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【人生絶望論】絶望したあなたへの自己紹介

私の言葉を飲んでください。
絶望しているなら、
絶望したことがあるなら。

その絶望は、私とあなたが幸せになることの前兆だと叫び続けるよ。
死にたくなるほど引きずった身体で、助けを求めなければ救われないなんて、世の中は狂っているから。

電子の海へ、悲しみのグロテスクを言葉にして垂れ流す。
それを見てあなたは、自分が独りじゃないのだと知ってほしい。
私はそのために書き続ける。

無造作に傷口で書いた言葉を、ボトルメールのように流せば、きっと、いつかはあなたに届く。

だから、これは、
絶望したあなたへ向けたラヴ・レターです。
私は、絶望を幸福にするための見送り人。
それを言葉でしか表せないただの作家。


1.著者プロフィール(はじめに)

秋 杏樹(あき あんじゅ)
2003年07月17日 生
青森県青森市 出身
筑波大学 比較文化学類 在籍
作家

2021年
X(旧Twitter)にて、小説・詩・短歌などの
文芸作品を投稿開始。

2022年
CAL第1回企画『蒼の悲劇』収録作
「刹那の死神」で作家デビュー。
また、所属大学のミス・コンテスト
『TSUKUBA COLLECTION2022』に
ファイナリストとして出場。

2.自分本体のカルチャーを愛せよ

流行も、傑作も、いつかは過去になって忘れ去られてしまうから。
死ぬまで持続する"自分"というカルチャーを愛して生きていけばいい。

顔面も身体も、経歴、感性も傷と涙も、
あなただけのオーダーメイド。
はみ出しものになって価値が下落したり、
失われたりするのは商業だけだから。
生業では死んでも一等級。

だから私も、醜くて美しいボロボロの身体が
ラブリーなんだ。

私の身体は
先天性骨形成不全症(国指定難病274)。
右橈側列形成不全(右腕)と低身長。
その腕は思春期に"モンスターの腕"と称されて、身体の小ささから小学生と誤解される。

それならモンスターでいいし、永遠の少女でいい。
手術痕は勲章。
ツギハギDOLLも可愛いでしょう。
140cmの身長だって、小動物みたいね。
10回にわたる手術歴と入院歴はロンリネスじゃなくてワンダーランド。

障がい者とか健常者とか、
その概念と区別が公的に必要の無いところまで付きまとうなら、それは差別だ。
ひとつの概念から外れたら何も概念がないなんて、プロパガンダだ。
あなたも私もビューティフルスターだから。

苦しんでいない人間もいない。
醜いと言われたことを呪っていいけれども、それも全てまとめて
自分のカルチャーとして愛せよ。
「絶望」したあなたなら、傷の価値すら解るはず。

3.孤独はやがて花になる

芽となり花となるまでの土は冷たく、日常に雨が降り続ける。
種は暗闇に籠り、土から滲む雨水で身体を濡らして泣いた。
孤独の静けさは、太陽と花が顔を出すまでの沈黙だ。

社会の練習なんて言うけれども、学校は既に完成された子どもたちの箱庭コミュニティ。
そこで大人は"子どもの事情"だと無視を貫いて、時には"大人の事情"を盾に口を縫いつける。

辛いよね。
友だちが居ないのは。仲間が居ないのは。
……孤独は。
9年間の独りの城を私は知っている。
いじめという言葉はぬるく、傷を慰めるには冷たい。
しかし、あれは確かにいじめだった。
義務教育期間の9年間のあれは。
つき落とされた階段の硬さも、掻き出せなかった耳クソみたいにこびり付いた悪口も、すべて、すべて覚えている。

大きな音は鼓膜を破り、
沈黙に帰るような感覚。
そして膜を張った初めからの無音は、手を伸ばす先を遮った。

世界で最大の恐怖は沈黙です。
暴力でも、殺人でもなく、
張り上げた声を無視されたその静けさです。

けれども。
きっと、それは花になる前兆だから。
土から出てくるのをやめないで。
外に出るのをやめないで。
そこから出た先の世界は、見たことの無い光が待っているから。

孤独だったあなたの種は、やがて花になる。
土から這い上がるのはひとりじゃ辛いから、私の言葉で助けさせて。

4.親なんて生き物は存在せず、

『親なんて生き物は存在せず、』に続く言葉を答えよ。
と、問題用紙に書かれていたら。

理科では遺伝子配列を答えて、
数学では身体の面積を答えて、
社会では戸籍を答えて、
国語では人物像を答えて、
英語では First and foremost, personality's an essential part of person. と答える。
最後に、道徳では、一人の人間のみである。と答える。

それが当たり前の世の中になればいい。
親が親でないように、子も子ではない。
一人の人間がそこいるだけ。

そうして全ての人が自由になれたらいいけれども、そうじゃないよね。私たち。
へその緒に束縛されて首を絞められて、宙ぶらりんりん。

でも私は繰り返し、
親なんて生き物は存在せず、一人の人間がいるだけだ。
と言う。
もっと、自由に生きていい。
へその緒に付けられた鬱血痕は、出産と同じくらい痛いんだ。
軽率に言っているわけでも見下しているわけでもない。
生まれてくる胎児だって痛いんだ。

私の両親はどちらも不倫したし、そのくせ離婚しなかった。
それでも仲は悪かったから、毎日ものが飛んだりドアが受けた暴力で家が揺れたり。
その喧嘩を見届けたあとは憤慨する父親と母親それぞれの慰め役になる。
両親の仲を切り裂いた元凶ババアは、ごま煎餅を片手に、両親がみっともないんだと唾を飛ばす。
その唾を背に受ける私には、お前がいなきゃ円満に離婚していただろうに、とほざく。
そのくせ後になって「生まれてきてくれてありがとう」と言われたって、見えているのは価値と値札だけ。

うるせぇ。
First and foremost, personality's an essential part of person.
私は私だ。あなたもあなた。
親はいないし子もいない。
へその緒切ったら一人の人間になって自由になれ。なっていい。

そんな世の中を、私の言葉の世界は綴るから。
自分として生きることに迷ったならおいで。

5.皮膚のない人生は美しい

ここまで歩いてきた身体の皮膚は、もう失われてしまったのでしょう。
コンプレックスを馬鹿にしてきた後ろ指たちに、刺された。
沈黙の風が荒んで、擦り傷だらけになった。
長すぎた家族の爪に引っ掻かれ、膿んで、ただれた。
私たちの身体に、皮膚はない。

神経がむき出しになって、脳みそが裸になって、誰と話そうとどこへ行こうと、何もかもが気になってしまう。
その視線はどこに向いているの。その声色はどんな感情を表しているの。鎧のない戦争のような残酷さに……
痛い、いたい、イタイ、遺体。

皮が剥がれて血だらけなのに、何故か生きているゾンビみたい。
自分の名前が書かれた石を探して、そこに埋まりたがっているような敗北感。
それでも美しいよ。
だって、それは、皮膚もなくありのままでいる素直な少年だから。
その少年に病名がつくのは、幼稚園児の名札みたいな。

私は
「うつ病」って言われたけれど。
「複雑性PTSD」って言われたけれど。
治らないらしいけれども。
あなたには、あなたなりに、
何か告げられたものがあるけれど。
美しいよ。素直さは。繊細さは。

それでも皮膚の無い身体は出血し続けるから、貧血になったら一緒に倒れてあげる。

6.絶望したから幸せになれる

人生は絶望に始まり、
絶望によって人生になるのだ。
人生絶望論。
その傷は、幸福になることの前兆です。
生きてさえいれば。

もっとも月並みに言ってしまえば、それは、雨の後には虹がかかるということなんだけれども。
そんな簡単なことじゃなくて。
でも、生きてさえいれば案外、あっさり幸せはやってきて。
そうして、易々と絶望が手を繋いでいることもあるし、幸せが腕を引っ張ろうとしていることもある。

障がいによって弱者となり、嘲られ、罵られたこともあったが、外の世界はまだ優しかった。
いじめっ子がいる土地から逃げ出して、たどり着いた先の人たちは、私を愛してくれた。
家族の縁の結び目を解いて、対等になれたら、呪いだけは無くなった。
精神疾患の症状に寄り添って、隣に居続けてくれる人がいた。

けれども、
私たちは難しく考えて生きていく。
そして、その絶望は、酸素を奪っていくから呼吸の仕方を忘れていく。

さらには、幸せの掴み方が複雑に思えて、1人で手繰り寄せることは出来ないかもしれない。

そのどちらも知っている。
私は、絶望を幸せにするための見送り人。

もし、私のボトルレターを見つけたら、
拾ってね。

7.活動内容(終わりに)

雑音だらけの頭蓋骨の中を、覗いてくれてありがとう。
全て読んでくれた方も、そうじゃない方も、ありがとう。

あなたも私も幸せになるまで、私は絶対に死ねないし、溺れながらでも書き続けるから、よろしくお願いします。

最後に、活動コンテンツについての告知になります。
ぜひ読んでいってね。

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また生きて会いましょう。

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