不便さを愛す
フランスから日本に帰ると、
日本って便利だなあ、すごいなあ
と毎回、思う。
それは
すごくいいことだと
ずっと思っていた。
でも、今回は、
ちょっと違う。
とふと思った。
私は2回、
フランスに留学したけれど
フランスでの生活では、
困ることがたくさんだ。
例えば、パリの駅には
エレベーターや
エスカレーターがないから
スーツケースやベビーカーは
持ち上げなければいけない。
ほとんどの日本人はそれを聞くと
「不便すぎない?困らないの?」
というけれど、
実際は、
あまり困らない。
なぜなら、
通りがかりの人が
手を貸してくれるから。
スーツケースをゼエゼエ
持ち上げていると、
たいてい、
サッと手伝ってくれる人が現れる。
そこで、
「ありがとう」「頑張って!」
とコミュニケーションが生まれ
人の温かさに、気付かされる。
人と人が助け合って
生きていくのが、フランスという国。
不便なことも、力を合わせて
解決していく。
一方、先日行った東京は
とても便利で、
ストレスを感じさせないくらい
快適だった。
電車を降りれば
目の前にエスカレーターがあり、
無意識に誘導される。
東京にいる間、
階段を歩かされることはなかった。
だから、
生きた心地がしなかった。
都会の歯車になったような。
ただ、人の波に押し流されて
生きているような。
便利すぎる世の中は
人から生きる知恵や、
考える力を奪っていっているのかもしれない。
フランスの人たちが
自分の意見をしっかりと持っているのは
そうしないと
生きていけないから
なのかもしれない。
コンビニは、
日本の便利さを凝縮している。
24時間やっていて、
夜中にお腹が空いた時や
トイレに行きたくなった時
どうしようも無くなったら
駆け込める。
でも、フランスにコンビニはない。
スーパーは
20時には閉まって、
土日もやっていないことも多い。
(都会は土日もやっているところも
増えてきたけど)
トイレも、
基本的には外には無いので
レストランや美術館にいるときに
行っておくようにしたりと
工夫をしないと、かなり困る。
フランスのサンスという
小さな町に
泊まっていた時、
金曜日の夕方、
土日の食材を買うために
慌ててスーパーに駆け込んだ。
最近、都会だとだと
22時くらいまで、
土日も開いている
スーパーがちょこちょこあるのだけれど
フランスの地方は
まだまだ不便だ。
でも、この不便さに
「生きている」という感じがする。
ぼーっとしていても
なんとか生きていける日本。
このままでいいのかな?と
焦りを感じる。
そんな時、
この本に出会った。
私の人生に影響を与えているのは、
大体、ヤマザキマリさんの本なのだけれど
イタリア・サルデーニャ半島にある、
とある町が出てくる。
そこはとても坂が急で、
年寄りが住むには考えられないような
不便な町。
なのに、そこ住む人たちは
元気に、100歳以上生きるらしい。
不便って、
そんなに悪いことなのだろうか?
ずっと日本の便利さが
好きだったけれど、
今回の帰国から少しずつ、
不安に感じ始めている。
このままでいいのだろうか?
どんどん便利になっていく世の中では
難しいことだけれど、
不便さも愛して、
生きていく必要が
あるのかもしれない。
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