フランス映画で、わがままな自分を許される。

ここ数ヶ月、
バタバタしていて

なかなか映画を
観に行くことができなかったが、

今日、久しぶりに観ることが叶った。

今日見たのは、
ソフィー・マルソー主演の

『すべてうまくいきますように』
(原題: Tout s’est bien passé
原題は過去形になっているのが面白い)

歳老いて病に罹った父親が
「尊厳死(Mourir dans la dignité)」を望み、

反対しながらも、
頑固として意志を変えない父親の
最後の願いを叶えるために動く、
主人公のEmmanuèle。

悲しいテーマながらも、
死に向かうにつれ、
元気になっていく父親の姿により
悲壮感はそれほどない。

どんどんと平均寿命が長くなっている今、
「死」のあり方も多様化してきている。

「死」とは悲しいものではないのかもしれない。
そんな思いにさせられる映画だった。

さて、
この映画の話はここまで。

今日は、
フランス映画について書きたい。

フランス映画を観たあと、
普段よりも、

自分自身に対して
ポジティブに感じられるのは、
なぜだろうか。

正直、フランス映画に
ハッピーエンドは少ない。

失恋だったり、離婚だったり、
人の死だったり。

いつも悲しい終わりが多い。

だけど、なぜか
前向きな気持ちにしてくれる。
フランス映画は
「どう生きるか」

考えされられることが多い。

日本では、

子どもや仕事、パートナーを
第一に大事にしていて、

自分自身についてはその次

というのが
当たり前になっている。

自分の感情のままに、
自分勝手に動く人は、
日本では嫌われがちだ。

ただ、
フランス映画に登場する人物たちは皆、

「自分自身」を
大事にしている。

『最強のふたり』より

穏やかだった人が急に怒ったり、
泣いたり、突然いなくなったり。

もしくは、
憎しみが急に愛情に変わったりと、

喜怒哀楽が、理解できないくらい
激しいことがある。

『ココ・アヴァン・シャネル』より

だけれど、それは、

登場人物たちが
それだけ自分の気持ちに素直に
生きている証拠だ。

自分のために怒ったり、
泣いたり、愛したり。

感情が忙しく、
追いつかないこともあるが
それがフランス映画なんだと思う。

だから、私はいつも
フランス映画を見終わった時、
観る前よりも、自分のことを好きになれる。

例えば、
「最近働きすぎで、休みたい」と
思ってしまうことは


日本の価値観から見ると、
わがままな人で、

仕事がある分ありがたいから
感謝しなきゃ、と自分を抑え込んでいる。

だけど、フランス映画を観ると

普段頑張っているのだから、
長期休暇をとって

思いきりバカンスを満喫するのは
当たり前なんだと

そう思わせてくれる。

『悲しみよこんにちは』より

自分の感情に忠実だな、
と思う。

「我慢しなくちゃいけない」
と思っていることが

フランスでは、
我慢しなくてもいいこと。

素直に感情を出して、伝えてもいいのだと
教えてくれるのだ。

だから、普段、自分のことを
「甘えている、ダメなやつ」

と思い、
押さえつけていた本来の感情を

「大丈夫、当たり前さ」
と許されているように感じる。

最近、うまく行かないことも多く、
がむしゃらに動いたり
頑張って動いてカバーしようとしたりと

我慢もたくさんしていたけれど

フランス映画の登場人物たちのように
もっとわがままでいてもいいんだ、
と思う。

『すべてうまくいきますように』
死が近づくにつれ、元気になっていくアンドレ。

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