさを生けよう飲みさしのシードル瓶へ

↪︎

泣いちゃう夜へ
寂しさは無理に捨てないで
やさしい布団はここにある
飲みきれなかったシードルに
狂う程咲く感情を
入れましょう 話はそこから
まだ考えてしまうなら
いっそ思い悩めばいい
好き嫌い、ひとつずつ摘んで
ほどいて 初恋の時みたいに

眠たくなって朝が来たら、ね、
窓のスキマから朝焼けが
さして ひらいて ほころんで
君のこころ 窓になる



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節目を迎える度、自分では気づかなくとも何かしらとサヨナラしている気がします。いらなくなった訳じゃなく、役目を終えて、それだけがさっきまでいた場所に留まっているような。脱皮みたいに、わたしの自由律俳句も変わってきたし変わってゆくのだなあ、と今回並んだ言葉を見て思いました。

寂しさを生けよう飲みさしのシードル瓶へ」は、推敲の余地もありつつ気に入った句です。これまでは、ネガティブだったりダウナーな感情をそのまま伝え、「怒る」「悲しむ」の動詞に宛てることが多かったけれど、ひとつ先に進んでみたらこんなふうになりました。受け入れること、ひとつひとつを丁寧に扱うこと、してみたらフッと軽くなれるかもしれない。感情のほころび的な自由律俳句は、正統派ではないのかもしれないけれど、わたしの得意なものだから、極めたいな、と二周年を迎えて思います🔥

すずめちゃんは二周年目、どんな句を描くのでしょう。とっても楽しみです、ワクワクです🐶

今年も半分過ぎてしまいましたが、た〜っくさんいい事ありますように!がんばります

それではまたね〜すずめちゃん𓅮

にっきより


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📻立川志の輔さんのラジオに出演します📻

文化放送「志の輔ラジオ 落語DEデート」にひだりききクラブがゲスト出演します!まだまだひよっこのわたしたちですが、海のように広い心で、自由律俳句やひだりききクラブの人間性までたっぷり掘り下げていただきました‥貴重な体験をさせていただきました。ありがとうございました🥲


放送日:2022年8月14日 朝7:00〜7:55
番組概要こちら⇒

radikoでもお楽しみいただけますので、是非お聴きください☑️

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次は8月10日 すずめちゃんの番です🎊

『ひだりききクラブ』プロフィール
出雲にっき、すずめ園による自由律俳句ユニット。毎週水曜日にnoteにて自由律俳句の交換日記、「 #ひだりききクラブの自由律俳句交換日記 」を更新している。
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