「蒼い神様とピンクの神様」第3話お腹にはいってるのはなあに?
蒼い神様 ねえねえ、あなたのおなか、ちょっと触ってみてもいいかしら?
ピンクの神様 うん、いいよ。でも、なんで?
蒼い神様 触ったらどんな感じなのかなあって思って。
ピンクの神様 僕は自分のお腹だからよくわからないなあ。
蒼い神様 どんな感じなのかなって、私いつも想像してたのよ。ふわっとしてる?ぷにっとしてるの?それとも、かたいのかしら?
もっちりしている?それとも水が入ってるような感じかしら?想像してると、とっても楽しいわ。それだけで一日過ぎちゃうこともあるわ。想像図もかいてるのよ。
「お水が入っていて中で金魚が泳いでいる」、「綿菓子のようにふわふわして、入道雲のようになっている」、「マシュマロのように真っ白で、甘い香りがする」、「クッションのビーズのようなものが入っていて、さらさらーと音がする」。
ピンクの神様 君はおもしろいね。いろんなことが知りたいんだね。
蒼い神様 そうなの!私、気になるとなんでも知りたくなっちゃうし、確かめたくなっちゃうの。考え出すと、気になって、眠れない時もあるわ。
ピンクの神様 それじゃあ、さわってみていいよ。
蒼い神様 ほんと?!うれしいな。じゃあ、さわってみるね。そーーっと。
ピンクの神様 どんな感じ?なんだかくすぐったいなあ。
蒼い神様 あら、とても温かいのね、あなたのお腹。あまりの温かさに手が離せなくなっちゃったわ。湯たんぽみたいだわ。何だろう?この感覚。今までに感じたことがない感触だわ。今、私、表現する言葉が見つからないわ。
ピンクの神様 不思議だなあ。君がてのひらをおなかに当ててるだけなのに、僕まで温かくなってきたよ。なんなのこれ?
蒼い神様 そうだった!私は手のひらから特殊なエネルギーを発するんだったわ。このエネルギーはね、体を癒す効果があるのよ。そしてね、中にあるものがなんとなくわかっちゃうの。センサーのような働きがあるわ。
ピンクの神様 へー!それで僕のおなかには何が入ってるの?
蒼いい神様 そうね、ちゃんとわかるにはもう少し時間がかかるわ。しばらく手を当ててみるわね。
ピンクの神様 何が入ってるんだろう、僕のお腹?楽しみだな!
蒼い神様はピンクの神様のお腹の温かさに、そしてピンクの神様は蒼い神様の手の温かさに、気持ちよくなってしまい、いつしか二人は眠ってしまいました。
そして、二人がハッとして目覚めた時は、鳥がチュンチュン鳴いて、朝がきていました。
蒼い神様 あら、私、すっかり眠ってしまったわ。とてもいい眠りだったわ。まあ、ピンクちゃんまで寝てるわ。ねえ、もう朝よ。ピンクちゃん、起きて~。
ピンクの神様 ふわーぁー!(あくび)、よく寝たなあ。僕ったら、いつのまにか寝ちゃったみたいだね。君におなかに手を当ててもらっていたら、温かくてつい眠ってしまったよ。ところで、僕のおなかに何が入ってるかわかった?
蒼い神様 それがね、起きている間はわからなかったのに、寝ている間、なんとなく見えてきたの。虹が見えたのよ🌈。
ピンクの神様 えーーー!!僕のお腹の中に虹があるの?!
蒼い神様 そうなの!私もびっくりしちゃったわ。どうりで言葉で説明できないわけだわ。まさかお腹に虹があるなんて思わないじゃない?
ピンクの神様 どういうことなんだろうね?
蒼い神様 私はその虹の正体が分かったわ!💡あなたのお腹にはね、夢がいっぱい詰まっていたのよ。
ピンクの神様 夢が入っていたの?!すごいね、夢が入っていたんだね!さすがだね、君は!まるで探偵みたいだね。そんなのまでわかっちゃうんだね!
蒼い神様 その夢はね。なんと、生きていたわ。でももうあなたのお腹から出たがっていたわ。もう準備が整ったから、外へ出たいって。
ピンクの神様 そうなの?外へ?どうやって外へ出したらいいんだろう?
蒼い神様 言葉にするといいみたいよ。夢を言葉にして話すの。そうすると夢が外へ飛び出すわ。でも夢の内容はあなたにしかわからないわ。そこまでは私、わからないの。お腹の持ち主しかわからないのよ。だから、あなたが言葉にするしか方法がないのよ。
ピンクの神様 そうなんだね!僕が夢が何か話したら、夢を外へ出してあげることができるんだね!
蒼い神様 そうよ。外へ出してあげたら、夢は勝手に歩き出すわ。ご飯を上げる必要もないわ。自分で食べ物を見つけに行くの。お洋服着せたり、お風呂に入れたり、面倒見なくてもいいのよ。夢は生まれたてでも、自分でいろんなことできるのよ。それでね、夢に描いてある設計図によって、自動的に描いてあることを組み立てて、実現していく仕組みになっているのよ。
ピンクの神様 へーーー!!なんだかすごいや!早く出してあげたいから、僕、今から言うね。その前に深呼吸して、っと。すーはーすーはー。うん、ちょっと緊張するなあ。君がいるし、ちょっと恥ずかしいなあ。
蒼い神様 もう、恥ずかしがっちゃって(笑)思い切って言ってみて!
ピンクの神様 覚悟を決めたぞ!僕はね、君と一緒に・・・
その瞬間、二人の目の前に巨大なもみの木がニョキニョキとあらわれました。
蒼い神様 まあ、ツリーハウスだわ!私、こんなおうちに住んでみたかったの。お花いっぱいのお庭もあるわ。ベンチやブランコ、ハンモックまであるわ。そして、お部屋には暖炉もあるのね!ふかふかのベッドや、ソファもあるわ。お鍋やお皿も全部そろってるのね!なんてかわいいおうちなのかしら。
ピンクの神様 すごいなあ!口にしただけなのに!でも僕が思った通りのおうちだよ。こんなおうちに、君と住んでみたかったの。ほらみて!窓から海が見えるんだよ。
蒼い神様 ほんとだわ。なんて素敵なの。カモメさんもいるわね。太陽さんもみえるわ。きっとここから眺める星空もきれいなんでしょうね。
ピンクの神様 うん!僕が設計したから間違いないよ。君の好きな物、たくさん入れたんだよ。君が喜んでくれてよかったよ!何度も何度も描きなおしてやっと描き上げた設計図なんだよー。
蒼い神様 まあ、なんて素敵なのかしら!あなたが夜な夜な描いていたのは、これだったのね!全然見せてくれないから、ピンクちゃんのケチ!って思っていたわ。
ピンクの神様 君を驚かせたかったんだー!こんな素敵が家ができちゃうなんてすごいなあ。僕、感動してるよ✨
蒼い神様 さあ、それではおうちができたことを祝って、パーティーよ!
ピンクの神様 うん、そうしよう!今日は腕によりをかけておいしいものつくるぞー!
パーティ好きな二人。ごちそうをたくさん作って、おなか一杯食べ、また次の夢をおなかにためるのでした。あー、幸せ💖
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?