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フランスの自由、日本の勤勉

フランスにいると、世界って、
意外とテキトーでも回るものだなあ、
ということに気づかされる。

私は日本生まれ、日本育ちの
純日本人。

アンヌという名前で
インスタに登録してしまったせいで、

フランス人なんじゃないか、
いやいやハーフなんじゃないか、
(という論争が実際にあったかはともかく)

など色々思われていのだけれど、

両親は私が産まれるまで
海外に一切縁がない、
日本的な環境で育てられてきた。

そういうわけで、これから私が語るフランスは
普通の日本人から見たフランスの印象だと思う。


初めてフランスへ行った時。

フランスという国には

テキトーさと自由さ、怠惰さ、
一方で、几帳面さ、

そして、伝統やルールを重んじる部分が
同時に存在しており、

その絶妙なバランスに驚いたわけである。

(もちろん、そうじゃない人もたくさんいる。
 文化や歴史も含めた、
 あくまで全体的なイメージ)

役所の仕事は驚くほど遅く、
1つの書類が通るのに、
1ヶ月、2ヶ月かかるのは当たり前。

家を借りる契約寸前まで行ったのに
「やっぱり別の人に貸す」とドタキャンされ。

ある会社に問い合わせのメールを送ったのに、
返信が返ってきたのは

3回目の催促の後で、
その時にはもう手遅れになっていたり。


などなど、フランスのテキトーエピソードを集めると
とんでもない量になってしまうので、
これくらいにしておくけれど

とにかく、
日本ではあり得ないことだらけ。

仕事の面以外では、

しんと静まりかえった地下鉄の中で
突然叫び出す人もいれば、

お金をくれと声をかけられ、
断ると「下手くそなフランス語のくせに!」と
逆ギレされる。

バスで隣に座ったお婆さんが
自分の息子が日本に行った話をしてくれたり。

日本の「常識」では、
あり得ないことだ。

日本の社会には、
まず「常識」というものが
目には言えないが、確かに存在しており、

私たちは、その「常識」というものから
はみ出てはいないか、確認しながら皆生きている。

一方、フランスでは
日本の「常識」というものを、

やすやすと越える行動を
たくさん目にするのだった。

日本で何十年もかけて
作り上げていた、私の中の「常識」というものが
一瞬で、音を立てて崩れていく。

それがフランスという国。

いい意味でも、
悪い意味でも、ショッキングなことがたくさん。

いいことの例を挙げると、

フランスの地下鉄の階段で
重いスーツケースを運んでいると

ほとんどの確率で
誰かが助けてくれて

知らない人でも
目が合うと
ニコッと笑ってくれる人もいて
キュンとしたりとか

電車がいつまで経ってもこないときは
周りの人と情報共有をしたり。

大変なこともあるけれど、
助けあっていくことが当たり前の社会。

自由なフランスの風により
日本という国の
しがらみから放たれ、

そのままフランスに住んでしまい
帰ってこない人もいれば、

私のように、
どうしても馴染めないところもあって
日本に帰ってきてしまう人もいる。


短期間フランスへ行くと、
良い面だけ見えることも、

運悪く、
嫌な面だけ見えてしまうこともあると思う。

それだけで、
フランスが大好きになったり、
嫌いになってしまう人もいる。

私のインスタを見た人には
「アンヌさんって、フランスが大好きなんですね」

と言われることがよくある。

そう言われると、いつも
「うーん、どうなんだろう」
と考えてしまう。

良い面もたくさん知っているが、
嫌な面もたくさん知ってしまっている。

だから、それらを全て含めると
「大好きです!」と間をおかず
答えることができないのだ。

でも、どれだけ大好きな人にも
嫌な面があるのだから、

そう思えば
「大好き」と言ってしまっても良いのかな。

何せ、フランスを知ってから
9年以上も、
フランスについて追っかけているのだから。

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