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(6)私の世界の見方:ボードゲームで学ぶビジネススキル

こんにちは!大人のためのボードゲームの魅力を伝える「ボードゲームで学ぶビジネススキル」、第六弾です。

今年は梅雨入りが早そうという話もちらほら耳にしますが、そんな梅雨のジメジメも吹っ飛ばす、思いっきり笑えるボードゲームを今回は取り上げたいと思います!

それが「私の世界の見方」。
いわゆる大喜利系のゲームで、お題カードの空欄にぴったりのキーワードをそれぞれ選んで出して、一番お題に"ふさわしい"カードを出した人が勝ち!というゲームです。

ルールはシンプルですが、遊んでいくうちに観察力ストーリー構成力面白がる力、そしてお腹がよじれるくらい笑えるので腹筋も(!?)鍛えられるゲームです。笑

※遊び方知ってるよ!って方は、2つめの見出しのところから読んでみてくださいね。

遊び方紹介:空欄に入れるワードを選んで親の"一番"に選ばれよう!

「私の世界の見方」の箱を開けると、お題カード("私の世界"カード)と、アイテムカード("それ"カード)がたくさん入っています。

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まずアイテムカードを1人12枚ずつ配り、手札として持ちます。

準備ができたら親プレイヤーを決めて、最初のお題カードを1枚引いて読み上げます。
たとえば…

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私のお婆ちゃんがツイッターでつぶやいた。ー〇〇なう。

この〇〇に入る言葉を、親以外のプレイヤーは手持ちのアイテムカードの中から考えて、1枚ずつ裏向きにして出します。

全員出したら、山札のアイテムカードからも1枚加えて、誰がどれを出したかわからないように混ぜます。

そして親プレイヤーはアイテムカードをめくり、その中から最もお題に"ふさわしい"と思うカードを1枚選びます。

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選ばれたプレイヤーは、得点としてお題カードを獲得します。

もし山札から出したカードを選んでしまった場合は、親プレイヤーはペナルティとして、持っているお題カード(得点)を1枚返します。

そしてアイテムカードを補充して、続けます。

ゲームは、4人プレイの場合は誰かがお題カード(得点)を7枚ゲットしたらその人の勝利で終了です!(何人プレイかによって枚数が違います)

詳しくはこちらのサイトをご参照ください。

私の世界の見方で学ぶビジネススキル①:観察力

このゲーム、一度やってみると、シュールな回答から秀逸な回答までさまざま出揃うので、結構笑えて盛り上がります。

しかしこのゲームが難しいのは、「自分ではこれが一番面白いでしょ!」と思うカードを出していても、選ぶのは毎回そのターンの"親"というところ。

つまり、"親"の世界の見方によって、勝利が決まります。
「私がルールだ!」ってやつですね笑

そこで、他の人が親になったときにそれぞれどんな傾向のカードを選んでいるか、よく観察しておくと選ばれやすいカードを出すことができるかもしれません。

シュールで思わず「なんで?」とツッコミたくなるようなワードが好きな人もいたり、「これは狙いにきたな」という王道ワードを好む人もいます。

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もちろん全会一致で「これは秀逸!」となるものもあるので、そういうときは勝てませんが、相手の傾向を把握して、自分の好きなものではなく相手の好きなものを考えて提示する、ということが意外と試されるゲームでもあります。

これはどんなビジネスでも共通する基本の考え方だと思いますが、わたしは特にデザインの仕事に関わるときに「相手の必要としているものは何か」を意識します。

よく「アートとデザインは違う」と言われます。

わたしはデザインについて深く語れる素養はありませんが、個人的な理解としては「使う人が求めていることを達成しやすくする機能を持っていること」がデザインの特徴だと捉えています。

自分の好きな作品を作るだけなら、それはアートです。それを評価してお金を出してくれるファンがいれば、芸術家として仕事が成り立ちます。

でも広告関係のお仕事で"デザイン"をするときは、自分の好きなものではなく、クライアントや、そのクライアントの商品を好むユーザーが求めているものをアウトプットする必要があります。

当たり前のことではあるのですが、日々の業務に追われると、つい本来の目的を忘れて自分の好みのテイストに寄せてしまいそうになることもしばしばあります。(デザイン関係だとは特に…)

……自分好みの方が、自分が自信を持って「良い」と思えるからかもしれません。

著名なクリエイティブディレクターなど指名で仕事が来る人は、その人のカラーを期待されて依頼が来るので、ある程度自分の好みを反映してもよいのかもしれませんが、そのような頼まれ方は稀です。

たとえば佐藤可士和さんのような方は、常に「その人ならではのカラー」を期待されていると思いますが、それでも「使う人(クライアント)」のことを一番に考え、求められていることを鮮やかに解決するデザインを提示されています。

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佐藤可士和展に行きそびれてしまったので…可士和さんがプロデュースされたカップヌードルミュージアムの思い出(だいぶ賞味期限切れてる笑)

このゲームでポイントとなる「"選ぶ人"の世界の見方」を把握し、求められているものを提示するスキルは、ビジネスにも通じる大切なスキルだなと改めて感じました。

ちなみにこの"求めているもの"は、"選ぶ人"自身もまだ自覚していないこともよくあります。

そういう意味で、直球で言われたことを提供するだけでなく、実は潜在的に求めていたことを読み解いて提案できるのが、一番付加価値の高い提案になるのではないかと個人的には思っています。

私の世界の見方で学ぶビジネススキル②:ストーリー構成力

このゲームのお題は、だいたい1〜2行で書かれているので、ひとつひとつに「ストーリー」と言うほど深い背景まではおそらく設定されていないと思います。

なのですが実体験として、これまで一緒に遊んだ友達の中でこのゲームに一番強かったのは、日頃さまざまなショートストーリーを考えて生み出している、CMプランナーの友達(コンテくん)でした。

彼は日々、15秒や30秒といった短い動画の中で、より印象に残り商品やサービスの魅力を伝えるためのCMをいかに構成するかを考えています。

その短い時間で全ての設定は語られなくとも、登場人物の性格や置かれている状況、他の人物との関係性などが根底にある上でストーリーを構成して、一番伝えたい部分を印象的に切り取って、映像として表現しています。

それを見た人は「この人はもしかしてこういうことがあったのかな、だからこの商品(サービス)を買ったのか」と気づき、「自分も同じ悩みを持っているから、役に立つのかもしれない」と共感します。

CMではありませんが、彼が書いているPR漫画の考え方がnoteの記事でも書かれています↓

"私の世界の見方"のゲームでも、見る人の想像力を膨ませる面白いカードを的確に選んで出すので、どの人が親になっても勝率が高かったです。笑

彼曰く、ゲームのコツは以下とのこと。なるほど!

人が面白いと思うものって「既知と未知の間」って広告では言われてて、既存のものは飽きられるし、まったく新しいすぎるぶっとんだものは引かれてしまう…。
なのでこのゲームでいうと、あまりにも関係がなさすぎるぶっ飛んだ回答すると読み手が「面白いかもだけど、、最終的には選びにくい…。」ってなるので、ある程度既知の部分(少し関係ありそうな要素)を入れると選びやすくなる、というクライアント視点で考えたら、あのゲームで無双できたって感じです笑。

短いお話の中で、"親プレイヤー"の「既知と未知の間」を狙って「気づきを与えるストーリー」を作る力が、このゲームでも発揮されていたんだなと改めて気づきました。

逆に言えば、このゲームでたくさん遊べばそんなストーリー構成力も磨けるかもしれません。(そうやっていつも遊ぶことを正当化する私です。笑)

私の世界の見方で学ぶビジネススキル③:面白がる力

そしてこのゲームを最も盛り上げるのは、"面白がる力"です。

「笑い」の感情はかなり直感的で、何か思考してから「ふむ、これは面白いですね」となるわけではなく、パッと何か言われて瞬間的にギャハハ〜と笑うことが多いですよね。

でも何かを"面白い"と感じるためには、ベースになる知識や共通認識も必要です。

わたしは芸人のすゑひろがりずさんがやっていた、あつまれどうぶつの森のゲーム実況がとても好きなのですが笑、

あのゲーム実況でも島移住パッケージのことを「島流し」と呼び、「ここで幕府を開こうぞ!」と全く違うゲームに勝手に仕立てているところが面白くて、毎回笑いながら島の開発を見守っていました。

まだ見てない人は1話だけでもぜひ笑

これが面白いのも、小学校(中学校?)の歴史の授業で「島流し」や「幕府」について教わり、その基礎知識があるからこそ。
それを絶妙にゲームと組み合わせているから、直感的に笑えてしまうんですよね。

何かを「面白い」と感じるのは、無意識にそれを「面白がる力」を持っているからなのではないかと思います。

私も仕事で企画を考えるときに、みんなで持ち寄った案を「どう面白がるか」をなるべく意識してブレストなどを行うようにしています。

ブレストの場を、最初から"誰が見ても面白い案"だけを残して切り捨てる場にしてしまうと、急にオーディションのようになり空気も重くなってしまいます。

そうではなく、「この案はこう捉えたら面白いかも」を探す場として、参加者がなんでも「面白がる力」を発揮するように心がけると、意見交換が活発になり、いいブレストができます。

今回のゲーム「私の世界の見方」でも、出されたアイテムカードをどう面白がるかを考えながら遊んでいると、面白いと思えることの幅が広がっていきます。

もちろんアイデアを研ぎ澄ましていくことも大切ですが、まずは食わず嫌いせず、なんでも面白がってみることで、自分の思考パターンや行動パターンから抜け出してみるのも、ビジネスや日常生活で役立つかもしれません。

まとめ:笑う門には福来たる!

そんなわけで今回もかなり長くなってしまったのですが、「私の世界の見方」を切り口に、今回は特に私の本業でもある広告関係の仕事で必要とされるスキルについて語ってみました。

もちろんこのゲームで遊ぶときはそんな深いことなんて考えていなくて、超くだらないことで爆笑しながらわいわい盛り上がっています。

大人数でも遊びやすいゲームなので、(今はあまりできませんが)飲み会などの出し物としてもおすすめです。

ただ、日頃楽しんでいるゲームがなぜこんなに面白いんだろう…と分析してみると、意外とこれってビジネスにも生きるんだよな…と思うことが多く、こうしてシリーズ化して書いてみようと思い、ちまちま記事を更新しています。

なかなかまだ記事づくりに時間がかかってしまうため、頻繁には更新できていないのですが、またときどき読んでいただけたらとても嬉しいです。

ではでは、次回の「ボードゲームで学ぶビジネススキル」もお楽しみに!

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