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僕はイエローでホワイトで、 ちょっとブルー   ブレイディみかこ

アイルランド人の配偶者を持つ著者が、イングランドの元底辺中学校に通う息子の日常を綴ったエッセイ。
息子は、中学校の日常の中で、多様性、格差、貧困、友人へのいじめ等に直面しながら、悩み、成長します。日本に住んでいる私には、考えることのない、答えのない問題の連続で、読んでいてハッとさせられっぱなしでした。

・エンパシーとは何か

『エンパシーとは何か』
11歳の息子さんが通う中学校の期末試験の問題でした。

息子さんは、
『自分で誰かの靴を履いてみること』と書いて満点をもらいます。
自分で誰かの靴を履いてみること、というのは英語の定型表現であり、他人の立場に立ってみるという意味だということ。

息子さんは、
「EU離脱や、テロリズムの問題や、世界中で起きているいろんな混乱を僕らが乗り越えていくには、自分と違う立場の人々や、自分とは違う意見を持つ人々の気持ちを想像してみることが大事。つまり、他人の靴を履いてみること。これからは『エンパシーの時代』」と、授業されたそうです。

今の日本の中学校でこのような授業が行われているのか、私は知りません。
ただ、少なくとも、今の日本で、エンパシーを意識している大人は多くはないしょう。
ましてや、人の立場の違いを非難する大人さえいる。
多様性、格差等の問題にぶつかりながら、どんどん進んでいく若者の底力に脱帽しました。

多様性とは何か。
エンパシーとは何か。
日本に住んでいると気が付かない「世界」を「知る」ことが、多様性、エンパシーを「知る」の第一歩だと思います。

#読書感想文 #ぼくはイエローでホワイトで 、ちょっとブルー #ブレイディみかこ

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