Anne Ella (アンネ・エラ)

好きな西部劇への愛を。

Anne Ella (アンネ・エラ)

好きな西部劇への愛を。

最近の記事

ブリキの星は、重いか軽いか

●真昼の決闘  あの男が、町に帰ってくる。5年前に絞首台送りにした、あの男が。「俺を絞首刑には出来ないさ。戻って、おまえを必ず殺す」(You never hang me. I’ll come back. I’ll kill you.)という自らの言葉通りに。  男が刻一刻と汽車で町へと近づいている間、何も知らない保安官ウィル・ケーンとエイミー・ファウラーは結婚式を挙げていた。ウィルは、フランク・ミラーとその仲間たちによって荒らされていた町に平和をもたらした功労者だ。5年前

    • 2人が出逢った瞬間から

      ●ヴェラクルス  南北戦争の終結後、アメリカからメキシコへ、元軍人や傭兵、無法者たちがなだれ込んだ。彼らは混乱に乗じて一儲けしようと考えていた。メキシコは、ナポレオン3世の要請により、ハプスブルク家のマクシミリアンが皇帝として統治していたが、この傀儡の帝政に対して革命軍による反乱が起っていたのだ。  時代のうねりの中で、アメリカ人のベン・トレーンとジョー・エリンは出逢った。そして反目しながらも、報酬のために行動を共にするようになる。  彼らは、革命軍と皇帝軍の報酬を天秤に

      • 「怒らせてはいけない連中を怒らせた」

        ●アメリカン・アウトロー  時は1865年4月、南北戦争に南軍ゲリラ兵として参戦していたジェシーとフランク・ジェームズ兄弟は、仲間たちと共に大いに暴れまわっていた。  しかし、リー将軍率いる南軍が降伏して、戦争は終結したことを知る。彼らの想いは1つ――故郷ミズーリに帰ること。  久しぶりの我が家では、ジェームズ兄弟の母が温かく迎えてくれたが、彼らの土地は危機に瀕していた。鉄道の敷設予定地にある農場は、全て鉄道会社が強引に買い占めを行っていたのだ。  自分たちの土地を守る為、

        • 「俺みたいになりたいのか? 俺になりたいのか?」

          ●ジェシー・ジェームズの暗殺  ジェシー・ジェームズは恐ろしい。揺らがない瞳で対象を見据え、急に笑い出したかと思えば沈黙する。子ども達と無邪気に遊ぶ一方で、容赦なく人を殺す。果たしてどのような人物だったのか――西部開拓時代のアメリカに、その名を轟かせたアウトローは。  本作は流れゆく雲の映像から始まり、全編を通じて移ろう空の描写を多用しているが、ジェシーの心も、急激に変化する空のようだ。周囲の人々は、ジェシーの言動によって時に追いつめられ、憔悴していく。そして何よりもジェ

        ブリキの星は、重いか軽いか

          はじめまして

           ご覧いただきありがとうございます。アンネ・エラと申します。  祖父の影響で西部劇が好きになり、備忘録として感想を書き綴ってきました。平成生まれなので、物心ついた時には西部劇はあまり製作されなくなっていましたが、幼い頃から私の心をとらえて離さないジャンルです。年代の新旧を問わずに、ゆっくりと楽しみながら鑑賞しています。  このnoteには「観て良かったな」「この作品に出逢えて嬉しい」と感じた西部劇のストーリーや感想を、少しずつ投稿していこうと思います。個人的なものではあり