春になってきたので油かす液肥を作りだしました
こちらは油かすに水を加えて発酵させて作った液肥です。
私の住む湖北地方ではこの発酵液肥のことを昔から「わかし」と呼びます。わかしは漢字で書くと「沸かし」でしょうか。発酵中にガスが発生して沸々と泡立つところからこう呼ばれているようです。
油かすは、菜種や大豆から油を取ったあとの残りかすで、有機肥料として扱われています。肥料成分の窒素、リン酸、カリをそれぞれ約5%、2%、1%ずつ含んでいて、葉を茂らせる効果の高い「葉肥」であることが最大の特徴です。
ただ、油かすはそのまま施すと2~3週間は肥効が出ず、土中で発酵してからゆっくり効いていく緩効性肥料になります。それをあらかじめ発酵させてから用いると速効性肥料となるわけですが、発酵液肥にするとさらに早く植物に栄養を届けることができます。そのスピードは化成肥料の速効性固形肥料より速いというから驚きですね。
私は畑の土質改善のために各種堆肥はかなり入れますが、化成であれ有機であれ肥料はほぼ使わないで作物を作っています。それで充分に大きく育つのですが、どうしても追肥の必要がある時には特効薬としてこの液肥を施します。
さて、この油かす液肥づくりの一般的な手順は次の通り。
2Lのペットボトルに油かす200gと水を満タンまで入れる。(油かすに対して約10倍の水の量が目安)
フタを閉めてよく振り、風通しの良い場所に置く。
フタをゆるめてガスを抜き、再度フタを閉めて静かに放置。
3を時々繰り返し、1ヶ月程して発酵がおさまったら完成。
上澄み液を5~10倍程度に希釈して、葉にかけないように施す。
*かなり強烈な匂いがしますので、部屋の中には置かない方がいいです。
ま、このあたりの農家のおっちゃん達はペットボトルなんか使わずに、蓋付きバケツに川の水をくんできて適当に油かすを放り込んで、そのまま畑に放置して作ってるんですけどね。
さて、即効性のこの液肥はどんな作物にでもよく効きますが、特に葉物野菜に効果が著しく、畝にマルチシートをかけていても、ジョウロで作物の根元に施せて使いやすいところがとても気に入っています。
ちなみに希釈倍率は作物によって違いますが、よくわからなくて不安なら、最初は極力薄めて使ってみると安心でしょう。私は上澄み液を10倍くらいに薄めて使ってます。
でも、液肥は少々やり過ぎても大丈夫です。濃すぎたかな?と思ったら後で多めに水やりをすれば薄まりますし、そもそも固形肥料のようにいつまでも土中にとどまりません。環境にも作物にも、そして初心者にも失敗のない大変優しい肥料なのですね。
臭い強めですけど、みなさんもぜひ!
オススメです。(^^)
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