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はじめまして、精神疾患くん~病院選び編①~

希望、そして現実………。

photo by AC写真

2009年、3月。高校卒業して、貿易会社に就職したわたしは
希望でいっぱいだった。
周りの友達は大学に進学した子たちばかりだけど、
その分早めに社会に出て、一歩先に大人になってる。

つもりだった。

実際は、早朝から終電まで働きづめ。もちろん貿易事務なんて初めてだし、専門用語が多すぎてなかなか覚えられず怒られっぱなし。
質問するにも、わからないことだらけで何から質問していいかわからず、
毎日満員電車に流されるのと同じように怒涛に一日が終わっていた。
大学に進学した友達や恋人は皆、平日は学校とサークル、休日はバイト。
父も母も忙しく、誰にも相談できる相手がいなかった。

ある日、朝目覚めると突然体が鉛のように重くて起き上がれなくなった。
そうだ、昨日彼氏と別れたんだっけ………。
涙がつーっと頬をつたい、はじめて思った。

「死にたい」と。

はじめての心療内科受診

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死にたい、なんて思った自分に強く動揺したので
その次の休日、Google検索で口コミがよかった心療内科へ足を運んでみることにした。
忘れてはいけないと思い、つらいと思ったことを書いた大量のメモをまとめてきた。
半分プレゼンテーションするかのような気持ちで重いドアを開く。

開院してから長い病院だけあって、院内は診察を待つ患者でいっぱいだった。
古い病院独特の酸っぱい匂いがする。

「初診ですか?紹介状のない方や、ご予約のない方は待ち時間が
 長くなりますのでご了承ください。」

と、まるで機械人形のように一つも表情を変えず、何百回も言ってきたであろう台詞を吐く受付に促されるまま、問診票を持たされソファーに座る。
皆、俯きながら携帯を触る顔は暗い。
わたしもこんな顔をしてるのかな、と窓ガラスに反射している自分の顔を見る。

理解されない気持ち=否定された気持ち

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「あのさん、あのしおんさん。」

座る椅子がない位多くの患者がいた割に、思いのほか早く名前を呼ばれた。
診察室に入ると、カーネルサンダース似の先生が大きなため息をついて席に座っていた。
かなりお疲れのようだ。
わたしはなるだけ簡潔に話そうと、人物相関図と、悩みごとメモを取り出しいざ心療内科デビュー!………

「あのさ、ちょっといい?君、悩みごと多すぎてわからへんのよね。」

話し始めて5分も経たない内にいきなり先生がそうさえぎってきた。
え?、と頭が白くなる。

「とりあえず、悩みごとが生活に支障をきたしてるんでしょ?鬱ってことでお薬出しておくから、それ飲んで経過見てみてください。」

ドクン、と心臓が大きく鳴ったのがわかった。
え?先生って話聞いてくれないの?こんなにつらいのに、話したらいけないの?
先生がキーボードをタイプするたびに「心療内科ですら否定された私」が
椅子の上でどんどん小さくなって冷え固まっていくのを感じた。
そして大量の精神安定剤と睡眠薬を渡され、私の心療内科デビュー戦は終わった。


階段をのぼりはじめた私から、過去の私へ


自己紹介からいきなりヘビーな感じになったなぁ…………(笑)。
この頃はまだ何も知らなくて、Googleの口コミで病院選びをしていたね。

少し階段をのぼりはじめた私からのポイント


・口コミの内容はあくまで書いた人と先生との相性である。
・よって、良い口コミも悪い口コミも鵜呑みにしないこと。

初心者お豆腐メンタルしおんの良かったポイント


・こころの不調をそのままにせず、病院にかかったところ。

ここだけ気を付けてポイント


・初診日の明細書は必ず保管しておくこと。
(後々の~お金事情編~で大切になってくるよ!)

では、どうやって病院を選べばいいのか?今はまだ戸惑っているよね。
それはまた後の病院選び編でわかっていくから、大丈夫。
とりあえず、この時の自分、頑張ったね!えらいぞ、お疲れ様!

あのしおん




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