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4月15日 からあげクン誕生日

「一番好きなのはからあげなの」

 と、7歳の長女が言えば、

「好きの、からあげなのよ」

 2歳の次女も言う。


 2人揃って可愛い笑顔で言うものだから、平日の夜にも関わらず、私は仕事終わりにせっせとからあげを揚げたのだった。

 長女が7歳の誕生日を迎えた昨日の話。

 お誕生日おめでとう★


 からあげを家で作るのは少し久し振りだったかもしれない。ちょうど今、仕事の繁忙期であり、調理から片づけまでに手の掛かる料理は出来ないでいる。揚げ物を久しぶりに作ったそのせいなのか、作ったからあげも量が多くなってしまった。

「ねぇ、このからあげ、明日もご飯に出して良いかな」

「うん!」

 私が聞くと嬉しそうな顔で7歳になったばかりの長女が言った。良かったと安心して私が食べ進めると、長女が続けた。

「明日は美味しいからあげにしてね」

 な、なんだと!?

 明日はってことは今日のは美味しくないと言うのか。そして今ここにあるからあげがそうでないなら、明日も同じく美味しくないのだがそれはやっぱりまだ7歳でも分からないところなのだろうか。

「えっと、このからあげは美味しくない?」

「ううん、そんなこともないけど」

 歯切れの悪い彼女の返答に若干凹んだ。

 でも、まぁ大体言っていることは分かる。彼女の好きなからあげと言うものがあり、私のからあげはそれではないのだった。ただ、それだけ。別に私の作るからあげが美味しくないわけではなく、決して・・・・・・きっと、うん。そして、長女の好きだと言う、そのからあげは私もよく知っているのだった。

 今日は軽い足取りで帰路を行く。相変わらず仕事はまだ忙しく、今日だってやっぱり予定の電車を一本逃した。けれど私の足は軽いのだった。

「お待たせ!」

 保育園にて、次女のお迎え。次いでそのまま小学校へ向かう。

「お待たせ!」

 学童保育にて、長女のお迎え。

 2人とも楽しかったと嬉しそうに笑って帰ってきた。

「じゃあ、行こうか」

 2人を自転車に乗せ、私はペダルを踏み込み、そこへ向かう。


 いざ、ローソンへ。


「ママ!これも買って」

 ここぞとばかりにおやつをねだる長女。その後ろに、長女の倍の量のおやつを手に持つ次女。

「もー、仕方ないなぁ」

 仕方なくはない顔で私はそれらをぽいっとかごに入れてやる。

 今日はもう夕飯を作らないと決めている。

 近くのコンビニに寄り、夕飯に食べたいものを選んではかごに入れているのだ。ちなみに私と夫は昨日の残りご飯があるのでそれでよい。

 なお、メインは彼女たちのおやつなわけではない。

「レジお願いします」

 かごを置き、お姉さんに会計をお願いした。

「あ、それと」

 もちろんメインの注文も忘れてはならない。

「からあげクンのレッドと、チーズをひとつずつ」

 私が言い、長女の顔が煌めく。


 もう今日は夕飯を作らないので、どうぞ好きなものを食べましょう。


 コンビニからの帰り道、自転車に乗る長女が大きな声で私に言った。

「昨日は大好きなママのからあげで、今日は大好きなからあげクンを食べられるなんて幸せ過ぎる!!」

 私も幸せです。

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【今日の記念日】

4月15日 からあげクン誕生日

株式会社ニチレイフーズと株式会社ローソンが制定。株式会社ニチレイフーズが製造し、株式会社ローソンが販売する人気のからあげ「からあげクン」。その誕生日を記念するとともに、「からあげクン」の美味しさをさらに多くの人に知ってもらうのが目的。日付は「からあげクン」が誕生した1986年4月15日から。

記念日の出典
一般社団法人 日本記念日協会(にほんきねんびきょうかい)
https://www.kinenbi.gr.jp の許可を得て使用しています。



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