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【本】『ハングルへの旅』茨木のり子

 今や韓流ドラマやkpopの影響で韓国語を学ぶ人口は増えている。
冬ソナに始まった第一次韓流ブームには中高年の学習者が多かったが、BTSの人気以来は特に若い世代の学習人口が増え
今や人気の語学となった韓国語。

詩人、茨木のり子さんが書かれたエッセイ『ハングルへの旅』は1986年に出版された本であるから、なんと今年で38年も前である。
この時に茨木さんは10年ほど韓国語を学ばれていたそうなので約50年前ということになる。
当時、隣国の言葉を学ぼうとする人は珍しく世間からも「なんでわざわざ韓国語を?」という反応も多かった事は想像できる。

 茨木さんは、このエッセイに隣国の言葉の魅力をいっぱい詰め込んで、韓国語の学習者(特に若い世代)が増える事を願われた。
時間はかかったかもしれないが、今のこの状況を空の上から見てほくそ笑んでいらっしゃるのではないだろうか?

 かく言う私もその隣国の言葉の学習者である。
外国語の森は深いと茨木さんは詩にも書かれているけれど何年勉強しても迷ってばかり。
そんな時にふと読みなくなるのがこの本だ。
読むたびに新しい気づきがあり、同じ迷える学習者として共感できる。
今読んでも全く古さを感じないのがすごい!

 茨木さんが語るハングルの魅力は無限大で、本当に色々な切り口で楽しませてくれる。
言語学的なことから日韓文化の比較、
生活、風習、旅の話、また尹東柱のことまで。

韓国語を学ぶひとにはぜひ一度は読んで頂きたい私の愛読書である。

ハングルへの旅 茨木のり子(朝日文庫)
現在、新装版になっています

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