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佐川恭一「最高の夏」

◆作品紹介

満を持して(?)、anon pressに京都学歴暗黒青春文学の騎手・佐川恭一が登場。石田衣良の某青春大学生小説へのカウンターとして書かれたという本作は、SFではまったくないし、カウンターとして機能しているかどうかもよくわからないが、とりあえずおもしろいことにはまちがいない。ときどき報道されることで、われわれは突如あらわれた〈日常の裂け目〉のように不審者/異常者(とされる人)たちに触れ、狼狽することがあるが、彼らにも人生があり、思想があり、日常があり、彼らはずっとその中でただ淡々と生き続けてきたのだということを、佐川恭一の小説は教えてくれる。キモい人間がいるのは、人間がキモいからなのだ。(編・樋口恭介)

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10,205字
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