音楽と記憶とわたし
遡ればいつからだったろう。
音楽が当たり前に側にある生活は。
わたしは記憶力がそんなに良い方ではない。子供の頃の記憶なんて殆ど覚えてないし、周りの人たちが例えば3歳の頃の記憶がある、と言うととても驚く。なんなら2日前の晩御飯何食べたっけ?と言うくらいのレベルである。わたしの記憶容量は一体全体どこへ行ってしまったのか。
そんな貧弱な記憶力だが、何故か音楽だけはよく覚えていて、小学生で習い始めてすぐに挫折したピアノの音だったり、吹奏楽部で吹いた曲だったりは色褪せることがない。音楽にリンクした記憶であればある程度思い出せる。まぁ約40年間も生きてきて、自分の子供の頃の感性だったりとか、感情だったりを思い出すのはとても難しい。断片的に音楽と紐づいていたら、思い返せるかな、程度である。
この貧弱な記憶力に台詞を定着させて、何とか舞台に立っている自分を褒めたいと思う。ただ、本番が過ぎると一切合切忘れる。終わった途端にポイっとするように、自動的に投げ棄てられる。だから本番が終わったらわたしの役名何だったっけ?レベルになる。
舞台の台詞は一瞬で忘れるのに、音楽は一度記憶するとなかなか忘れない。カラオケで友達がよく歌う歌なんかは、原曲を知らずにでも歌うことがある。自分の演奏したことのある曲は、イントロでわかったりすることもある。それだけわたしは音楽が好きなのだろうか。ただ、音楽を聴くことは好きだが、残念ながら歌が上手くない。上手くもなく下手でもない。中途半端に音感はあるから厄介である。歌が上手かったら人生もっと楽しかったろうし、ミュージカルにも出れたかもしれない。そんなことを思いながら。
最近は年明けに観た舞台、ボディガードでファンになったサックスプレイヤーのジュンジマンさん(Juny-aさん)のCPPというミニアルバム(?)の曲をリピート。セクシーな音だったり、ムーディな音だったり、キラキラ切なかったり、情熱的だったり。色んな景色を想像できる美しい音楽だ。3、4回聴いたら、もう仕事中に脳内再生されるくらいである。ジュンジマンさんはボディガードではフルートとの二刀流で、めっちゃカッコいい!と感動したのだが、実はクラリネットもパーカッションもできるらしい。神様に愛された音楽家だ。サックスとクラは似てるからわかるんだけど、フルート!!ってなった。どっちもプロ級に吹けるってすごい。
わたしはハイスクールの時、サックスとホルンやってたのだけれど、学生レベルだし。音楽で飯を食うって考えが一切なかった。多分才能もそんなになかった。サックスは6年続けて、高校卒業して終わり。そこからサックスは部屋の中に鎮座するだけの箱になったのだ。あの頃もっと真剣にやって、吹奏楽団とかで続けたらよかったのにな〜なんて。タラレバだけれど。よく考えたら、マーチングバンドで曲を覚えて、演奏しながら動くというムーブをやっていたから、あの経験が今の芝居に活かされているのかもしれない。相変わらず音楽を覚えるのは早いけど、台詞はサッパリだ。
あとはやっぱり藤井風。好きだ。Graceも良い曲。藤井風は本当にストレートな感情表現と独特の言い回しが本当に好きだし、中毒性が高い。いつかライブに行きたいなぁなんて思いながら。
色んな音楽を聴くと、色んな時間を思い出せる。これからも、わたしの記憶のきっかけは音楽だろうから、できるだけ思い出すために聴こうと思う。ちなみに人生で1番ハマったのはBackstreet Boysだったりする。長くなるのでこの話はまた、別の機会に。
Anne
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