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小暑と、七夕と、飾り棚

小暑のとき。

一年を二十四に分けた季節の連なり、二十四節気を追いかけて。7月7日から二週間の季節を小暑といいます。

七夕

空から降ってくるほどの満天の星を見たことがありますか。梅雨空で、見えないことが多いですが、乳をこぼした跡ともいわれる天の川の、きめこまかな星の群れは、夜空にきれいにかかります。天の川をはさんで、こと座のベガが織り姫の星、わし座のアルタイルが彦星の星。雨で川を渡れないときは、鵲に乗って、ふたりは会いに行きます。

別るるや夢一筋の天の川 夏目漱石

白井明大 著 「日本の七十二候を楽しむ」p96より


白井明大さんの著書にこんな記載がありました。今年は異例の早さの梅雨明けで、雨で川を渡れなかったら?なんて心配することはなかったですね。



七夕の節句、別名星祭り。

水引で結ぶ、七夕飾り


今年の七夕は、笹を水引でつくり、薄くてパリパリする繊細な薄葉紙で吊るし飾りを作りました。吹流しは白く細い水引で。

息子が、東京の真ん中で、空を見上げて目をキラキラさせながら「今日は天の川見えるかなー?」って聞いてくる。なんだかいたたまれなくなって、私が物寂しい顔をしていたのか、「ママなんで元気ない顔してるの?今日は七夕祭りだよ!」と五歳男児。

私が幼い頃、淡路島で暮らしていた環境とは全く違う都心での暮らし。体験させてあげられないことがたくさんあるのは分かっているし、都会には都会のいいところがあるのも十分理解しているけれど、やっぱりちょっと寂しい気持ちになる。



息子が保育園で作った織姫さま彦星さまと一緒に


少しでも、日本の四季の豊かさや、行事や歳時事を今の暮らしに取り入れられたらと思い、季節のものを置ける、飾り棚をお迎えしました。実はずっと欲しかった。

念願叶ったこの棚は、必要最低限の家具しか置かない我が家のリビングで、唯一実用的ではない家具。削ぎ落とされたシンプルでミニマルな今の暮らし方の中に、そっと余白を置くような存在です。
季節の植物を飾ったり、日本の行事にまつわる物を置いたり。四季の巡りに合わせた和のことを共有しながら、子供達と、色々なことをお話ししたいなと思っています。

そして、毎年毎年同じようにやってくる行事を、家族で繰り返し楽しむことで、思い出づくりをするとともに、季節、自然、日本人の精神性や営みを感じ、自分達の暮らし方を見つめながら、自分にとっての豊かさを子供たちが見つけていく助けになればいいなと思っています。


ヴィンテージの飾り棚は 大阪和泉のantryさん( @antry_inc )、新調した一輪挿しは、先日SENN( @senn_journal )の展示会でお迎えした、鴨工房さん( @kamokoubou_yatsugatake )のものです。水引が映えてとっても素敵。これからたくさん使おうと思います。



水引作家・講師  田中杏奈
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